「世界遺産シギリヤロックを登っている最中、もしトイレに行きたくなったらどうしよう?」そんな不安を抱えていませんか?
スリランカ屈指の観光名所シギリヤロックは、頂上に古代宮殿跡が広がる高さ約180mの巨大な岩山です。


しかし実はシギリヤロック遺跡内にはトイレが一切ありません。
登頂開始から下山まで平均で約2時間はかかるとされ、途中で簡単に引き返すこともできないため、トイレ事情は登頂前に必ず押さえておきたい重要ポイントです。
本記事では「シギリヤロック トイレ」に関する情報を網羅し、事前準備や現地での対策、そして他言語の旅行者の声まで徹底解説します。これを読めば、トイレの心配をせずに安心してシギリヤロックの絶景と歴史を満喫できます!
シギリヤロックにトイレはある?基本のトイレ事情
結論から言うと、シギリヤロックの遺跡内(登頂ルート上や頂上)に観光客向けのトイレはありません。



登り始めてから下山して遺跡の外に出るまで、公衆トイレはゼロです。



これは日本の観光地に慣れた方には驚きかもしれません。したがって、シギリヤロックでは入場前に必ずトイレを済ませておくことが鉄則になります。
幸い、遺跡の敷地外(麓エリア)には観光客が利用できるトイレが複数箇所あります。主な設置場所は次のとおりです。
チケットカウンター横のトイレ(入口ゲート手前): シギリヤロック入場券売り場のすぐ近くに公衆トイレがあります。登頂前に立ち寄れる最後のトイレなので必ずここで用を足しましょう。
シギリヤ博物館内のトイレ: 入場ゲート付近にあるシギリヤ博物館の建物内にもトイレがあります。博物館見学者向けですが、観光客なら自由に使用可能です。清掃が行き届いており比較的清潔で、海外からの訪問者用に洋式便座も備えられています。
出口側駐車場の公衆トイレ: シギリヤロック見学後、出口ゲートを出た先の駐車場エリアにもトイレがあります。下山後に利用可能で、複数の個室があり清潔さも確保されています。
上記のように「登る前」と「下りた後」に限ればトイレは利用できますが、登頂行程中は一切トイレがない点に十分注意してください。
「登る前にトイレを済ませる」は絶対条件ですが、それでも不安な方はできれば出発前にホテル等でも用を済ませ、万全の態勢で挑むことをおすすめします。
なぜ遺跡内にトイレが無い?その理由と背景
シギリヤロック内にトイレが無いのは、決して運営側の怠慢ではありません。
実は過去に遺跡中腹へのトイレ新設計画が検討されたこともありました。世界遺産であるシギリヤロックは考古学的価値が極めて高く、遺跡内への新たな建造物設置には厳しい制約があります。
2010年頃には日本の支援でライオンの足(中腹のライオンテラス付近)にトイレを設置する計画が進められましたが、地元有志や考古学者からの反対運動により中止となりました。遺跡の景観や保存状態を損ねることへの懸念が大きかったためです。



ただし、2025年8月現在ライオンテラスの横に新たにトイレが設置されたという情報を得ました!これは朗報ですね!



とはいえ、広大な遺跡に比してトイレの数が少ないのは懸念事項ですね、
「遺跡そのものに手を加えない」原則が優先され、代替案として簡易な移動式トイレの設置などが検討されたものの、恒久的なトイレは現在も遺跡内に設置されていません。
世界遺産の保存と観光利便性とのバランスに苦心している状況と言えるでしょう。
トイレが無いことで起きたトラブル例
遺跡内にトイレが無いことで、実際にいくつか問題も生じています。
例えば登頂途中で我慢できなくなった一部の旅行者が人目につきにくい場所で用を足してしまうケースがあります。しかしこれには思わぬリスクが潜んでいます。
シギリヤロック周辺には野生のハチ(スズメバチ、もしくは野生ミツバチの一種)が巣を作っており、過去には観光客がハチに襲われ負傷する事件も度々発生しました。
専門家によれば、遺跡内における不用意な排泄行為がハチを刺激する一因とされています。
ハチは人の尿に含まれるナトリウム分などに引き寄せられる習性があり、実際に隠れた場所で用を足した直後にハチが集まってしまった例が報告されています。



このため、登頂中に絶対に勝手な場所で用を足すのは厳禁です。ハチだけでなく、遺跡の衛生環境や他の観光客の迷惑にも繋がります。
また、別のトラブルとして麓の公衆トイレに関する注意点も挙げられます。基本的に入口や駐車場のトイレは無料で利用できますが、一部で「チップ要求」のような事例が報告されています。
中国語圏の旅行者の体験では、入口のトイレ外壁に「無料」と掲示があるにもかかわらず、中で管理人らしき人物に一人当たり200スリランカルピーを請求されたとのことです(約200円程度)。
グループの一人が表示を指摘して支払いを拒否すると相手は引き下がったそうですが、海外旅行者だと分かると任意の清掃チップを求められるケースもあるようです。



基本的に公式には無料の公衆トイレなので、必要以上にお金を払う義務はありません。
ただし現地の習慣として清掃スタッフに数十ルピー程度の心付けを渡す観光客もおり、それ自体はマナー違反ではありません。強く要求されることは稀ですが、気持ち程度のチップを渡すかどうかは状況に応じて判断しましょう(不要なら毅然と断ってOKです)。
登頂前にできる対策と準備
以上を踏まえ、シギリヤロックのトイレ問題に備えるための具体的な対策とアドバイスをまとめます。
出発前に用を足しておく
繰り返しになりますが、ホテル出発時やシギリヤ到着直後に必ずトイレを済ませてください。特に長距離移動後すぐに登り始める場合、油断すると麓に着く頃にトイレに行きたくなることもあり得ます。チケット購入前にまずトイレ場所を確認し、忘れず立ち寄りましょう。
水分補給のバランス
登頂時には水分補給が不可欠です。暑い気候の中で脱水になると危険なので、適度に水を飲みながら登ることは大前提です。ただし心配なら、出発直前に水を一気飲みするのは避け、登る1時間ほど前から少しずつ水分を取っておくと良いでしょう。こうすれば体に吸収されやすく、登頂中に膀胱が急に満杯になるリスクも減らせます。もちろん喉の渇きを感じたら我慢せず少量ずつ飲み、無理に水分摂取を控える必要はありません。
カフェインやアルコールに注意
コーヒーやお茶などの利尿作用のある飲み物、アルコール類はトイレが近くなる原因となります。登頂前の朝食時にはこれらを飲みすぎないようにし、どうしても飲みたい場合は登頂前にもう一度トイレに行ってから向かいましょう。
早朝の登頂がおすすめ:
シギリヤロックは日中は非常に暑くなり体力の消耗も激しいため、涼しい早朝の登頂が推奨されています。朝であれば汗もかきにくく水分消費も穏やかで、トイレの心配も比較的少なくて済みます。朝食後にトイレを済ませ、朝一番で登り始めるのが理想的なプランです。
周辺施設の活用を検討しよう
シギリヤロック周辺にはカフェやレストラン、ホテルが点在しています。
万一、公衆トイレが混雑していたり使いづらい場合は、近くのカフェ等で何か注文してお手洗いを借りる手もあります(失礼のないよう注文はしてください)。
ただし朝早い時間は営業していない施設もあるため、基本は公式の公衆トイレを利用するのが確実です。
公衆トイレの設備と清潔さは?日本との違い
日本人旅行者にとって海外のトイレ事情は気になるところですよね。シギリヤロック麓のトイレ設備について、知っておくべきポイントを整理します。
清潔度
入口ゲート横や博物館内のトイレは比較的清掃が行き届いており、悪臭なども特に感じないレベルとの口コミが多いです。
一方で、トイレそのものは日本の高速道路PAのような最新設備ではなく、水で流すだけのシンプルな水洗式です。出口側駐車場のトイレも新しめで清潔に保たれており、子連れでも問題なく使えたとの報告があります。
便器の種類
多くの観光地では和式に似たしゃがむタイプのトイレ(スクワット式)が主流ですが、シギリヤ博物館のトイレなど主要観光客向け施設では洋式便座の個室も用意されている場合があります。
ただ洋式の場合でも便座が濡れていたり壊れていたりする可能性もあるので、備え付けのものをそのまま信用せず衛生面に気を付けて利用してください。
トイレットペーパー事情
紙が備え付けられていないトイレが多いです。
スリランカでは水で洗浄する習慣もあり、ホースやバケツが置かれていることがあります。日本人には紙なしは困りますので、必ずポケットティッシュやウェットティッシュを持参しましょう。
また、紙を流せないトイレもあるため、備え付けのゴミ箱があれば使用済み紙はそこに捨てるようにします。
水道・備品
石鹸や手洗い用の水が出ないことも考えられます。筆者が訪れた際は博物館トイレにハンドソープが用意されていましたが、場所によってはない可能性も。携帯用アルコール消毒液があると安心です。
設備の壊れ: 観光客が多く訪れる場所なので、ドアの鍵が壊れている、照明が暗い・切れている、水が流れにくい等の不具合に遭遇する可能性もゼロではありません。幸いシギリヤロックの麓トイレで致命的な故障報告は見当たりませんでしたが、念のため貴重品は持って入り、さっと用を足して出てくるくらいの心構えでいると良いでしょう。
まとめ:シギリヤロックのトイレ対策はこれで万全!
シギリヤロックでのトイレ問題は、事前に対策しておけば決して怖がる必要はありません。最後に本記事の要点を箇条書きで振り返っておきましょう。
- シギリヤロック遺跡内にトイレはありません。 登頂開始前に必ず麓のトイレを利用しておきましょう。
- 麓では入口ゲート横、博物館内、出口側駐車場に公衆トイレがあります。 特に入口側(チケット売り場横)のトイレは登頂前の“最後のチャンス”です。
- トイレは無料ですが紙はないことが多いです。 ポケットティッシュ・ウェットティッシュを持参し、必要ならごく少額のチップ用に小額紙幣も用意しましょう。
- 登頂中に排泄するのは禁止・危険です。 遺跡を汚すだけでなく、ハチを刺激して襲われる可能性も指摘されています。絶対にやめましょう。
- 事前準備と計画が肝心! 出発前に用を済ませ、水分補給は計画的に。朝の涼しいうちに登れば負担も少なく安心です。
世界遺産シギリヤロックの頂上からの絶景は、一生に一度は見たい素晴らしいものです。トイレの心配をクリアして、ぜひ万全の態勢でチャレンジしてください。適切に準備さえしておけば、高さ約200mの空中宮殿への道のりもきっと楽しく、そして登り切った後の達成感は何物にも代えがたい思い出となるでしょう。さあ、トイレ対策もばっちり整えたら、安心してシギリヤロック登頂を楽しんできてください!