南アジアの小さな島国スリランカは、古代遺跡から美しいビーチ、紅茶の高原まで多彩な魅力を詰め込んだ「インド洋の真珠」と称されます。



近年では女性の一人旅に適した国ランキング世界1位に選ばれるほど海外ソロ旅行先として注目を集めており、20〜30代の日本人女性バックパッカーにもおすすめの行き先です。



たった3泊4日という短期間でも、世界遺産シーギリヤロックの圧巻の遺跡や、コロンボのオシャレな街歩き、スパイス薫る本場カレーなどを十分楽しむことができます。
本記事では「スリランカ 個人旅行」をテーマに、短期滞在でも安全に費用を抑えて旅を満喫するモデルコースをご紹介します。
女子の一人旅ならではの不安点への対策や、現地での移動手段の比較、旅の手配方法なども網羅しました。読み終える頃には「これなら私にもできそう!」と感じられるはずです。それでは南アジアの癒しの島へ、想像の旅に出発しましょう✨
スリランカ一人旅は女性でも安心?安全面と旅のポイント
スリランカは女性の一人旅でも比較的安心して旅できる国だと言われています。
実際、イギリスのTimeOutが選ぶ「2024年ベストな女性一人旅先」で世界第1位に輝きました。


この評価には「南アジアへの入口に最適なユニークな魅力の国」「バックパッカーに人気で遺跡巡りからビーチまで1週間でも1ヶ月でも充実できる」といった高評価が寄せられています。


観光業が盛んな近年のスリランカでは、現地の人々も親切で旅行者慣れしており、適切に注意を払えば女性一人でも快適に過ごせる環境が整っています。
もっとも、「比較的安全」とはいえ海外旅行ですから、最低限の注意は必要です。
例えば 治安 の面では、スリランカは政治的にも安定し犯罪率も高くありませんが、夜間に一人で出歩くのは避け、人通りの少ない場所はタクシーを利用するなど基本的な自衛策をとりましょう。





また過去には一部でテロ事件(2019年)や経済危機によるデモ(2022年)もありましたが、現在は落ち着いています。最新の現地情勢については渡航前に外務省の海外安全情報などで確認し、不安があれば大使館に行き先や連絡先を届け出ておくと安心です。
女性ならではの注意点としては、服装と異性からのアプローチに気を付けましょう。スリランカは仏教国で比較的保守的な文化です。
観光地や都市部ではノースリーブや短パンの旅行者も見かけますが、肌の露出が多いと視線を引きやすくなります。



特に寺院では女性は肩と膝を隠す服装が厳守です。観光中は薄手のストールや羽織れる上着を携帯し、屋内では冷房対策にも兼ねて肩を覆うと良いでしょう。


また人混みではスリや置き引きに注意し、大きなリュックは自分の足元に置く、ファスナー付きバッグを持つなどの対策を。
男性から声をかけられたりじっと見られたりすることもありますが、多くは好奇心やフレンドリーな交流の範囲です。笑顔で軽く受け流すか、場合によっては結婚している設定にして相手にしないなど、必要以上に関わらないようにすると安心です。
公共交通機関では、海外に不慣れな女性には少々ハードルが高い場面もあります。



実は過去に報告された女性旅行者のトラブルの多くは長距離バスや列車内で起こっています。満員の車内ではスリや痴漢被害のリスクもゼロではありませんし、言葉が通じにくい中で乗り合わせた見知らぬ男性に話しかけられると不安に感じるかもしれません。


とはいえ、観光産業の発展に伴い近年はそうしたトラブルも減ってきており、過度に心配する必要はありません。初めての一人旅で不安な方は、後述するチャーター車や現地ツアーを積極的に活用するのも一つの手です。



結論として、スリランカは「女性ひとり旅デビュー」にも最適な国です。世界遺産から自然まで見どころ豊富で、ご紹介するように短期間でも旅程を充実させることができます。
現地では日本ほどサービスが行き届かない面もありますが、それも含めて旅の経験になるでしょう。「自分のペースで好きな場所に行ける」という個人旅行の魅力を存分に味わいながら、安全第一でスリランカの旅を楽しんでください。
モデルコース紹介:3泊4日で巡るスリランカ個人旅プラン
ここでは、20代女性バックパッカーを想定した3泊4日のモデルコースをご紹介します。
限られた日数でもスリランカのハイライトを押さえつつ、無理のない行程で安全とコスパに配慮したプランです。世界遺産シーギリヤロックへの日帰り小旅行と、首都コロンボの市内観光を組み合わせています。
個人手配の旅ですが、要所では現地のチャーター車(観光タクシー)やオプショナルツアーを活用し、女性一人でも移動の不安を減らす工夫をしています。それでは日程ごとに見ていきましょう。


1日目:日本出発~スリランカ到着、コロンボ泊
午前:成田空港からスリランカへ向けて出発(直行便利用の場合、所要約9~10時間)。
スリランカ航空のコロンボ直行便は現在週数便のみ運航しているため日程に注意が必要です(2025年現在)。直行便以外ではシンガポール航空やマレーシア航空等の乗継便も多く、日本からの航空券は往復約8万~15万円程度が目安です。今回は利便性を優先し、直行便(約10万円)を利用しました。
夜:コロンボ・バンダラナイケ国際空港に到着。入国時には事前にオンライン取得したETA観光ビザ(電子渡航認証)を提示します(詳細は後述)。
空港から市内中心部までは約35kmありますが、夜遅い到着でも心配いりません。あらかじめ手配しておいた空港送迎タクシーに乗車し(空港ピックアップサービスは日本から予約可能で約3,000~4,000円)、約1時間で首都コロンボ中心部のホテルへ移動しました。




宿泊:コロンボ市内フォート地区のホステル「C1 Colombo Fort」にチェックイン。


市内中心部に位置し治安も良く、女性用ドミトリーや個室もある清潔なバッパーホテルです。今回は1泊約3,500円×3泊=1万円ほどと格安でした。
フロントは24時間対応で深夜着でも安心です。初日は移動疲れを癒やし、翌日に備えて早めに就寝しましょう。


2日目:世界遺産シーギリヤロックへ日帰り小旅行
早朝(7:00頃):ホテルを出発し、世界遺産シーギリヤ・ロックへ向かいます。


コロンボからシーギリヤまでは約170km離れており、公共交通では日帰り往復は困難です。そのため今回はカーチャーター(観光タクシー)を利用しました。



事前に日本語対応可能な現地ドライバーを予約しておいたので(費用は1日約2万円)、ホテルまで迎えに来てもらい出発。車だと所要約4〜5時間で、道中は車窓からスリランカの田園風景や小さな村の様子も楽しめます。
午前(11:00頃):シーギリヤ近郊のレストランで早めのランチ休憩。
名物のスリランカカレーにトライ。スパイスの効いた数種類のおかずとご飯を手で混ぜて食べるカレーは、日本のカレーとはまた違う風味ですが絶品です。


食後はこまめに水分補給を(スリランカは日中30℃近くなることも)。ペットボトルの水かスポーツドリンクを携帯してください。
正午~午後:いよいよシーギリヤ・ロックの観光開始。
シーギリヤは5世紀頃の古代要塞宮殿の遺跡で、高さ約180mの岩山の頂上に広がる空中宮殿跡が見どころです。
入場料は現地払いで30ドル(約4,500円)ほど。岩の中腹には有名なシーギリヤ・レディのフレスコ画や鏡の壁があり、螺旋階段を登っていくと頂上の王宮跡に到達します。





頂上からは360度のジャングルと遺跡群の大パノラマが広がり、その壮大な景色に思わず感動!女性一人でも、ガイドを頼めば写真撮影を手伝ってくれるので記念撮影も安心です。
訪問客は欧米やアジア各国からの旅行者が多く、ソロで来ている女性もちらほら見かけました。
夕方(16:00頃):観光を終えたらチャーター車でコロンボへ戻ります。
復路も約4~5時間かかるため、夕方は車内で仮眠をとったり、ドライバーさんとおしゃべりしたりとのんびり過ごしました。



スリランカは道中の小さな村にも紅茶畑や仏教寺院が点在しており、車窓観光も飽きません。ただし道路事情はあまり良くなく、一部は舗装がデコボコで渋滞もあります。
そのためグーグルマップの時間予想より余裕を持った移動計画が必要です。
夜(20:00頃):コロンボ市内のホテルに無事到着。
運転手さんに感謝の気持ちを伝え、この日はそのまま宿で休みました(※チップは強制ではありませんが、良いドライバーさんだったので数百ルピー程度渡しました)。
日帰りで往復約8~10時間の長距離移動となりましたが、専用車だったおかげで女性一人でも疲れすぎず、安全・快適に世界遺産を訪れることができました。
★MEMO: コロンボからシーギリヤへの日帰りツアーについて 今回は貸切タクシーをチャーターしましたが、他にも現地発着の日本語ガイド付き日帰りツアーが各種出ています。大手ツアー予約サイトで「シギリヤ日帰りツアー」を探すと、他の旅行者と混載の小グループツアーや、英語ガイドの格安ツアーなど選択肢が豊富です。一人旅で仲間が欲しい場合や、費用をさらに抑えたい場合はこうした現地オプショナルツアーに参加するのもおすすめです。混載ツアーなら一人参加OKのものが多く、移動中も他の参加者とおしゃべりできて楽しいですよ。


3日目:コロンボ市内観光で街歩きを満喫
朝:ゆっくり起床してホテルで朝食。
幸い宿泊プランに朝食ビュッフェが付いていたので追加費用ゼロでした(外食する場合もローカル食堂の朝ご飯は数百円程度と安いです)。
午前:この日はコロンボ市内観光へ出かけます。
まずは市内最大級の仏教寺院ガンガラーマ寺院へ(入場料数百ルピー)。


大小様々な仏像や仏教美術品が所狭しと並ぶ独特の雰囲気で、スリランカ仏教文化に触れられるスポットです。寺院見学の際は肌の露出を避ける服装で。
続いて徒歩5分の湖上に浮かぶ水上寺院シーマ・マラカヤ寺院へ。建築家ジェフリー・バワ設計による寺院で、その静謐な美しさに心洗われます。青い空とベイラ湖を背景にしたフォトジェニックなスポットでもあります。


昼:近代的なショッピングモールコロンボ・シティセンター内のフードコートで昼食休憩。
スリランカ料理だけでなく各国料理が揃い、冷房も効いて快適です。旅行中は毎食ローカルフードだと胃が疲れることもあるので、たまには洋食やカフェ飯でリフレッシュするのも良いでしょう。
午後:再び街歩きに出発。イスラム教のモスクジャミ・ウル・アルファー(赤のモスク)に立ち寄ります。
赤と白のレンガ模様がインスタ映えすると人気のスポットです(外観見学のみ。入場不可の場合あり)。



周辺のペター地区は市場エリアになっており、ストリートを散策しながら紅茶やスパイス、お土産雑貨を物色しました。


値札の無い市場では店主との値段交渉も旅の醍醐味です。強引な客引きもいますが、嫌な時はきっぱり断れば大丈夫。親日的なスリランカ人が多く、「ニホン?」「コンニチハ!」と笑顔で話しかけてくれる人もたくさんいました。
夕方~夜:観光の締めくくりに再びフォート地区へ戻り、旧蘭蔵病院(ダッチホスピタル)へ。
オランダ統治時代の建物を改装した複合商業施設で、おしゃれなレストランやスパが入っています。



ここでフットマッサージを受けて旅の疲れを癒やしました(30分で約1,500円ほど)。
その後、施設内のバー&レストランでディナー。地元の若者や観光客で賑わう開放的な雰囲気の中、南国フルーツカクテルで乾杯!


スリランカ産蒸留酒アラックを使ったカクテル「アラック・アタック」は度数が高いので酔いすぎ注意です。
お酒を飲む際も自分の飲み物から目を離さない、人混みを歩く時は最低限の警戒をする、といった基本は忘れないようにしましょう。ホテルへは無理せず配車アプリ(後述)でタクシーを呼び、21時頃には帰着しました。
4日目:スリランカ出国~日本帰国
朝:名残惜しいですが、いよいよ帰国日です。
朝食後、荷物をまとめてチェックアウト。ホテルスタッフに見送られながら出発です。
午前:フライト時刻に合わせて、ホテルから空港へ向かいます。
今回は帰国便が昼前だったため、朝8時にタクシーを手配しました。
コロンボ中心部から空港までは車で約1時間ですが、ラッシュ時は渋滞するため余裕を持って出発しました。
PickMeアプリで呼んだタクシーが定刻通り迎えに来てくれ、定額料金なのでぼったくりの心配もありません。約3,000ルピー(約1,500円)とリーズナブルな空港送迎でした。
午前(10:30):コロンボ発の航空機で日本へ向け出発。
スリランカの美しい思い出に心を馳せながら帰路に就きました。短い日程ながら、世界遺産と都市観光の両方を楽しめて大満足の旅となりました。
「次はもっと長く滞在して、紅茶の茶畑や南部のビーチにも行ってみたいね」と心に決めつつ、日本までの空の旅を過ごしました。
★モデルコースの費用目安(1名あたり) 今回の3泊4日旅の総費用は約14万円でした。内訳は航空券約10万円、宿泊約1万円、シーギリヤ日帰りツアー代約2万円、食事代約2千円、その他(入場料や土産など)約8千円です。ホテルをホステルにする・列車移動を活用する等でもう少し節約は可能でしょう。一方で航空券やチャーター代は時期により変動します。バックパッカーなら現地滞在費は1日あたり5,000円前後でも十分可能です。安全と快適さを優先するパートと節約するパートを上手に組み合わせ、自分の予算に合った旅をプランニングしてください。
スリランカ旅行の移動手段:公共交通vsチャーター比較
異国の地での移動手段は、旅の安全性や予算を左右する重要ポイントです。
スリランカでは鉄道やバスなどの公共交通機関が安価に利用できる一方、専用車を貸し切るタクシーチャーターも日本より手頃な料金で頼めます。



それぞれメリット・デメリットがあるので、目的や状況に応じて使い分けるのがおすすめです。ここでは主要な移動手段の特徴とコツをまとめます。


鉄道・バスでの移動:安くて旅情満点だが時間に余裕を
スリランカの鉄道とバスは、まさに「安くて冒険的な移動手段」です。鉄道は19世紀英国統治時代に敷設された路線網があり、コロンボ~キャンディ~エラに至る高原ルートや、コロンボ~ガalle間の「海沿い列車」など観光的にも有名です。


運賃は区間にもよりますが長距離でも数百~千円程度と格安で、一等車・二等車でも比較的安く乗れます。



ゆったり窓から風を感じ、売り子からホットスナックを買ったり、車窓の子どもに手を振ったりと情緒があります。
一方で時間の正確さは期待できません。列車はしょっちゅう遅延し、ストや倒木で運休することも珍しくなく、日本のような定時運行はまずありません。またスピードも遅く、「この距離でなぜこんなに時間が?」と思うほどのんびり進みます。エアコンが壊れていたり窓が開かなかったりと設備も年季が入っています。鉄道旅は速さではなく旅情を求める人向けと言えるでしょう。
バスも国内津々浦々に路線が張り巡らされ、地元の人の主要な足となっています。
運賃はこれまた激安で、例えばコロンボ~キャンディ間(約120km)でもエアコンバスで300~400ルピー(約150~200円)ほど。



しかしハードルも高めです。行き先表示はシンハラ語やタミル語のみで読めないことも多く、乗り場や乗換も慣れないと難しいでしょう。
乗客も多く、ぎゅうぎゅう詰めの車内で大きな荷物を抱えるのは一苦労です。揺れも激しく、車酔いしやすい人にはつらいかもしれません。



さらに途中で外国人と分かると法外な料金を吹っかけられたという話も聞きます。時間通りに走らないのも鉄道同様で、「待てど暮らせど来ない」「乗っても渋滞で予定通り着かない」なんてことも。
そして安全面では、過去には車内で痴漢被害やスリ被害の報告もありました。
例えば「コロンボ市内の移動はバスに挑戦してみる」「景色の良い高原鉄道区間(キャンディ~エラ間など)だけ乗る」など、旅情と効率を両立する工夫がおすすめです。
タクシー/車チャーター:安全・快適だが費用に注意



対してタクシーや貸切車(ドライバー付きレンタカー)は、短期間で効率よく回りたい旅行者の強い味方です。特に一人旅の場合、多少割高でも時間を買うメリットは大きいでしょう。


スリランカの観光タクシー料金は、日本や欧米に比べると比較的手頃です。専用車チャーターの相場は1日あたり約60~100米ドル(約8,000~13,000円)程度で、車種やシーズンによって変動します。



今回シーギリヤ往復でお願いした運転手も1日約2万円(車両代・燃料代・高速代込)という料金でした。これを高いと見るか安いと見るかですが、2~3人でシェアすれば一人数千円と断然お得ですし、複数都市を短期間で回るならチャーターは「時間をお金で買う」賢い手段です。
実際、社会人旅行や女子旅ではチャーター利用が人気で、「スリランカ旅行は思ったより広いし見所が点在しているから車が必要」という声もあります。



チャーター利用の利点は安全性と柔軟性にあります。信頼できる運転手に依頼すれば、土地勘のない場所でも迷う心配がなく、荷物も車内に置いて観光できます。
公共交通では行きにくい場所(早朝の空港送迎や奥地の観光地)へもアクセス可能です。スリランカの主要道路は高速化が進んでおらず、長距離移動では運転にかなり集中力を要します。
プロのドライバーに任せれば自分は車内で休憩でき、女性一人でも疲労がぐっと軽減されます。「その土地ごとの美味しい店に寄ってほしい」「トイレ休憩したい」といったリクエストにも柔軟に応じてもらえるのも助かります。
一方でチャーターのデメリットは費用でしょう。バックパッカー的には1日1万円超は痛手ですが、その分を節約するために貴重な旅行時間を半日バス移動に費やすか…と考えると悩みどころです。また信頼できる運転手選びも重要です。
ネット上の口コミだけでは実際どんな人が来るか分からないことも多いので、できれば他の旅行者(特に女性)の紹介や実績ある会社を通じて手配すると安心です。



今回私がお世話になったドライバーさんも日本人女性旅行記で紹介されていた方で、コミュニケーションも丁寧で当たりでした。SNSやブログ、ガイドブックなどで“おすすめドライバー情報”を探してみるのも良いでしょう。


配車アプリ(Uber/PickMe)の活用
スリランカ国内の移動では、短距離のタクシー移動にスマホの配車アプリを使うのも非常に便利です。大都市圏では日本でおなじみのUberが利用できるほか、スリランカ発の配車サービスPickMeが広く普及しています。



PickMeはタクシーだけでなく三輪タクシーのトゥクトゥクも呼べるのが特徴で、旅情を味わいつつ格安で移動したい時に最適です。料金はアプリ上に目安が表示され、現地の相場に基づいた適正価格なのでぼったくりの心配がありません。
乗車場所もGPSで指定できるため、言葉が通じなくても問題なく車を手配できます。
利用にはスマホとインターネット接続が必要なので、現地SIMカードを購入するか日本でeSIMを用意しておきましょう(詳細後述)。注意点として、PickMeはアカウント登録にスリランカの電話番号が必要です。



日本の番号ではSMS認証がうまくいかない場合があるので、空港でプリペイドSIMを入手後に登録することをおすすめします。Uberは日本の電話番号でも利用可能です。
支払いは現金またはクレジットカード登録が選べますが、現金だと「お釣りが無い」等のトラブルになりやすいのでカード払いが無難です。
コロンボ市内や観光地では基本的にこのようなアプリでタクシーやトゥクトゥクを呼ぶと良いでしょう。値段交渉のストレスも無く、名前やナンバーが記録に残るため安全面でも安心感があります。
ただし地方の田舎ではアプリ対応車が少ないこともあるため、その場合は宿泊先のスタッフに車を手配してもらうか、流しのタクシーをつかまえる必要があります。
いずれにしても、旅の状況に合わせて公共交通と車移動を上手に組み合わせることで、時間とお金、そして安全のバランスを取った移動計画を立てましょう。
スリランカ個人旅行の手配と準備ガイド
最後に、今回のようなスリランカ個人旅を実現するための具体的な手配方法や準備ポイントを解説します。航空券やビザの取得、宿泊予約など出発前にすべきことと、持ち物や現地での便利情報をまとめました。
航空券の手配:直行便と乗継便の比較
スリランカへの空の玄関口はコロンボ・バンダラナイケ国際空港(CMB)です。


日本からの直行便は2025年現在、スリランカ航空(UL)が成田~コロンボ間を週数便運航しています。所要約9~10時間で、往路は昼発・夜着、復路は午前発・夜日本着のスケジュールです。



直行便の利点は言うまでもなく移動が早く楽なこと。デメリットは運航日が限られるため日程調整が必要なことと、やや運賃が高めなことでしょう。
往復航空券代は直行便の場合おおむね10~15万円が目安ですが、早期予約やセールで安くなることもあります。
一方、乗継便はシンガポール航空(成田・関空→シンガポール経由)、マレーシア航空(成田→クアラルンプール経由)、キャセイパシフィック(羽田→香港経由)など選択肢が豊富です。
乗継時間にもよりますが所要は最短で12~13時間、長いと20時間以上かかる場合もあります。運賃は直行便より安いことが多く、往復7~10万円台で見つかることもあります。



時間を取るか費用を取るか悩みどころですが、3泊4日と日程が短い今回は迷わず直行便を選びました。日数に余裕があれば安価な乗継便を利用し、その分を現地費用に回すのもありでしょう。
ビザ(ETA)の取得:オンライン申請が簡単・日本人は実質無料
スリランカへ観光目的で渡航するには事前に電子渡航認証(ETA)の取得が必要です。
ETAはオンラインで申請・決済でき、通常は30日間有効のダブルエントリー観光ビザが発給されます。公式サイトから申請ページにアクセスし、必要事項(パスポート情報や渡航日程など)を入力するだけなので手続きはシンプルです。


発給には通常数日かかりますが、私の場合は申請翌日には承認メールが届きました。承認通知は印刷して持参し、入国審査時にパスポートと一緒に提示します。
ビザ料金は国籍によって異なり、通常は観光目的30日ビザで50米ドル+手数料が必要です。
しかし嬉しいことに日本人は現在この50ドルが免除(無料)となっています。2022年以降スリランカ観光促進のため、日本を含む数カ国の訪問者に対しETA料無料措置が度々延長されており、2024年時点でも日本人はオンライン手数料20ドルのみで取得できました。



この措置は予告なく変更される可能性があるため、最新情報は外務省やスリランカ大使館サイトで確認しましょう。仮に有料になっても50ドル程度ですので、大きな負担にはならないかと思います。
なお、ETA申請時には公式サイト以外の代行業者に注意してください。検索すると非公式の申請代行サイトがヒットすることがありますが、手数料が割高です。
必ず“.gov.lk”ドメインの公式ページから申請しましょう。またパスポートの残存有効期間は入国時に6ヶ月以上必要です。パスポート番号や名前の入力ミスをすると再申請(有料)になるので、申請内容は慎重に確認してください。


宿泊先の手配:安全性重視なら立地と口コミをチェック
短期旅行では宿泊拠点をどこに置くかも重要です。
今回は全泊コロンボ市内に連泊するプランでしたが、旅程によってはコロンボ+他都市で分けて宿泊する方が効率的な場合もあります。



例えばシーギリヤ周辺に1泊してからコロンボに戻る、南部ゴールに足を伸ばして最後の夜はビーチ滞在にする、などアレンジは自在です。
宿選びで大切なのは安全と立地です。20代バックパッカーであれば安宿中心になるかと思いますが、女性一人なら多少費用がかさんでも治安の良いエリア・設備の整った宿を選ぶのが安心です。


具体的には、主要観光スポットや駅バスターミナル周辺で人通りの多い場所、フロント常駐やセキュリティがしっかりしている宿が望ましいでしょう。



今回泊まったホステル「C1 Colombo Fort」のように、女性専用ドミトリーやカードキー完備の宿は安心感が高いです。現地でトラブルに遭った日本人女性の多くは、夜間の安宿で施錠を怠ったために盗難被害に遭ったケースなどが報告されています。宿泊費をケチりすぎず、安全第一で選びましょう。
予約はオンライン予約サイト(AgodaやBooking.comなど)を利用すると便利です。
事前に日本語で他の旅行者の口コミ評価を確認でき、立地や設備も地図と写真で把握できます。スリランカはゲストハウスや小規模ホテルが多く、部屋数が少ない宿は直前だと満室のこともあります。
特にピークシーズン(11~3月)や週末は早めの予約がおすすめです。ちなみに宿代相場はピンキリですが、安宿なら1泊2,000~4,000円程度から見つかります。
一方で高級リゾートは1泊1~2万円台と上を見るときりがありません。今回はホステル個室で約3,500円/泊でしたが、同等クラスの宿は他都市でも似たような価格帯です。




アーユルヴェーダ付き高級スパリゾートなどに泊まる場合は1泊数万円するので、旅の目的に応じて贅沢する部分と節約する部分のメリハリをつけると良いでしょう。


持ち物・現地準備:服装と現地通貨、通信環境をチェック
最後に、旅をより快適にするための持ち物や現地での準備事項です。
- 服装・持ち物:先述の通り、肩や膝を隠せる薄手の上着やストールは必携です。屋外は暑く屋内は冷房が効いているため体温調節できる服装が望ましいです。寺院用に靴を脱ぐ場面も多いので脱ぎ履きしやすいサンダルがあると便利ですが、長距離歩く日はスニーカーで。虫除け対策として長袖長ズボンも1セット持っていきましょう。雨季に当たる場合は折りたたみ傘やレインポンチョも役立ちます。
- 医薬品:スリランカは水や生野菜でお腹を壊す旅行者もいます。整腸剤や下痢止め、頭痛薬は日本から持参しておきましょう。日差しが強いので日焼け止めや帽子も必須です。蚊が多い地域ではデング熱のリスクもあるため虫除けスプレーを使い、夜は肌の露出を抑えて蚊に刺されないよう注意してください。
- 通信環境:渡航前にスマホのSIMロックを解除し、到着空港で現地SIMカードを購入するのがおすすめです。主要通信会社(DialogやMobitelなど)のプリペイドSIMは空港カウンターで販売しており、5~10GBのデータプランが数百~数千円と安価です。購入にはパスポート提示が必要。eSIM対応スマホなら、日本を出る前にオンラインでスリランカ用eSIMを購入しておく手もあります。現地で使えるネット環境があれば、地図アプリでルート検索したり配車アプリを使ったりと旅行の自由度が格段に上がります。逆にネットが無いと途端に不便になるので、SIM準備は忘れずに。
- 現地通貨・両替:スリランカの通貨単位はスリランカルピー(LKR)で、1ルピー≒0.5円前後です。例えば200ルピーのお水は約100円、1,000ルピーの食事は約500円という計算になります。日本国内でルピー現金への両替はできないため、米ドル現金を持参して空港や市中の両替所で両替すると良いでしょう。コロンボのフォート地区などにはレートの良い両替商が多数あります。クレジットカードも都市部のホテル・レストラン・店で広く使えますが、稀に通信不良で使えないこともあるので予備の現金(米ドルか円)を十分用意し、複数のクレジットカードを持つと安心です。ATMはCommercial BankやHSBCなど主要銀行のものがあり、VISA/MASTERのキャッシュカードで現地通貨引き出しも可能です。高額紙幣を崩すため、小額紙幣(100~500ルピー)も意識して持っておきましょう。
- 気候とベストシーズン:スリランカは地域によって雨季と乾季が異なります。一般に南西部(コロンボやガalle、シーギリヤ含む内陸)は11~4月頃が乾季で観光のベストシーズンです。5~10月はモンスーンの影響で雨が多くなりますが、今回6月訪問時も短いスコール程度で観光に大きな支障はありませんでした。東北部(トリンコマリー等)は逆に4~9月が乾季で、ビーチを目的にするなら夏場に東海岸へ行くのがおすすめです。いずれにせよ短期旅行では天候を選べない部分もありますので、雨具の用意や日程の柔軟な組み替えなどで対応しましょう。「暑さが苦手で…」という方は、比較的涼しい12~2月頃を検討すると良いかもしれません。



以上が準備すべきポイントのまとめです。しっかり計画と準備をしておけば、現地では思い切り旅を楽しむだけ!
特にビザや航空券など重要事項は抜かりなく済ませ、あとは現地でのハプニングも寛容な心で受け止める余裕を持って出発しましょう。スリランカはあなたにきっと新たなエネルギーと自信を与えてくれるはずです。安全第一で、素敵な旅を!
まとめ:3泊4日スリランカ個人旅の要点
- 女性の一人旅でも安心:スリランカは治安が比較的良く、女性ソロ旅行者に適した国世界1位に選ばれるほど評価が高い。現地の人も親切で観光客慣れしており、最低限の注意を払えば快適に過ごせる。夜間の外出や服装など基本的な自衛策は忘れずに。
- 短期でも見どころ凝縮:3泊4日あれば、世界遺産シーギリヤロックの日帰り観光と首都コロンボでの市内散策を組み合わせて十分満喫可能。モデルコースでは専用車で効率よく移動し、遺跡と都市文化の両方を体験した。
- 公共交通vsチャーターを使い分け:鉄道やバスは格安だが時間がかかり初心者にはハードル高め。短期間・安全重視なら信頼できる**観光タクシー(チャーター車)**を活用しよう。1日あたり80ドル前後で貸切でき、時間節約と安心を買える。予算に応じて現地ツアーや他の旅行者とのシェアも検討。
- 配車アプリが便利:都市部の移動はPickMe(スリランカ版Uber)が安全・安価。トゥクトゥクも呼べて交渉不要。利用には現地SIMと電話番号が必要なので準備を。Uberも利用可。
- 費用感と節約ポイント:航空券代を除く現地滞在費はバックパッカーなら1日5,000円程度でも可能。今回の総額は約14万円(航空券10万+現地4万)だった。宿はドミトリー利用、食事はローカル中心にするなど節約し、移動や体験にメリハリ出費すると満足度◎。
- ビザと渡航準備:日本人観光客はオンラインのETAビザ取得が必要(現在50ドルのETA料は無料措置中で手数料のみ)。パスポート残存や申請内容の確認を忘れずに。渡航前に海外旅行保険にも加入推奨(医療費カバーや盗難補償で安心)。
- 持ち物と現地対策:露出を抑えた服装(ストール・長袖)で文化尊重&日焼け・防虫対策。常備薬や日焼け止め必携。空港でSIM入手しネット環境確保を。両替はUSD現金を用意、1LKR≈0.5円で小額紙幣もキープ。
以上を押さえておけば、短い休みでもスリランカ個人旅行は怖くありません。南国の豊かな自然と文化、人々との触れ合いを通じて、きっと素敵な思い出ができることでしょう。どうぞ安全で楽しい旅を!✨