スリランカ南西部のリゾートタウン ベントータ（Bentota）は、「スリランカの楽園」と称される美しいビーチと本格的なアーユルヴェーダが楽しめる癒しの旅先です。
さつきコロンボから約60～65km南に位置し（車で約1.5～2時間）、ヤシの木が揺れる遠浅の海と穏やかな雰囲気で欧米人にも人気のビーチリゾートです。
20代女性の一人旅でも安心して過ごせるフレンドリーな土地柄で、日々の疲れを癒しながら心身をリフレッシュできるでしょう。
ベントータ（スリランカ）とは？その魅力と基本情報
ベントータはスリランカ南部州ガル県にある人口3～4万人程の沿岸の町です。1970年前後にスリランカ政府が観光開発を進め、「ナショナルホリデーリゾート」として計画的に整備された歴史を持ちます。
さつきそのため大型リゾートホテルからブティックホテルまで宿泊施設や観光インフラが充実しており、初めて訪れる旅行者にも利便性が高いです。町の北側を流れるベンタラ川（ベントータ川）が西部州との州境となっており、川を挟んで美しいビーチと豊かな自然環境が広がっています。
ベントータの名前にはちょっとした伝説もあります。古くはこの地に「ベン」という鬼神が川を守っていたという言い伝えから、川辺（シンハラ語で「tota」）のベン＝「ベントータ」と呼ばれるようになったとされます。異国情緒あふれるこうしたストーリーも、旅のロマンをかきたててくれますよね。
ラクシャンまたベントータは、古くからアーユルヴェーダ（伝統医療）で知られる土地でもあります。周辺にはアーユルヴェーダ専門のリゾートやスパが点在し、欧米や日本からこの地で癒しの滞在を求めて訪れる人も少なくありません。
ビーチでのんびり南国気分を味わいながら、心身のリセットもできる――そんな二つの魅力を兼ね備えたベントータは、特に女性の一人旅にぴったりのデスティネーションと言えるでしょう。
ベントータビーチで満喫する南国リゾート
ベントータ最大の魅力は何と言ってもベントータビーチです。
約2km以上にわたって続く黄金色の砂浜はさらさらで、美しいインド洋が目の前に広がります。ビーチの北端は川の河口とラグーンになっており、「パラダイスアイランド」と呼ばれる砂州エリアになっています。
南端に向かうほど人影もまばらで、椰子の木陰の下、静かなプライベートビーチ気分を味わえます。観光客は欧米からのカップルや家族連れが中心で、騒がしさとは無縁のゆったりした空気が流れています。
海沿いでは泳いだり日光浴を楽しむのはもちろん、様々なマリンスポーツにも挑戦できます。
ラグーン（潟湖）になっている北側エリアは波が穏やかでウォータースポーツの拠点となっており、ジェットスキーやバナナボート、ウィンドサーフィンなどのレンタルショップが並んでいます。
ラクシャン沖合ではサーフィンに適した波が立つポイントもあり、初心者向けスクールを開催するホテルもあります。また、ダイビングやシュノーケリングのツアーに参加して熱帯魚やサンゴを観察したり、沖合でのスポーツフィッシング（釣り）に挑戦することもできます。
夕方には水平線に沈むサンセットが格別に美しく、ビーチをオレンジ色に染める夕陽は旅のハイライトになるでしょう。
ビーチ周辺にはオープンエアのカフェやシーフードレストラン、ローカルの屋台も点在しています。新鮮なシーフードカレーやトロピカルフルーツジュースを味わいながら、海風に吹かれてのんびり過ごす時間は至福そのものです。
リゾートのショッピングアーケードにはバティック（ろうけつ染め）の衣料や木彫りの仮面、宝石などスリランカならではのお土産物店が並び、ビーチ帰りにふらりと立ち寄るのも楽しいでしょう。
なお、海水浴をする際は季節による波の高さに注意しましょう。5～9月の南西モンスーン期は風が強まりやや波が高くなりますが、ベントータの海岸は遠浅のため比較的大きな波にはなりにくいと言われています。
さつきそれでも遊泳の際は自分の泳力と相談し、無理をしない範囲で楽しんでくださいね。ビーチにはホテルのセキュリティやライフガードも常駐しているため、基本的に安全に過ごせます。
女性の一人旅でも、人目がある日中に限れば砂浜を散歩したり読書をしたりといった時間を安心して満喫できるでしょう。
癒しのアーユルヴェーダ体験 – 心と体をリセットする贅沢
ベントータが他のビーチリゾートと一線を画すのは、本格的なアーユルヴェーダ体験ができる点です。
さつきアーユルヴェーダとは約5000年前にインドで発祥した伝統医学で、自然の力を借りて心身のバランスを整え健康増進を図るホリスティックな療法です。
ベントータ周辺にはこのアーユルヴェーダを専門に提供するホテルやスパが複数あり、旅の目的として訪れる人もいるほど人気を博しています。
どんな体験ができるの？
一口にアーユルヴェーダと言っても、内容や所要時間は様々です。時間がない方や気軽に試したい方は、街中のスパやクリニックで受けられる半日～1日コースがおすすめです。
例えば「ベントータ・アーユルヴェーダセンター」という施設では、医師の問診から始まりシロダーラ（額へのオイル垂らし）や全身オイルマッサージ、ハーバルボール温熱療法など盛りだくさんの本格施術を4～5時間かけて体験できる1日パッケージがあります。
料金は約25,000円前後と内容の割に良心的で、施術後にはハーブティーのサービスもありリラックスできると評判です。日本ではなかなかまとめて受けられないアーユルヴェーダも、現地ではゆったり贅沢に堪能できます。
一方、数日間の滞在型プログラムでじっくりデトックスしたいという方には、アーユルヴェーダ専門リゾートへの宿泊がおすすめです。
ラクシャンベントータには有名なアーユルヴェーダリゾートが点在しており、例として「バーベリン・サンズ」「アイーダ・アーユルヴェーダリゾート」「ランカプリンセス（ダルマヌータガーデンズ）」等が挙げられます。
これらの施設ではチェックイン後にまずアーユルヴェーダ医師の問診を受け、体質（ドーシャ：ヴァータ・ピッタ・カパのバランス）診断に基づいて個別の施術プランを組んでくれます。
さつき通常は最低でも3日～1週間程度の滞在コースとなり、毎朝のヨガクラスに始まり、食事療法、ハーブ薬の服用、本格オイルトリートメントやシロダーラ、ハーバルスチームバスなど日替わりの施術が含まれます。
午前中にたっぷり1～2時間の施術を受けた後は、オイルを染み込ませるためにしばらくシャワーを控えつつガウン姿でのんびり過ごす…という具合に、一日がゆったり流れていきます。
多くのアーユルヴェーダリゾートは川沿いまたは海沿いの自然豊かな環境にあり、施術の合間には庭の散策や川辺での読書、プールでのひと泳ぎなど自由時間も存分に楽しめます。
リゾートによっては夜に文化ショーが開催されたり、希望者向けに瞑想セッションが行われたりと、心身の癒しに特化したプログラムが用意されています。食事も重要な癒しの一部です。
さつき基本的に新鮮な野菜や果物、ハーブを使ったヘルシー志向のスリランカ料理が提供され、滞在中は禁酒・禁煙が推奨されます。施設によっては魚や肉類を少量出すところもありますが、本格的な施設では肉・魚・アルコール類は一切提供されず、ゲストそれぞれのドーシャに合わせた薬膳的メニューが提供されます。
例えばバーベリン系列では医師が食事中も同席し、料理ごとに「これはあなたには控えめに」「こちらを多めに」とアドバイスしてくれる徹底ぶり。
ラクシャン一方、ダルマヌータガーデンズではビュッフェ形式で各料理に「V/P/K」など対応ドーシャが表示され、自分の体質に合うものを選べるよう工夫されていました。いずれにせよ「スリランカ滞在中で一番おいしいご飯だった！」という声もあるほど味付けも評判で、身体に優しいだけでなく食の楽しみも満たされます。
このように徹底したアーユルヴェーダ漬けの数日間を過ごすことで、「本来の自分を取り戻した」ような心身の軽さを実感できるはずです。
実際に3日間のコースを体験した旅行者は「短期間でも十分リフレッシュできた。
さつきホテルで出会った女性同士で近くの町へ散歩に出かけた際、道すがら現地の人が笑顔で“ハロー！”と声をかけてくれて、一人歩きでも怖いどころか癒された」というエピソードを紹介しています。
施術の合間に地元散策を楽しめるのも、治安の良いベントータならではと言えるでしょう。日中の町は穏やかで、人懐こい笑顔に出会えるはずです。
豆知識: ベントータ周辺は古くからココヤシのプランテーション（農園）が広がり、採取したヤシの樹液を発酵させたトディという椰子酒（ヤシ酒）でも有名です。アーユルヴェーダ中は飲酒NGですが、終了後に機会があれば地元のトディを少し味見してみるのも面白いかもしれません。ただし度数のあるお酒なので、飲み過ぎにはご注意を。
ベントータへの行き方・アクセス
日本からベントータへの主なルートは、空路でスリランカに入り陸路で南下する形になります。以下に具体的なアクセス方法をまとめました。
日本からスリランカへ空路で直行
成田空港からスリランカへの直行便（スリランカ航空利用）で約9時間ほどでコロンボ近郊のバンダラナイケ国際空港に到着します。
さつき週数便の運航があり、深夜～早朝にかけて到着するスケジュールが一般的です。航空券は早めの予約で往復5～7万円台から見つかることもあります。
予算に余裕があればシンガポール航空やマレーシア航空等で乗継ぎ、途中のアジア都市で観光を楽しみながら行くプランも検討できます。
空港到着後、そのままベントータに向かうことも可能ですが、到着が夜遅い場合は無理せず空港近くかコロンボ市内で1泊するのがおすすめです。翌朝から余裕を持ってビーチリゾートへ移動しましょう。
コロンボからベントータへのアクセス手段
コロンボもしくは空港エリアからベントータまでは、距離にして約60～70kmです。主な移動手段として鉄道（列車）、バス、タクシー（車）の3つがあります。それぞれ所要時間や費用が異なるので、以下の表にまとめました。
| 移動手段 | 所要時間 | 費用(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 鉄道（列車） | 約1～1.5時間 | 約Rs.1,100～2,600（2等・3等席） ※約400～900円程度 | 海沿いを走る南部線で景色◎。1日数本の特急・快速が運行。地元客で混雑することもあるが、時間通り比較的速い。 |
| バス | 約2～3時間 | 約Rs.200～400（エアコン無〜有） ※100～200円程度 | 最安だが停車が多く時間かかる。コロンボ市内ペター局発アルッガマ行きの長距離バス利用。大型荷物は預け可能だが、混雑時はやや大変。 |
| タクシー/車 | 約1.5時間 | 約Rs.5,000～7,000（交渉次第） ※2,000～2,800円程度 | ドアツードアで快適・最速。高速道路(E01)経由で渋滞少。空港送迎手配も可能（約100km）。複数人なら割安。 |
※Rs＝スリランカルピー。1Rs約0.4円で換算（2025年時点）。
さつき車窓からは沿岸の風景を満喫でき、ローカルな雰囲気も味わえます。ただし1日に上下各2～3本程度と本数が限られるため、時刻表の事前確認は必須です。
人気の時間帯は混雑するので、前日に駅で切符を予約購入しておくか、少し早めに行って自由席に乗り込むと良いでしょう。
所要2～3時間ですが、エアコン無しのローカルバスなら数十ルピーという破格の安さです。
エアコン付きの座席予約制バス（インターシティバス）が運行していれば快適ですが、本数が少ないためタイミングが合えば利用してみましょう。
大きな荷物がある場合は乗務員に伝え、バス底部のトランクに入れてもらえます。ローカルバスは途中停留所が多く揺れもあるので、体力と相談して選んでください。
空港から直接ベントータのホテルまで送迎を手配することもでき、所要約1.5～2時間で到着します。料金は車種や交渉によりますが、だいたい5～7千ルピー前後が目安です。
日本円にすると片道2～3千円程度で、複数人でシェアすれば一人あたりの負担も抑えられます。スリランカではPickMeという配車アプリが普及しており、Uberより割安かつドライバーも丁寧と評判です。
コロンボ市内や空港周辺でアプリを使って車を呼び、目的地に「Bentota (ホテル名)」と指定すればスムーズに移動できます。
さつき時間帯によってはコロンボ近郊で渋滞がありますが、コロンボ～ベントータ間には高速道路も整備されているため移動自体は快適です。
初めての土地で公共交通に不安があれば、無理せず車移動を選ぶのも良いでしょう。
ベントータ周辺の観光スポット＆アクティビティ
ビーチとアーユルヴェーダ以外にも、ベントータ周辺には魅力的な観光スポットや体験があります。リゾート滞在の合間にぜひ訪れてみたいおすすめをご紹介します。
ベントータ川サファリ
ベントータの北側に広がるベンタラ川（Bentota Ganga）はマングローブが生い茂る豊かな生態系の宝庫です。現地ではボートサファリツアーが人気で、小型ボートに乗り込み2時間ほどかけて川やラグーンを巡ります。
静かな水面を進みながら、水辺に顔を出すワニや樹上のトカゲ、色とりどりの野鳥を間近に観察できます。川中の小島に上陸してシナモン（肉桂）の農園を見学し、シナモン茶を振る舞ってもらえるユニークな体験もあります。
ラクシャンなんと川の中州にアーユルヴェーダマッサージ小屋があるツアーもあり、希望すれば途中下船して緑に囲まれた島で贅沢なオイルマッサージを受けることも可能です。
「ボートサファリ＋アーユルヴェーダ」というベントータならではの組み合わせに挑戦してみるのも面白いですね。
ウミガメ保護センター（孵化場）見学
ベントータから南へ約10km（車で15～20分）行ったコスゴダ（Kosgoda）は、海亀の産卵地として有名です。ここにはウミガメの卵の人工孵化や負傷した亀の保護活動を行う施設（タートル・ハッチャリー）があり、誰でも見学することができます。
センターではホシオオモンガメやアオウミガメなど5種類の海亀について学べ、孵化したばかりの子ガメや albino（アルビノ）の珍しい白いカメを見ることもできます。
さつきスタッフが英語で丁寧に説明してくれ、希望すれば小さな子ガメを手に取って触れる体験もできます。運が良ければ夕方に海岸で子ガメの放流をお手伝いできることも。
入場料は数百ルピー程度で、集められた寄付金が保護活動に充てられています。「小さな命を守る」尊い活動を間近に感じられ、旅の思い出に残るスポットです。
ジェフリー・バワゆかりの建築巡り
建築好き・ガーデン好きなら、ベントータは巨匠ジェフリー・バワ（Sri Lankaが生んだ著名建築家）の足跡をたどるのにも絶好の地です。
彼のかつての別荘であり、現在は一般公開・宿泊も可能なルヌガンガ（Lunuganga）はベントータ川沿いに広がる広大な庭園です。
緑の丘と湖水を背景に、美しく計算された庭園美と芸術品が点在し、静謐な空間に心奪われます。
ラクシャン宿泊者でなくとも有料のガーデンツアー（英語ガイド付き）に参加でき、優雅なティータイムを楽しむこともできます。町からトゥクトゥクで20分程内陸に進んだ場所には、バワの兄であるベビス・バワが手掛けたブリーフガーデン（Brief Garden）もあります。
こちらも異国の美術館のような洗練された庭園で、芸術家達が愛した隠れ家として知られます。
さらにベントータ駅舎や老舗リゾートホテル「ベントータビーチホテル（現シナモン・ベントータビーチ）」もバワ設計で、街全体に彼のデザインの息吹が感じられます。興味のある方はぜひ訪れてみてください。
その他周辺観光
ベントータ近郊には他にも見どころが点在します。隣町アルッガマには地元のマーケットや雑貨店があり、ローカルな買い物や街歩きが楽しめます。
さらに車で30分ほど南下すればベルワラ（Beruwala）に到着。ここには高さ48mの巨大な仏像で有名なカンデ・ヴィハーラ寺院があり、その迫力に圧倒されます。
ベルワラのビーチ（通称ゴールデンビーチ）はベントータと地続きで、ヤシ林の続く静かな砂浜が魅力です。
時間に余裕があれば、もう少し足を延ばして世界遺産ゴール旧市街（南へ約50km）や山側のシンハラジャ森林保護区などを訪れる拠点にもなるでしょう。
まとめ – ベントータは初心者女子にも安心な癒し旅先
- 楽園ビーチと称されるベントータは、遠浅で美しい海と静かな環境で女性の一人旅にも最適。欧米人観光客も多く、リゾート全体が落ち着いた雰囲気です。
- 本場アーユルヴェーダを体験できる希少なビーチリゾート。1日コースから宿泊型プログラムまで幅広く、自分に合った癒し方で心身リセットできます。
- アクセス良好で、コロンボから鉄道で約1.5時間。空港送迎や配車アプリも利用可能で移動の不安も少なく、初心者でも安心して訪れられます。
- アクティビティ充実：マリンスポーツや川のボートサファリで自然を満喫。ウミガメ保護センター訪問で社会貢献型の学びも得られます。
- 治安と安心感：地元の人々は親切でフレンドリー。リゾートエリアは警備や設備も整い、一人旅でも快適に過ごせる配慮が行き届いています。
南国スリランカのベントータで過ごす時間は、日常の喧騒を忘れさせてくれる穏やかで豊かなひとときです。ビーチの波音に耳を澄まし、伝統のアーユルヴェーダで自分を労わり、現地の優しさに触れる旅は、きっと心身ともにリフレッシュできることでしょう。
「一人で海外は少し不安…」という方も、ベントータならきっと大丈夫。しっかり準備をして出発すれば、笑顔溢れる楽園リゾートがあなたを温かく迎えてくれるはずです。ぜひ勇気を出して、一歩踏み出してみてくださいね。
