スリランカはインド南端の小さな島国ながら、国土65,610平方キロメートル(北海道の約8割)にユネスコ世界遺産が8か所も点在する“世界遺産大国”です。

古代王朝が遺した仏教遺跡から植民地時代の町並み、そして手つかずの豊かな自然まで、そのバラエティ豊かな世界遺産はスリランカ観光名所として欠かせません。
歴史好きも自然好きも惹きつけるスリランカの世界遺産の魅力を、文化遺産・自然遺産に分けて網羅的にご紹介します。さらに個人旅行者向けに、短期間でそれらを効率よく巡る方法も解説します。
スリランカの世界遺産を余すところなく巡り、この魅惑の島の文化と自然を存分に体感しましょう!
スリランカの世界遺産一覧(全8か所)と基本情報
まず、スリランカにある8件の世界遺産を一覧で押さえておきましょう。
文化遺産6件と自然遺産2件が登録されており、その多くはスリランカ中部の「文化三角地帯」と呼ばれるエリアに集中しています。また南部海岸沿いと中央高地にも貴重な遺産が点在しています。


以下の表に名称・分類・登録年をまとめます。
世界遺産名(日本語/英語) | 分類 | 登録年 |
---|---|---|
聖地アヌラーダプラ(Anuradhapura) | 文化遺産 | 1982年 |
古代都市ポロンナルワ(Polonnaruwa) | 文化遺産 | 1982年 |
古代都市シギリヤ (Sigiriya Rock) | 文化遺産 | 1982年 |
聖地キャンディ (Kandy) | 文化遺産 | 1988年 |
ゴール旧市街と要塞群 (Galle) | 文化遺産 | 1988年 |
ダンブッラの黄金寺院 (Dambulla) | 文化遺産 | 1991年 |
シンハラジャ森林保護区(Sinharaja) | 自然遺産 | 1988年 |
スリランカ中央高原 (Central Highlands of Sri Lanka) | 自然遺産 | 2010年 |
※上記のうち、アヌラーダプラ~キャンディの5件が「文化三角地帯」に含まれる文化遺産です。
残りのゴール旧市街(南西部沿岸)および2件の自然遺産は文化三角地帯の外部に位置します。
それでは、各世界遺産について文化遺産と自然遺産に分けて詳しく見ていきましょう。
スリランカの文化遺産(6か所)- 古代文明と仏教文化の足跡
シーギリヤ・ロック(古代都市シギリヤ)~空中宮殿と「天空の城」絶景~




スリランカで最も有名な世界遺産が、中部のジャングルに突如そびえる巨岩要塞シギリヤ・ロックです。
5世紀頃、狂気の王と呼ばれたカッサパ1世が地上約200mの岩山頂上に築いた宮殿跡で、周囲に堀を巡らせた要塞都市でもありました。岩山へは約1,200段の階段を登ってアクセスします。
頂上に広がる宮殿跡に立てば360度ジャングルを見渡せる絶景が楽しめ、まるで「天空の城」にいるような気分です。急な鉄階段を登りきって息を切らした先に広がる壮大な景観は、苦労が吹き飛ぶほど感動的でしょう。
岩山の中腹の壁面にはシギリヤ名物の美女たちのフレスコ画が20数体残されており、1500年経た今も色鮮やかで穏やかな微笑みを湛えています。





「アジアのマチュピチュ」とも称される神秘的な空中宮殿遺跡であり、その圧倒的スケールと美しさからスリランカ観光名所No.1との呼び声も高い必見スポットです。


ダンブッラの黄金寺院(ダンブッラ石窟寺院)~2200年続く仏教美術の粋~




シギリヤから南へ約20km、岩山の中腹に開いた天然の洞窟を利用して造られた巨大な石窟寺院がダンブッラの黄金寺院です。
紀元前1世紀、南インドからの侵略で当時の都アヌラーダプラを追われた王が、この洞窟に潜んで難を逃れたことが始まりとされ、その後仏教聖地として発展しました。
大小5つの石窟内部には現存する仏像が157体も安置され、天井や壁一面に描かれた壁画の総面積は2,300平方メートルにも及びます。これらの洞窟寺院群はスリランカ最大規模を誇り、18世紀のキャンディ王朝期まで歴代の王により増改築が繰り返されました。



壁画には釈迦や菩薩だけでなく歴代スリランカ王やヒンドゥーの神々の姿も描かれており、2000年以上にわたる宗教美術の変遷を一度に目にすることができます。
石窟寺院という暗く厳かな空間にずらりと並ぶ黄金色の仏像群は圧巻で、現在も巡礼者が絶えないスリランカ仏教徒の聖地です。岩山の頂上付近からは先述のシギリヤ・ロックの雄大な姿も遠望できます。シギリヤとセットで訪れることが多い観光名所であり、歴史ファンのみならず美術好きにも見逃せないスポットです。


ポロンナルワ遺跡群~繁栄と衰退:中世シンハラ王朝の古都~




ポロンナルワは11~13世紀に栄えたシンハラ王朝の都であり、当時のスリランカ第二の古都です。10世紀末、南インドのチョーラ朝によるアヌラーダプラ侵攻を受け、シンハラ王朝は都をポロンナルワへ遷しました。
12世紀の名君パラークラマバーフ1世(パラクラム王)の時代に最盛期を迎え、広大なため池「パラークラマ・サムドラ」(パラクラムの海)の建設や対外交易の発展など黄金期を謳歌しました。
しかしその後、13世紀に再びインドからの侵攻を受け王朝が都を放棄すると、古都ポロンナルワは密林に埋もれて荒廃していきました。19世紀末にイギリス植民地政府によって再発見されるまで忘れ去られていた歴史を持ちます。
現在ポロンナルワの旧市街一帯は「ポロンナルワ遺跡公園」として整備され、広大な敷地に宮殿や寺院の遺構が点在しています。当時の先進技術を駆使して築かれた高度な都市計画や仏教遺跡の数々が残り、往時の繁栄を今に伝えています。
見どころが集中する遺跡エリアは自転車や三輪タクシーで巡ることも可能です。主な遺構として、かつて王宮だった「宮殿跡」や仏歯(ぶっし)を安置した円堂がある「四角地区(クワドラングル)」、高さ14mの涅槃仏を擁するガル・ヴィハーラ石窟寺院、釈迦の歯が一時期奉納されていたとされる「ランカティラカ寺院」などが挙げられます。







中でもガル・ヴィハーラの巨大な寝釈迦仏や坐像・立像群は石仏彫刻の最高傑作として必見です。広々とした遺跡公園に佇む古代都市の遺産に思いを馳せながら、悠久の歴史散策を楽しめるでしょう。


アヌラーダプラ(聖地アヌラーダプラ)~スリランカ最初の都と聖なる菩提樹~




アヌラーダプラは紀元前4世紀に建設された、スリランカ初の王都です。約2,300年前、シンハラ人最初の王朝がこの地に都を定めて以来、千年以上にわたり繁栄を極めました。
特に建都から約1300年もの長きにわたりスリランカ仏教の中心地として栄え、ここから全土に仏教が広まっていきました。この町が「聖地」と呼ばれるゆえんは、紀元前3世紀にインドからもたらされた仏陀の菩提樹の分け木(スリー・マハー菩提樹)がいまも大切に守られているためです。


斯界最古とされるその子孫菩提樹はアヌラーダプラのシンボルであり、現在も多くの参拝者が願いを込めて訪れます。
市内には、この菩提樹を護る仏塔「ルワンウェリ・サーヤ大塔(大白塔)」や、かつて仏陀の歯が安置された最古の仏堂「イスルムニヤ精舎」、精巧な月形石(ムーンストーン)で有名な宮殿跡「マハーセナ王宮」など、多数の遺跡が点在しています。



中でも白亜に輝くルワンウェリ・サーヤ大塔は高さ約55mにも及ぶ巨大ストゥーパで、アヌラーダプラ黄金期の象徴的建造物です。その優美なフォルムは現代でも見る者を圧倒します。


また市街から少し離れた場所には高さ75mのジェータワナ・ダゴバ(大塔)もそびえ、こちらも必見です。当時の先端技術で築かれた貯水池や水路などの土木遺構も残されており、古代スリランカ文明の高度さを物語っています。
アヌラーダプラは広範囲に遺跡が散らばるため、レンタサイクルや三輪タクシー(トゥクトゥク)を利用すると効率的に回れます。信仰心が息づく聖地の空気を肌で感じながら、悠久の歴史ロマンに浸れる場所です。
キャンディ(聖地キャンディ)~仏歯寺で感じる仏教文化と王朝の誇り~




キャンディは16~19世紀に栄えた最後のシンハラ王朝の古都であり、山あいに広がる美しい町です。ポルトガルやオランダに沿岸部を支配されたのちも内陸で独立を保ち、1815年に英国に併合されるまで王朝の都が置かれました。
街全体が世界遺産に指定されていますが、中でもキャンディ湖畔に建つ「仏歯寺(ダラダーマーリガーワ寺院)」が最大の見どころです。仏陀の犬歯の遺物(仏歯)を祀るため、1603年に建造が開始され、シンハラ朝最後の王により完成されました。


以後、スリランカ仏教徒にとって最も重要な寺院として篤く信仰され、現在も毎日欠かさず僧侶による荘厳な礼拝儀式「プージャ」が日中3回執り行われています。参拝時間に合わせれば一般観光客もこの儀式に参加・見学することができ、スリランカ仏教文化の一端を体験できるでしょう。



キャンディの街並みは、丘陵に囲まれた標高500m前後の高原の気候と、英国植民地時代の面影を残すコロニアル建築が調和した独特の雰囲気があります。中心部のキャンディ湖周辺は緑豊かで、散策にも最適です。
毎年7~8月には仏歯寺の祭典「エサラ・ペラヘラ」が開催され、何十頭もの象が豪華に飾り付けられて練り歩き、数千人規模の打楽器隊や舞踊団が夜の街を行進する壮大なパレードが繰り広げられます。この祭り期間中は世界中から巡礼者や観光客が詰めかけ、キャンディが一年で最も活気づくシーズンです。




仏歯寺以外にも、キャンディ郊外には英国統治時代に造られたペラデニヤ王立植物園や紅茶畑が広がるニワラエリヤ方面への高原鉄道の起点もあり、観光の拠点として見どころが豊富です。観光名所として人気のキャンディは、スリランカの伝統文化と近代史が交錯する魅力あふれる古都と言えるでしょう。


ゴール旧市街とその要塞群(ゴール)~南国の港町に残るコロニアル風情~




ゴールはスリランカ南西海岸に位置する港町で、17~18世紀のヨーロッパ植民地時代の面影を色濃く残す旧市街と堅牢な要塞で有名です。
ゴール旧市街はインド洋交易の要衝として古くから栄え、中世にはアラブ商人も行き交う国際港でした。16世紀初頭にポルトガル人が上陸して砦(要塞)を築き、その後オランダ軍が占領・拡張して強固な城塞都市へと発展させました。
18世紀末にはイギリスに引き渡され、以後イギリス統治下でも要港として機能します。こうした歴史から、ゴール旧市街にはポルトガル・オランダ・イギリスそれぞれの時代の建造物が混在し、ヨーロッパとアジアの文化が融合した独特の町並みが形成されています。白亜の灯台や教会、オランダ風情の残る街角など、植民地時代の趣きを感じられる景観が魅力です。



旧市街は周囲をぐるりとオランダ時代の城壁(要塞)に囲まれており、この城壁跡自体が世界遺産の中核となっています。城壁上は歩いて散策でき、インド洋を望む絶景スポットや夕日の名所として人気です。



城壁内にはオランダ改革派教会や総督邸、昔の軍事要塞跡などの歴史的建物が残る一方、おしゃれなカフェや雑貨店、宝石店なども軒を連ね、現在は観光地としてにぎわっています。
ゴール名産の宝石(サファイヤやガーネットなど)を扱うショップも多く、ショッピング目的の旅行者にも楽しめるでしょう。また、ゴール近郊には「スティルトフィッシング(高床釣り)」と呼ばれる伝統的な漁の風景が見られる海岸があり、沖合に杭を立てて腰掛けながら釣り糸を垂れるその独特な姿は、フォトジェニックな光景として有名です。
さらにゴールから車で20分ほどのウナワトゥナ海岸は「世界で最も美しいビーチ」にも選ばれたことがある絶景ビーチで、遺産観光と合わせて南国の海も満喫できます。歴史と南国ムードが調和したゴール旧市街は、スリランカ旅行でぜひ訪れたい観光名所の一つです。


スリランカの世界自然遺産(2か所)- 熱帯雨林と高原に広がる希少な生態系
シンハラジャ森林保護区~手つかずの熱帯雨林が息づく生物多様性の宝庫~


シンハラジャ森林保護区は、スリランカ南西部の内陸に広がる原生熱帯雨林です。「シンハラジャ」とはシンハラ語で「獅子(シンハ)王(ラージャ)の国」という意味で、神話的な響きを持つ名前が付けられています。
1988年にスリランカ初の世界自然遺産として登録されました。東西21km、南北7kmほどの比較的小さな範囲ながら、うっそうと茂る密林にはスリランカ固有の樹木や植物が数多く自生し、昆虫・両生類・爬虫類・鳥類など多種多様な野生生物が生息しています。


特に固有種の宝庫として知られ、スリランカに棲む固有哺乳類や鳥類の大半がこの森で確認できると言われます。まさに「生物多様性のホットスポット」として国際的にも重要なエリアです。



シンハラジャの森林内は人の手がほとんど入っておらず、ジャングルの生態系が原初の姿のまま保たれています。一帯は国立公園にも指定されており、入口ゲートで登録を行えばトレッキングガイドと共に森の中を探検できます。
木漏れ日の差し込む薄暗い密林を歩けば、色鮮やかな鳥(固有種のセイロンマイコドリなど)や無数の蝶、珍しい爬虫類や両生類に出会えるかもしれません。また、雨林特有のスコールが突然降り出すことも多く、訪問の際はレインウェアの用意が必須です。
アクセスはコロンボなどから車で半日程度かかり、周辺は簡素な宿泊施設しかないため日帰り訪問が一般的です。しかし、自然好き・野鳥好きにはたまらない秘境であり、手つかずの熱帯雨林が織りなす神秘的な雰囲気は一見の価値があります。スリランカの豊かな自然遺産を象徴する森として、ぜひ訪れてみたい観光名所です。
スリランカ中央高原~雲霧林の広がる高地エコパークと聖なる霊峰~
スリランカ中央高原は、島の南中央部に位置する高地エリア一帯を対象とした世界自然遺産です。2010年に登録されたスリランカで最も新しい世界遺産で、標高2,000m級の山々や高原が織りなす独特の生態系が評価されました。
この遺産はホートン・プレインズ国立公園、ピーク・ウィルダネス保護区(アダムスピーク周辺)、ナックルズ山地森林保護区の3つの地域から構成されています。いずれも山地の常緑雲霧林(モンスーン森林)が広がり、多種多様な動植物が生息しています。
特に中央高原にはスリランカ固有の草木が数多く、自国固有種の約34%にあたる樹木・低木・草本類がここに集中しています。この数字からも、中央高原がスリランカの生物多様性保全において極めて重要であることが分かります。
ホートン・プレインズ国立公園
高原上に広がる草原と雲霧林の美しい景観で知られています。中でも標高約2,100mの高原からSuddenly途切れる断崖絶壁「ワールドズ・エンド(世界の果て)」は圧巻で、その落差は約900mにもなります。崖縁に立つと眼下に広がる平地や遠くの海まで見渡せ、晴天の朝には息を呑むような大パノラマが望めます。他にも、高原を流れる小川沿いにかかる落差20mのベイカー滝や、森の中にひっそり佇む天然のプール「シミニー・プール」など、見どころが点在しています。公園内は整備されたハイキングコースがあり、野鳥や小動物を探しながら爽やかな高原トレッキングを楽しめます。


ピーク・ウィルダネス保護区
スリランカで最も聖なる山とされるアダムスピーク(標高2,243m)を中心としたエリアです。アダムスピークは別名「スリー・パーダ(聖なる足跡)」とも呼ばれ、その山頂にある巨大な足跡形の窪みが仏陀(またはヒンドゥーのシヴァ神、キリスト教・イスラム教ではアダム)の足跡だという伝説があります。仏教・ヒンドゥー・イスラム・キリストの四大宗教すべてから聖地と仰がれる霊峰であり、毎年12~5月の巡礼シーズンには数万の参拝者が夜通し山を登ります。山頂から拝むご来光と、雲海に浮かぶ聖なる影はこの上ない神秘的な光景です。ピーク・ウィルダネスには原始林も多く残り、希少な動植物も生息しています。


ナックルズ森林保護区
キャンディ北東に広がる山岳地帯で、その名は山並みの形が指の関節(knuckles)に似ていることに由来します。険しい峰々と深い森からなるこのエリアもまた、多様な固有種の宝庫です。手付かずの自然が残るためアクセスは容易ではありませんが、トレッキングツアーなどで山歩きを楽しむことができます。滝や川が点在し、運が良ければカメレオンの仲間や珍しい鳥類などに出会えるでしょう。


以上のように、中央高原はスリランカの美しい高山風景と貴重な生態系を同時に体感できる自然遺産です。
高原鉄道に乗って紅茶畑を眺めたり、ハイキングで絶景ポイントを巡ったりと、自然好きにはたまらないエリアでしょう。天候が変わりやすいので防寒・雨具の準備を忘れずに。



都市部とは異なる涼やかな空気と緑あふれる山並みに癒されること間違いなしの観光名所です。
世界遺産を効率よく巡る個人旅行のコツ
「8つもある世界遺産を一度の旅行ですべて見られるだろうか?」と不安に思う方もいるかもしれません。



結論から言えば、ある程度日程を確保し事前に計画すれば、個人旅行でもスリランカの世界遺産を全制覇することは可能です。事実、スリランカは世界遺産が集中しているため約1週間の滞在でも主要スポットを網羅できると言われています。
特に文化遺産が集まる「文化三角地帯」エリアでは、効率次第で1日に2か所の遺産を訪れることも難しくありません。ただし、いくつか注意点があります。
まず、公共交通機関だけで世界遺産を巡ろうとする場合の不便さです。文化三角地帯の5遺産は互いに比較的近接していますが、シギリヤ・ダンブッラ・ポロンナルワ間には鉄道が通っておらず移動はバス頼みになります。
バスは安価ですが路線や乗換えが複雑なうえ本数も限られ、移動に時間がかかりがちです。また、訪問順や拠点選びによっては同じ道を往復する無駄も生じかねません。限られた旅行日数で多くの遺産を回るには、移動の不確実要素や待ち時間を極力減らすことがポイントです。



そこで多くの個人旅行者が利用しているのがタクシーチャーター(貸切タクシー)です。スリランカでは運転手付きの乗用車を日単位でチャーターでき、主要観光地を自由に組み合わせて連れて行ってもらえます。



特に日本人旅行者には、日本語で気軽に予約・相談ができる現地タクシー手配サービスが人気です。例えば「スリランカタクシーサービス」(Sri Lanka Taxi Service)はスリランカ政府公認の日本人向けチャーター会社で、7年連続日本人利用実績No.1という信頼の実績があります。


ドライバーの質が高く料金も明朗なので、筆者も実際に利用し、時間ロスなく快適に全ての世界遺産を巡ることができました。シギリヤとダンブッラを1日でハシゴし、翌日はポロンナルワとキャンディを回る…といった効率的な移動も難なく実現でき、大変満足のいく旅程となりました。
チャーター利用の利点は、自分のペースで柔軟に動ける安心感です。公共バスでは難しい遺産どうしの直行移動や、現地ガイドへの通訳などもドライバーがサポートしてくれます。初めての土地で道に迷ったり言葉に困ったりする不安が減り、限られた時間を有効に使えるでしょう。
もちろん費用はバスより掛かりますが、同行者とシェアすれば一人当たりの負担は抑えられますし、何より時間と安心を買うメリットは大きいです。
ワンポイント:Sri Lanka Taxi Service の活用
上記の「スリランカタクシーサービス」は日本語でメール相談・見積もりが可能で、希望に合わせてオリジナルの周遊プランを提案してくれます。筆者の場合、3泊4日で文化遺産5か所+6泊7日で全8か所を巡るプランを提示してもらえました。車種も選べ、ホテル送迎はもちろん道中の立ち寄り希望にも柔軟に応じてもらえます。長距離移動も安全運転で快適でした。旅程管理をプロに任せられるので、個人旅行でも移動ストレスなく観光に集中できます。
以上のように、スリランカの世界遺産を効率よく巡るにはタクシーチャーターの活用が非常に有効です。観光名所が点在するスリランカでは、上手に交通手段を組み合わせることで短期間でも充実した世界遺産巡りが可能となります。ぜひ自分に合ったスタイルで計画を練り、無理のない日程でスリランカ旅行を満喫してください。


世界遺産を巡る日程別モデルコース
成田空港からスリランカへの旅程日数ごとに、世界遺産を効率よく巡るモデルコースをご紹介します。
タクシーチャーター(専用車)で移動することで時間を有効活用し、宿泊はラグジュアリーホテルと中級ホテルを約半分ずつ組み合わせています。紅茶の本場でのティーファクトリー見学やアーユルヴェーダスパ体験、野生動物のサファリなど、各コースに現地ならではの体験も織り交ぜました。
3泊4日モデルコース
スリランカの世界遺産「シギリヤ・ロック」。巨岩の頂上に築かれた古都遺跡で、その壮大な景観は世界的に有名です。3泊4日の短期コースでも外せないハイライトの一つ。
モデルコース概要: 4日間で中央スリランカの代表的な世界遺産を巡るプランです。シギリヤ・ロックやダンブッラの石窟寺院など文化三角地帯の見どころを訪れ、仏教の聖地キャンディも観光します。専用車利用により短期間でも主要スポットを回ることができ、途中で象のサファリやスパ体験などアクティビティも楽しめます。
午前に成田を出発しスリランカ航空直行便でコロンボへ(所要約9〜10時間)。到着後、専用車で北中央州のシギリヤ方面へ直行します。途中、世界遺産ダンブッラの石窟寺院に立ち寄り参拝。石窟内部に並ぶ仏像群と壁画は必見です。その後シギリヤ近郊のホテルにチェックインし休息します(シギリヤ泊〈中級ホテル〉)。
早朝より世界遺産シギリヤ・ロックに登頂観光。巨大な岩山の頂上に広がる古代宮殿跡と「シギリヤ・レディ」の壁画は圧巻です。下山後は近郊のミンネリヤ国立公園でジープサファリに参加し、野生のアジアゾウの群れを観察します。夕方、専用車で仏教都市キャンディへ移動(所要約2〜3時間)。キャンディ到着後、ホテルでアーユルヴェーダのスパトリートメントを体験して旅の疲れを癒します(キャンディ泊〈ラグジュアリーホテル〉)。
朝は世界遺産の仏歯寺(スリランカ仏教の聖地)を参拝。仏陀の歯の遺物を祀る寺院で厳かな雰囲気を体感します。市内散策や紅茶専門店巡りを楽しんだ後、専用車でコロンボへ(途中、希望者は道中のスパイスガーデン見学も可能)。夕方コロンボ市内に到着したら海辺の高級ホテルで優雅にディナーをどうぞ(コロンボ泊〈中級ホテル〉)。
朝はコロンボ市内を自由散策。オランダ時代の建物が残るペタ地区やガンガラマ寺院などを観光します。午後、専用車で空港へ移動し、夕方の便で成田へ帰国の途につきます。
日 | 行程概要 | 推奨ホテル(例) |
---|---|---|
1 | 成田 ⇒ コロンボ ⇒ ダンブッラ石窟寺院 ⇒ シギリヤ | Hotel Sigiriya〈中級〉 |
2 | シギリヤ・ロック ⇒ ミンネリヤ象サファリ ⇒ キャンディ | The Kandy House〈ラグジュアリー〉 |
3 | 仏歯寺 ⇒ 専用車でコロンボ | Cinnamon Red Colombo〈中級〉 |
4 | コロンボ市内散策 ⇒ 成田 | ― |
概算旅行費用: 下表は航空券代金(成田〜コロンボ往復)、宿泊代、食事代、観光入場料、現地専用車チャーター代等を含む1名あたりの概算費用です。
項目 | 費用(目安) |
---|---|
航空券(成田〜コロンボ往復) | 約80,000円 |
宿泊(3泊分) | 約30,000円 |
食費(4日分) | 約20,000円 |
観光・入場料 | 約10,000円 |
専用車チャーター代(3日) | 約30,000円 |
合計 | 約160,000円 |
4泊5日モデルコース
仏歯寺があるキャンディの仏教寺院(世界遺産「聖地キャンディ」)。18世紀建立の現寺院には仏陀の歯が安置されており、国内外から巡礼者が訪れる。4泊5日コースではキャンディもゆったり観光。
モデルコース概要: 5日間でスリランカの主要な文化遺産4か所を巡るプランです。シギリヤ・ロックとダンブッラ石窟寺院に加え、古都ポロンナルワの遺跡群も訪問します。さらに仏教都市キャンディまで足を延ばし、豊かな歴史遺産を堪能します。専用車移動で効率よく回りつつ、象の孤児院見学や伝統舞踊鑑賞など観光体験も組み込みました。
昼前に成田を発ちコロンボへ到着後、専用車でシギリヤへ直行します(所要約4〜5時間)。途中、ユネスコ世界遺産のダンブッラ石窟寺院に立ち寄り、5つの石窟に安置された大小様々な仏像と色鮮やかな天井壁画を見学。その後シギリヤ周辺のホテルへ(シギリヤ泊〈中級ホテル〉)。
午前中にシギリヤ・ロックの頂上まで登攀し、空中宮殿跡を観光。下山後、専用車で東へ約2時間移動し古代都市ポロンナルワへ向かいます。ポロンナルワ遺跡では王宮跡や仏像群など広大な敷地に点在する遺構を見学。12世紀シンハラ王朝の都として栄えた歴史に思いを馳せましょう。夕刻までにシギリヤ方面へ戻ります(シギリヤ泊〈中級ホテル〉)。
朝、専用車で中央高地の古都キャンディへ南下(所要約2時間)。途中、マータレ近郊のスパイスガーデンでシナモンやカカオなど香辛料の栽培を見学できます。キャンディ着後、市内の世界遺産「聖地キャンディ」を観光。仏歯寺では黄金の仏塔と歴代王の統治の足跡に触れ、夕方にはキャンディアンダンス(伝統舞踊)のショーを鑑賞します(キャンディ泊〈ラグジュアリーホテル〉)。
朝食後、キャンディ郊外のピンナウェラ象の孤児院へ向かいます。ここでは保護された象たちが川で水浴びする様子を間近で見学でき、かわいい子象にも出会えます。その後、車でコロンボへ移動(途中ランチ休憩)。午後コロンボ市内に到着し、時間が許せばコロンボ要塞地区やベイラ湖周辺を散策します。夜は高級ホテルでディナーを楽しみます(コロンボ泊〈ラグジュアリーホテル〉)。
朝、ホテルを出発しコロンボ空港へ。スリランカでの思い出を胸に帰国の途につきます(午前発の直行便利用)。
日 | 行程概要 | 推奨ホテル(例) |
---|---|---|
1-2 | 成田 ⇒ シギリヤ拠点で2連泊 | Hotel Sigiriya〈中級〉 ×2泊 |
3 | キャンディ | The Kandy House〈ラグジュアリー〉 |
4 | ピンナウェラ象の孤児院 ⇒ コロンボ | Shangri-La Colombo〈ラグジュアリー〉 |
5 | 帰国 | ― |
概算旅行費用:
項目 | 費用(目安) |
---|---|
航空券(成田〜コロンボ往復) | 約80,000円 |
宿泊(4泊分) | 約40,000円 |
食費(5日分) | 約25,000円 |
観光・入場料 | 約12,000円 |
専用車チャーター代(4日) | 約40,000円 |
合計 | 約200,000円 |
5泊6日モデルコース
ミンネリヤ国立公園で水辺に集まる野生のゾウ親子。スリランカの象はインド象の亜種で、乾季には数百頭がミンネリヤ湖畔に集結する壮観が見られる。大型動物の野生生息地を訪れるサファリ体験も旅のハイライト。
モデルコース概要: 6日間の行程では世界遺産とあわせてスリランカ高原地帯の自然も満喫します。シギリヤ・ロックとダンブッラに加え、仏教都市キャンディを観光。その後は紅茶の名産地ヌワラエリヤへ足を延ばし、世界遺産「スリランカ中央高地」のホートンプレインズ国立公園で大自然を体験します。高原の紅茶工場見学や名物のセイロンティーも楽しみつつ、象の保護施設訪問など多彩な魅力に触れるコースです。
午前に成田発、コロンボ着後、専用車で直行し文化三角地帯へ向かいます。途中、世界遺産ダンブッラ石窟寺院を拝観し、岩壁に描かれた仏教壁画と静寂な石窟空間を堪能します。夕方までにシギリヤ近郊のホテルに到着(シギリヤ泊〈中級ホテル〉)。
早朝にシギリヤ・ロックへ登頂し、頂上から熱帯の森を一望します。巨大なライオンの足が迎える岩山の遺跡は一見の価値ありです。下山後、専用車で中央部のキャンディへ移動開始。途中、希望者はミンネリヤ国立公園のジープサファリに立ち寄り、野生の象の群れを探すこともできます。夕刻、標高500mの古都キャンディに到着(キャンディ泊〈中級ホテル〉)。
午前中、世界遺産キャンディの街を観光。仏歯寺で敬虔な空気に触れた後、市場や紅茶博物館を巡ります。昼頃、ペラーデニヤ駅から紅茶の里ヌワラエリヤ行き高原列車に乗車(2等指定席)。窓からは一面の茶畑や滝の景色が広がり、「世界で最も美しい鉄道旅」の一つとも称される車窓を満喫できます。夕方、ヌワラエリヤに到着(ヌワラエリヤ泊〈ラグジュアリーホテル〉)。
早朝、世界遺産のホートンプレインズ国立公園へ出発。標高2,000mの高原で「世界の果て」と呼ばれる断崖展望ポイントまでトレッキングします。運が良ければ固有種の野鳥やニルギリラングール(紫色の顔を持つサル)など貴重な野生動物にも出会えます。下山後、紅茶工場を見学して淹れたてのセイロン紅茶を試飲しましょう。午後はヌワラエリヤ市街を散策。イギリス風の街並みやマーケットでの買い物を楽しみます(ヌワラエリヤ泊〈中級ホテル〉)。
専用車で山岳地帯を下り西へ。道中、再びピンナウェラの象の孤児院に立ち寄り、可愛い子象たちにお別れの挨拶。その後コロンボに向かい、午後に到着します。コロンボ市内では時間が許す限りショッピングやグルメを満喫します(コロンボ泊〈ラグジュアリーホテル〉)。
早朝、専用車で空港へ移動し、帰国便に搭乗します。
日 | 行程概要 | 推奨ホテル(例) |
---|---|---|
1 | 成田 ⇒ シギリヤ | Hotel Sigiriya〈中級〉 |
2 | キャンディ | Hotel Topaz〈中級〉 |
3-4 | 高原列車 ⇒ ヌワラエリヤ | Heritance Tea Factory〈ラグジュアリー〉 Jetwing St. Andrew’s〈中級〉 |
5 | コロンボ | Shangri-La Colombo〈ラグジュアリー〉 |
6 | 帰国 | ― |
概算旅行費用:
項目 | 費用(目安) |
---|---|
航空券(成田〜コロンボ往復) | 約80,000円 |
宿泊(5泊分) | 約50,000円 |
食費(6日分) | 約30,000円 |
観光・入場料 | 約15,000円 |
専用車チャーター代(5日) | 約50,000円 |
合計 | 約230,000円 |
6泊7日モデルコース
「紅茶のシャンパン」と称されるウバ紅茶の産地ヌワラエリヤでは、碧翠色に広がる茶畑で茶摘み作業を見学できます。高原の澄んだ空気の中、本場セイロンティーを味わう体験は格別です。
モデルコース概要: 7日間かけてスリランカの主要な6つの世界遺産を巡る欲張りプランです。初期シンハラ王朝の都アヌラーダプラからシギリヤ、ポロンナルワへと古代都市の歴史をたどり、キャンディの仏教文化に触れます。さらに南下して植民地時代の港町ゴールも訪問。高原列車の旅やジープサファリなど多彩な体験も組み込み、スリランカの文化と自然を余すところなく満喫できるモデルコースです。
成田発スリランカ直行便でコロンボ着後、専用車で北中部の古都アヌラーダプラへ直行(所要約5時間)。到着後、スリランカ最初の都である世界遺産アヌラーダプラの遺跡群を観光します。紀元前4世紀に建都され、仏教伝来の聖地として栄えた歴史を持つ都で、仏歯塔ルワンウェリサーヤやスリーマハー菩提樹(仏陀の菩提樹から分けられた聖なる木)などを見学。夕方には近郊のミヒンタレーの丘に登り、夕日に染まる遺跡と平原を一望します。その後シギリヤ方面へ移動し宿泊(シギリヤ泊〈中級ホテル〉)。
午前中に世界遺産シギリヤ・ロックに登頂。巨大岩の頂上に残る宮殿遺跡や色鮮やかなフレスコ画を見学します。下山後、専用車でポロンナルワへ(約1.5時間)。11〜13世紀の古都ポロンナルワ遺跡群を半日かけて観光。石像が並ぶ四角堂(クワドラングル)やガル・ヴィハーラ石窟寺院の巨大な涅槃仏など、保存状態の良い数々の遺構に圧倒されます。夕刻までにシギリヤ地域のホテルへ帰着します(シギリヤ泊〈ラグジュアリーホテル〉)。
朝、シギリヤを出発しキャンディへ南下(途中2時間程度でダンブッラに到達)。世界遺産ダンブッラの石窟寺院を再訪または補足観光し、5つの石窟堂それぞれの魅力を堪能します。午後、キャンディに到着後、市内観光へ。仏歯寺を参拝した後、市街地のショッピングや紅茶博物館の見学を楽しみます。夜はキャンディ伝統舞踊のショーを鑑賞し、芸術と信仰が融合した島国文化に触れます(キャンディ泊〈中級ホテル〉)。
朝、キャンディ郊外のピンナウェラ象の孤児院を訪問。川でじゃれ合う子象たちの姿に癒やされた後、ペラーデニヤ駅から高原列車に乗車します。紅茶畑のパノラマを眺めながら山岳地帯を登り、午後にナヌオヤ駅(ヌワラエリヤ近郊)へ到着。ヌワラエリヤのホテルへ移動し、高原の避暑地でゆったり過ごします(ヌワラエリヤ泊〈ラグジュアリーホテル〉)。
早朝、世界遺産ホートンプレインズ国立公園へ出発し、標高2,000mの高原トレッキングへ。早朝の澄んだ空気の中、「世界の果て」から望む雄大な景色は格別です。野鳥のさえずりに耳を澄ませながら固有種の動植物を探しましょう。下山後、紅茶工場を訪問して茶葉の手摘み工程を見学し、出来立ての紅茶をいただきます。午後は車で南部のゴールへ長距離移動(約6時間)。夕方、インド洋沿いのゴール旧市街に到着しホテルへチェックイン(ゴール泊〈ラグジュアリーホテル〉)。
朝、オランダ要塞都市ゴールの旧市街を散策。オランダ統治時代の城壁や灯台、石畳の街路が残る街並みは南アジア随一の保存状態です。海岸沿いのカフェで休憩しつつ写真撮影を楽しんだら、専用車でコロンボへ向かいます(高速道路利用、約2時間半)。夕刻コロンボに到着(コロンボ泊〈中級ホテル〉)。
早朝、ホテルを出発し空港へ送迎。直行便にて日本へ帰国します。
日 | 行程概要 | 推奨ホテル(例) |
---|---|---|
1 | 成田 ⇒ シギリヤ | Hotel Sigiriya〈中級〉 |
2 | シギリヤ周辺 | Heritance Kandalama〈ラグジュアリー〉 |
3 | キャンディ | Hotel Topaz〈中級〉 |
4 | ヌワラエリヤ(紅茶高原) | Heritance Tea Factory〈ラグジュアリー〉 |
5 | ゴール旧市街 | Amangalla〈ラグジュアリー〉 |
6 | コロンボ | Cinnamon Red Colombo〈中級〉 |
7 | 帰国 | ― |
概算旅行費用:
項目 | 費用(目安) |
---|---|
航空券(成田〜コロンボ往復) | 約80,000円 |
宿泊(6泊分) | 約70,000円 |
食費(7日分) | 約35,000円 |
観光・入場料 | 約18,000円 |
専用車チャーター代(6日) | 約60,000円 |
合計 | 約260,000円 |
7泊8日モデルコース
ユネスコ世界遺産「ゴール旧市街と要塞」(南部ゴール)。16世紀以降ポルトガル・オランダが築いた城塞都市で、異国情緒漂う町並みが魅力です。7泊8日プランではゴールを含むスリランカの全世界遺産を巡ります。
モデルコース概要: 8日間かけてスリランカに点在する全ての世界遺産8か所を巡る究極のコースです。アヌラーダプラ、ポロンナルワ、シギリヤ、キャンディ、ダンブッラ、ゴールの6つの文化遺産に加え、2大自然遺産の「スリランカ中央高地」と「シンハラジャ森林保護区」も訪問。専用車チャーターで効率よく国土を縦断し、紅茶列車の乗車やサファリなど多彩な体験を盛り込みました。世界遺産好きにはたまらない充実の欲張りプランです。
成田を出発しコロンボ到着後、専用車で北部のアヌラーダプラへ移動(約5時間)。世界遺産アヌラーダプラではスリランカ仏教の聖地として栄えた古都の遺跡群を観光。仏塔や寺院跡が広がる広大な遺跡庭園を巡り、仏教伝来の歴史に触れます。その後、近郊のミヒンタレーの山頂から夕陽に染まる遺跡を望み、神秘的な光景を堪能します(アヌラーダプラ泊〈中級ホテル〉)。
朝、専用車で東へ向かいポロンナルワの遺跡公園へ(約2時間)。中世シンハラ王朝の都ポロンナルワの遺跡群を半日かけて見学します。巨大なガル・ヴィハーラの石仏や王宮跡、水浴場など、往時の繁栄を物語る遺構が点在しています。その後、車でシギリヤへ南下し夕方までに到着。ホテルのプールでひと泳ぎしてリラックスします(シギリヤ泊〈ラグジュアリーホテル〉)。
早朝の涼しいうちにシギリヤ・ロックに登ります。頂上から熱帯の密林を見渡し、空中宮殿跡やシギリヤの美女壁画を鑑賞。下山後、ダンブッラ石窟寺院を再訪して未見の石窟や仏像群を拝観。午後、専用車でキャンディへ(約2時間)。途中、マータレーのスパイス農園でシナモンやクローブなどの香辛料について学ぶこともできます。キャンディ到着後、仏歯寺やキャンディ湖畔を観光し、夜は伝統舞踊を鑑賞します(キャンディ泊〈中級ホテル〉)。
朝、キャンディ駅から世界的に有名な高原鉄道に乗り、紅茶の山岳地帯へ向かいます。車窓に広がる茶畑や渓谷の風景を楽しみつつ約4時間の鉄道旅を満喫。昼過ぎにヌワラエリヤに到着し、ホテルへチェックイン。午後は紅茶工場を見学し、芳醇なセイロン紅茶の試飲を体験します。夕方は紅茶畑を望む高原のホテルでアフタヌーンティーをどうぞ(ヌワラエリヤ泊〈ラグジュアリーホテル〉)。
早朝まだ薄暗いうちに出発し、世界遺産「スリランカ中央高地」を構成するホートンプレインズ国立公園へ向かいます。夜明けとともにトレッキング開始。「世界の果て」展望台から雲海に浮かぶ絶景を眺め、運が良ければ固有種の鳥類や猿(紫顔のランガー)にも出会えます。下山後はヌワラエリヤ市街に戻り、市場やビクトリア公園を散策。午後は専用車で南西方向のシンハラジャ森林保護区へ長距離移動します(所要約6時間)。夜、シンハラジャ近郊のロッジに到着(シンハラジャ周辺泊〈中級ホテル〉)。
朝、世界遺産シンハラジャ森林保護区のジャングルツアーに現地ガイドとともに出発します。シンハラジャはスリランカ最後の手つかずの熱帯雨林で、多数の固有種を含む生物多様性が認められた貴重な森です。色鮮やかな鳥や蝶、希少な動植物を観察しながら熱帯雨林の清浄な空気を胸いっぱいに吸い込みましょう。昼前に森林保護区を後にし、専用車で南海岸のゴールへ移動(約3時間)。午後ゴールに到着したらオランダ要塞内のホテルでひと休みします(ゴール泊〈ラグジュアリーホテル〉)。
世界遺産ゴール旧市街を徒歩で観光。城壁沿いを散策し、17世紀築の灯台や教会、市庁舎などコロニアル建築を巡ります。石畳の街路にカフェやブティックが並ぶエリアでお土産探しを楽しんだ後、午後は専用車でコロンボへ(高速道路で約2時間半)。コロンボ到着後、最後の夜は市内の高級レストランでシーフード料理に舌鼓を打ちます(コロンボ泊〈ラグジュアリーホテル〉)。
朝、専用車で空港へ移動し、スリランカでの感動を胸に日本へと出発します。
日 | 行程概要 | 推奨ホテル(例) |
---|---|---|
1 | 成田 ⇒ アヌラーダプラ | Rajarata Hotel〈中級〉 |
2 | ポロンナルワ ⇒ シギリヤ | Cinnamon Lodge Habarana 〈ラグジュアリー〉 |
3 | シギリヤ ⇒ ダンブッラ ⇒ キャンディ | Hotel Sigiriya〈中級〉 ⇒ Hotel Topaz〈中級〉 |
4 | 高原列車 ⇒ ヌワラエリヤ | Heritance Tea Factory〈ラグジュアリー〉 |
5 | ホートンプレインズ ⇒ シンハラジャ方面 | Rainforest Ecolodge〈中級〉 |
6 | シンハラジャ散策 ⇒ ゴール | Amangalla〈ラグジュアリー〉 |
7 | ゴール ⇒ コロンボ | Shangri-La Colombo〈ラグジュアリー〉 |
8 | 帰国 | ― |
概算旅行費用:
項目 | 費用(目安) |
---|---|
航空券(成田〜コロンボ往復) | 約80,000円 |
宿泊(7泊分) | 約80,000円 |
食費(8日分) | 約40,000円 |
観光・入場料 | 約20,000円 |
専用車チャーター代(7日) | 約70,000円 |
合計 | 約290,000円 |
各モデルコースとも、時期や利用人数、ホテルのグレードによって費用は変動しますが、上記は目安として参考にしてください。
専用車を利用した贅沢な周遊は快適かつ効率的です。スリランカの世界遺産は見どころが凝縮しているので、日程に合わせてベストなルートで旅を満喫してください。


まとめ:スリランカ世界遺産巡りのポイント
今回のポイントをまとめると以下となります。
- スリランカには世界遺産が8つ(文化遺産6・自然遺産2)あり、島全体が“世界遺産の宝庫”**です。小さい国土に遺跡や寺院から森林まで多彩な遺産が凝縮されており、一度の旅行で複数の世界遺産を楽しめます。
- 文化遺産(古都群)は「文化三角地帯」に集中しています。アヌラーダプラ、ポロンナルワ、シギリヤ、ダンブッラ、キャンディの5か所は地理的にも近いため、効率よく回れば数日で主要スポットを網羅可能です。仏教文明の遺産や壮麗な宮殿跡を巡ることで、スリランカの長い歴史と信仰文化を実感できるでしょう。
- 自然遺産(森林・高原)は手つかずの豊かな生態系が魅力です。シンハラジャ森林は希少な動植物の宝庫であり、中央高原では高山帯ならではの絶景と固有種に出会えます。国立公園でのトレッキングや高原鉄道の旅など、自然を満喫するアクティビティもおすすめです。
- 個人旅行で世界遺産巡りをするなら、移動手段の工夫が鍵です。鉄道やバスだけでは時間を要する場所もあるため、貸切タクシーの利用などで移動効率を上げると短期間でも多くの遺産を訪問できます。特に日本語対応の「スリランカタクシーサービス」などを使えば、言葉の心配も少なく安心して旅を進められます。
- 無理のない計画で安全・快適に:世界遺産は寺院など服装規定がある場所もあります。動きやすい服装とマナーを心がけ、適度に休息を挟みながら回りましょう。スリランカの人々は親切で治安も比較的安定しており、個人旅行でも基本的な注意を守れば安心して旅できます。
神秘と歴史に彩られたスリランカの世界遺産巡りは、きっとあなたに一生の思い出をもたらしてくれるでしょう。
文化遺産では悠久の歴史ロマンに浸り、自然遺産では大自然の息吹を感じながら、ぜひ充実したスリランカ旅行を楽しんでください。きっと「光り輝く島」スリランカのファンになり、何度でも訪れたくなるはずです。
旅の計画の参考になれば幸いです。安全に気をつけて、素晴らしい旅路を!