南アジアに浮かぶ常夏の島国、スリランカ。紅茶やカレーで名前を聞いたことがあっても、「実際どんな国なの?」と気になりますよね。

実はスリランカは「インド洋の真珠」とも称される豊かな自然と文化に恵まれた国なんです!


本記事では、初めての海外旅行でも安心して楽しめるように、スリランカの基本情報から日本との文化の違い、観光の見どころ、治安やマナー、旅行のコツまでまるごと解説します。



読み終える頃には、あなたもきっとスリランカに行きたくなるはずですよ。それでは一緒にスリランカの魅力を探ってみましょう。
スリランカの基本情報:まずはここをおさえよう!
まずはスリランカという国について、基本的な情報を整理してみましょう。



スリランカがどこにあるのか、首都や人口、公用語、治安や生活水準など、旅行前に知っておきたいポイントをQ&A形式でチェックしていきます。
スリランカはどこにある?どんな場所?
スリランカはインドの南東に位置する島国です。インド亜大陸の先端からほんの数十キロ沖合に浮かぶ、涙のしずく型をした島と言われます。





その面積は約65,610平方キロメートルで、これは日本の北海道のおよそ8割ほどの大きさです。
島全体が熱帯に属し、一年中温暖で緑豊かな自然にあふれています。「インド洋の真珠」と呼ばれるだけあって、美しい海と山に恵まれた風光明媚な土地ですよ。


スリランカの首都はどこ?コロンボじゃないの?
スリランカの行政上の首都は「スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ」という長い名前の都市です。


コロンボ市の郊外に位置し、国会議事堂が置かれています。



ただし一般的には最大都市コロンボが首都とみなされることも多く、実質的な経済・観光の中心地となっています。
旅行者にとってはコロンボが事実上の玄関口であり、国際空港もコロンボ近郊にありますので、「首都=コロンボ」と考えて差し支えありません。




人口はどのくらい?どんな人々が住んでいる?
スリランカの人口は約2,200万人です(日本の人口の6分の1ほど)。
主要な民族はシンハラ人(全人口のおよそ75%)で、次いでタミル人(同15%前後)、ムーア人(アラブ系イスラム教徒、約9%)など多民族国家でもあります。
宗教面では約70%が仏教徒で、他にヒンドゥー教(主にタミル人)、イスラム教、キリスト教も信仰されています。


寺院やモスクなど宗教施設が町に多いのも特徴です。人々は穏やかでフレンドリーな性格と言われ、旅行者にも笑顔で話しかけてくれる温かさがあります。
公用語と言語事情は?日本語は通じる?



公用語はシンハラ語とタミル語です。シンハラ語が多数派民族のシンハラ人によって広く使われ、タミル語は北部や東部を中心にタミル人が使用しています。
また英語も「連結言語」として位置付けられ、広く通用します。学校教育や行政でも英語が使われているため、都市部や観光地では英語で十分コミュニケーション可能です(ホテルやレストランスタッフも多くが英語対応できます)。



日本語は基本的に通じませんが、観光業に携わる一部の方が片言を話す程度です。とはいえ筆者の経験では、身振り手振りと簡単な英単語でも皆親切に対応してくれました。
現地のあいさつ言葉としてシンハラ語の「アーユボーワン!(Ayubowan)」(こんにちは/直訳は「長寿を」)やタミル語の「ワナッカン!」も覚えておくと喜ばれますよ。
治安は大丈夫?テロや内戦の心配は?
基本的にスリランカの治安は比較的安定しており、観光旅行しやすい国です。
長年続いた内戦も2009年に終結し、現在は島内どの地域も旅行が可能となっています。
ただし、他の国と同様に軽犯罪には注意が必要です。都市部ではスリや置き引き、観光客相手の詐欺(高値の宝石を売りつける勧誘など)もゼロではありません。


貴重品管理や夜間の一人歩き回避など基本的な自衛策は取りましょう。2019年には宗教施設を狙った爆破テロ事件が発生し話題になりましたが、その後は治安当局の対策も強化され、現在は落ち着いています。
また2022年には経済危機に伴うデモや混乱が報道されました。しかし観光客に対する大きな危険はなく、現在は燃料事情も改善し観光業も回復しています。
総じてスリランカは東南アジア諸国と比べても治安は良好な部類で、初めての海外旅行先としても過度に心配する必要はないでしょう。


スリランカの生活水準は?物価は安いの?
スリランカは新興国・発展途上国に分類されますが、教育水準が高く南アジアでは唯一「人間開発指数(HDI)」が高位の国です。
平均寿命は約78歳と世界的にも比較的高く、識字率も90%を超えるなど社会インフラが整っています。ただし日本と比べれば経済規模は小さく、一人当たりGDPは約4,000ドル前後(日本の約1/10)に留まります。



物価は日本に比べると全般に非常に安く、街中の食堂での食事は日本円で数百円程度、ホテルも中級クラスで1泊数千円〜と旅行者にとっては嬉しい価格帯です。
現地の人々の平均月収は数万円程度とされ、生活水準は決して高くありませんが、そのぶん家族や地域で助け合う伝統が根付いています。日本と比べた数値上の違いを以下の表にまとめました。
項目 | スリランカ | 日本 |
---|---|---|
人口 | 約2,200万人 | 約1億2,400万人 |
面積 | 65,610 km2(北海道の約0.8倍) | 377,975 km2 |
公用語 | シンハラ語、タミル語(英語も広く通用) | 日本語 |
宗教 | 仏教(約70%)、他ヒンドゥー・イスラム・キリスト | 神道・仏教(実質は無宗教層多数) |
一人当たりGDP | 約4,000 USD | 約39,000 USD |
平均寿命 | 78歳 | 84歳 |
主要産業 | 農業(紅茶・ココナッツ等)、繊維、観光 | 工業、自動車、ハイテク、観光 |
通貨 | スリランカ・ルピー(LKR) | 日本円(JPY) |
物価水準 | 日本の約1/3以下(食費・交通費は特に安い) | ー |
※上記は概略・目安です



こうして見ると、多くの面で日本とのギャップがありますね。ただ、それが旅行者にとっては文化の違いを体験する醍醐味にもなります。
では次に、日本とスリランカの文化の違いについてもう少し具体的に見てみましょう。
日本とスリランカの文化の違いあれこれ
海外旅行に行くなら、その国と日本との文化の違いも気になりますよね。



スリランカには日本とは異なる習慣や価値観がたくさんあります。でも心配はいりません。それらの違いは戸惑うこともあるかもしれませんが、理解すれば旅の面白さが何倍にも増すポイントです!
ここでは日本とスリランカの主な文化の違いをいくつかご紹介します。
宗教・価値観の違い
日本は宗教的に寛容で日常生活で宗教を強く意識することは少ないですが、スリランカでは仏教が社会に根付いており精神文化の柱となっています。
街にはお堂や仏像がいたるところにあり、人々は敬虔にお祈りを捧げます。


お酒を売らない満月の日(ポヤ・デー)が毎月あるなど、宗教行事が暮らしと密接です。ただし押し付けがましさはなく、他宗教にも寛容です。日本と同じ仏教国でもありつつ熱心さの度合いが異なる、といった印象を受けるでしょう。
人々の気質とホスピタリティ
日本人は礼儀正しく控えめと言われますが、スリランカ人も穏やかで優しい人柄です。
ただし初対面でもフレンドリーに話しかけてくる社交的な面があり、その陽気さに驚くかもしれません。時間の流れもゆったりしており、日本のように何事も厳密に時間通り…とはいきません。



約束の時間に多少遅れるのは日常茶飯事で、「スリランカ・タイム」なんて冗談もあるほどおおらかです。
逆に言えば、せかせかせず人生を楽しむ余裕があるとも言えますね。また「おもてなし」の心はスリランカの人々も強く、旅人にも親切です。日本人も驚くほど手厚いホスピタリティに出会うことも多いでしょう。
食文化の違い
日本の食事が箸とお椀であるのに対し、スリランカでは手で食べる習慣があります。
右手の指先を器用に使ってカレーとご飯を混ぜ、一口大にしていただくスタイルは、最初は戸惑いますが慣れると楽しいものです(※左手は不浄の手とされるため使用しません)。


味付けも大きく異なり、スリランカ料理は香辛料たっぷりでとてもスパイシー。
辛い物好きな方には天国ですが、日本のマイルドなカレーに慣れた人は驚く辛さかもしれません。ただココナッツミルクのまろやかさも相まって病みつきになる旨さです。


また紅茶やトロピカルフルーツ、シーフードなど食材も豊富なので、日本では味わえない南国グルメを満喫できますよ。




生活習慣・マナーの違い
日常の所作にも違いがあります。例えば挨拶ひとつとっても、スリランカでは両手のひらを合わせ「アーユボーワン」と言ってお辞儀する伝統的なスタイルがあります(もちろんカジュアルには握手や笑顔で「ハロー」も普通です)。
また仏教国らしく年長者やお坊さんへの敬意を示す習慣も根付いており、バスでは僧侶に席を譲るのが当たり前です。





面白い違いとしては、スリランカでは首を縦に振ると「NO」を、横に振ると「YES」を意味するジェスチャーもあります(インドと似ていますね)。
最初は戸惑いますが、現地の人の表情や文脈でだんだん理解できるようになります。こうした細かな違いも含めて、異文化体験としてぜひ楽しんでみてください。
娯楽・スポーツの違い
日本では野球やサッカーが人気ですが、スリランカでは圧倒的にクリケットが国民的スポーツです。


ルールはわからなくても、公園で子ども達がクリケットに興じる姿を見かけたらぜひ仲間に入れてもらうのも一興です(かなり本気で投げてくるのでびっくりしますよ!)。
ちなみにスリランカの国技はバレーボールですが、正直言って国民からの人気はクリケットの方が上です。



また町なかで聞こえてくる音楽やダンスも日本とはノリが違い、インド文化や自国の伝統舞踊の影響を受けたリズムがとてもエキゾチックです。伝統舞踊のショーなども観光客向けに開催されているので、ぜひ観賞してみましょう。
いかがでしょう?日本との違いはたくさんありますが、それだけ新鮮な発見に満ちているとも言えます。英語の旅行ガイドでは「インドより穏やかで初心者に優しい国」と紹介されることもあり、ほどよく異文化を感じつつリラックスして旅を楽しめるのがスリランカの魅力です。
それでは、具体的にスリランカでどんな観光体験ができるのか、次の章で見どころをご案内します!
自然と文化を満喫!スリランカ観光の見どころ
スリランカは豊かな自然美と深い歴史文化をあわせ持つ観光国です。
その魅力は世界遺産に指定された遺跡群から、心洗われるような絶景の数々、色鮮やかな祭りや伝統芸能まで実にさまざま。



ここでは大きく「歴史・文化スポット」「自然の絶景」「祭りと伝統」の観点で主な見どころを紹介します。初めての旅行でも是非訪れてほしいスポットばかりですよ。
世界遺産と歴史スポット巡り
スリランカには8つもの世界遺産があります(文化遺産6件、自然遺産2件)。島の大小を考えると驚くほど多彩な歴史遺産が詰まっているんです。
その代表格がシーギリヤ・ロック(シギリヤロック)です。


ジャングルの中にそびえる200m近い巨大な一枚岩の頂上に5世紀頃の王宮遺跡があり、「天空の城」とも称されます。
岩の中腹に描かれた美しい壁画シーギリヤ・レディや、頂上から360度見渡す緑の大地の景色は圧巻で、「世界の八番目の不思議」なんて呼ばれることも。頂上まで階段で登るのは少し大変ですが、達成感と景色は格別ですよ。



他にも古都ポロンナルワやアヌラーダプラでは、かつて栄えたシンハラ王朝の都の遺跡群が広がり、仏塔(ダゴバ)や石像が点在する静謐な空気に心打たれます。



聖地キャンディも外せません。キャンディは最後の王朝の都で、町の中心にある仏歯寺には仏陀の牙が収められており、今も厚い信仰を集めています。


このお寺は建物自体も美しく、また毎年夏には後述する「ペラヘラ祭(仏歯祭)」の舞台にもなる場所です。
一方で南部の港町ゴール旧市街もユニークな世界遺産です。





16世紀以降ポルトガル・オランダ・イギリスに支配された歴史を持ち、ヨーロッパ風の城壁都市の中に南国の風情が漂う不思議な街並みを楽しめます。オランダ要塞の城壁の上を歩いてインド洋を眺めれば、当時の航海時代に思いを馳せられるでしょう。
このようにスリランカは、古代から近世までの歴史ロマンがぎゅっと詰まった宝箱のような国です。歴史好きな方なら遺跡巡りだけでも何日も飽きないはずですよ。
心奪われる豊かな自然景観
南国スリランカには、海・山・森林・動物あらゆる自然の魅力が揃っています。
まずビーチリゾート好きには南岸や東岸のビーチが最高です。有名なのは南部ミリッサ(Mirissa)やウナワトゥナ(Unawatuna)などのビーチ。




白い砂浜とヤシの木、目の前にはエメラルドブルーの海が広がり、開発が進みすぎていない素朴さが残っています。



ミリッサ沖はホエールウォッチング(クジラ見物)の名所としても知られ、運が良ければクジラやイルカに出会えるかも!サーフィンなら東海岸のアルガンベイ(Arugam Bay)が有名で、世界中のサーファーが波を求めて訪れます。
山岳エリアに目を向けると、中央高地は一面の紅茶畑(ティープランテーション)で知られています。


標高1,500m前後のヌワラエリヤやエラといった高原の町は気候も涼しく、「リトル・イングランド」と呼ばれる英国調の街並みも見られます。


高原地帯をゆく山岳鉄道の旅はスリランカ旅行最大のハイライトとの呼び声も。コロンボ〜キャンディ〜エラ〜バドゥッラへと伸びる鉄道は、緑濃いジャングルや茶畑の中をのんびり走り、絶景続きで有名です。


特にキャンディ〜エラ区間は「世界一美しい列車旅」と称賛されるほど。中でもエラ付近には写真映えスポットのナインアーチ橋(9つのアーチ橋)があり、緑の谷間にアーチ型の石橋と列車のコントラストが絵になると大人気です。


列車はかなりゆっくり走るので、窓から顔を出してひんやりした山の空気を吸い込みながら絶景を堪能できますよ。
野生動物に出会いたい人には国立公園でのサファリがおすすめです。


スリランカはアフリカに次ぐ野生動物の宝庫と言われ、特にヤーラ国立公園では野生のヒョウに出会える可能性があります(ヒョウの生息密度世界一!)。


他にもウダワラウェ国立公園やミンネリヤ国立公園では野生ゾウの大群を見ることができ、運が良ければクマやワニ、色とりどりの鳥類にも遭遇します。


ジープに乗ってジャングルを駆け巡る本格サファリ体験は、子どもから大人まで大興奮間違いなしです。



さらにスリランカには神秘的な山もあります。その代表がスリーパーダ(聖なる足跡)とも呼ばれるアダムスピーク。山頂に仏陀の足跡が残ると信じられている霊峰で、山頂を目指す登山は巡礼行事でもあります。





真夜中から登り始め、山頂でご来光を拝む体験は神聖さと絶景に心洗われるでしょう(かなり体力は使いますが…)。このように、海から山までぎゅっと凝縮された大自然こそスリランカの魅力。
短い滞在でも「今日はビーチ、明日は高原」なんて変化に富んだ楽しみ方ができますよ。
祭り&伝統文化を肌で感じる
スリランカを訪れたら、ぜひ現地の祭りや伝統文化にも触れてみてください。時期が合えばぜひ体験してほしいのが毎年夏にキャンディで行われるエサラ・ペラヘラ(Perahera祭)です。





仏歯寺のご神体である仏陀の牙のレプリカを載せた象を先頭に、何十頭もの象たちが豪華に飾り付けられて街を練り歩きます。
さらに伝統衣装を着た数百人規模の踊り手や楽隊、火の玉を振り回すファイアーダンスなども加わり、その壮麗さと熱気は筆舌に尽くしがたいほど。
※象や踊り手の写真(仮)夜のキャンディの街が提灯と松明で照らされ、太鼓のリズムが鳴り響く光景は一生の思い出になるでしょう。ペラヘラ祭は仏教のお祭りですが、観光客も自由に見学でき、沿道は大勢の人で賑わいます。



仏教関連では他にも5月の満月に行われるヴェサック祭(仏誕節)があります。各家庭や寺院がカラフルな提灯やランタンで飾り付けをし、夜になると幻想的な光景に包まれます。
無料で食べ物や飲み物を振る舞う屋台(ダンサラ)も出て、仏教の徳を積む行いとして旅行者もいただけます。こうした「与える文化」があるのもスリランカらしいですね。


ヒンドゥー教や多民族の文化では、4月に行われるスリランカ新年(シンハラ・タミル新年)も大事な行事です。4月13~14日頃、占星術で定められた吉兆の時刻に新年が明けるとされ、その瞬間に人々は爆竹を鳴らしたり盛大に祝います。


日本のお正月とはまた違う賑やかさで興味深いですよ(※新年の前後はお店も閉まるので旅行時は注意)。
他にも、ヒンドゥー教の光の祭典ディーパーバリ(ディワリ)やイスラム教の断食明け大祭イードなど、多文化国家ゆえに様々なお祝いが一年中どこかで行われています。


また伝統工芸や芸能も体験してみましょう。先述のキャンディではキャンディアン・ダンスと呼ばれる伝統舞踊のショーを見ることができます。


華やかな衣装を纏った男女が太鼓に合わせて舞う姿は力強く妖艶で、異国情緒満点です。



宝石が有名なスリランカでは宝石研磨の工房見学や、ムーンストーン村(天然石の採掘場)の訪問などもできます。
さらにアーユルヴェーダ(伝統医療)マッサージやスパ体験も女性を中心に人気です。薬草オイルを使ったマッサージで旅の疲れを癒やせば、心身ともにリフレッシュできますよ。


このようにスリランカは「文化のるつぼ」ともいえる多彩な祭典と伝統が息づいています。



旅行日程が合えばぜひ現地のお祭りカレンダーをチェックして、参加・見学してみてください。ガイドブックには載っていない感動が味わえるはずです。
初心者も安心!スリランカ旅行のコツと注意点
最後に、スリランカを初めて旅行する方向けに安全で快適に旅するためのコツをまとめます。



「治安は大丈夫かな?」「どんなマナーに気を付けるべき?」「移動やお金はどうする?」といった疑問にお答えします。これらを押さえておけば、初心者でも安心してスリランカを満喫できること間違いなしです。
治安・安全対策のポイント
前述の通りスリランカは比較的治安の良い国ですが、旅先での基本的な注意は怠らないようにしましょう。



スリや置き引き対策として大金やパスポートは腰ポーチやセキュリティポーチに入れ、人混みではリュックやバッグは前掛けに。ホテルの室内金庫も活用してください。
スリや置き引き対策として大金やパスポートは腰ポーチやセキュリティポーチに入れ、人混みではリュックやバッグは前掛けに。ホテルの室内金庫も活用してください。
また観光客狙いの詐欺や客引きにも用心しましょう。例えば街で声をかけてきて「宝石を安く買える店に連れて行ってあげる」などと言う人にはついて行かないのが無難です。有名な宝石店でも押し売りまがいのケースがあるので、高額な買い物は慎重に。



女性の一人旅の場合、スリランカは南アジアの中では比較的安心ですが、やはり男性からの視線を感じる場面もあります。露出の高い服装は避け、特に地方では肌の露出を控えめにすると良いでしょう。
夜遅くの一人歩きはどの地域でも避け、移動は信頼できるタクシー(ホテル手配や配車アプリ利用)を使うと安心です。
万一絡まれたり不快な思いをしたら、近くの店や周囲の人に助けを求めましょう。親切な人が多いので力になってくれるはずです。またグループツアーに参加したり女性専用宿に泊まるのも安心感があります。




衛生面では、水道水は飲まずミネラルウォーターを利用してください。
氷も避けたほうが無難です。生野菜や屋台飯もお腹の弱い方は注意しましょう(よく火が通っていれば比較的平気です)。蚊が媒介するデング熱が発生することもあるので虫除け対策も必須です。
日差しも強いので日焼け止めや帽子もお忘れなく。日本より紫外線が格段に強いですよ。




知っておきたい文化マナー
スリランカを気持ちよく旅するために、現地の基本的なマナーも押さえておきましょう。
まず宗教関連では寺院や仏像への敬意が大切です。お寺に入る際は靴を脱ぎ、帽子や日傘もNGです。肌の露出が多い服(短パンやタンクトップ等)の場合は上着や布で体を覆ってから入りましょう。
また仏像や僧侶と写真を撮る時は背を向けない(仏像を背にセルフィー等は不敬とされます)ように注意します。僧侶に対しては礼節を払い、こちらから握手など身体に触れることは避けましょう。



日常生活では右手と左手の使い分けに気を付けます。スリランカでは左手は不浄の手とされ、食事や人に物を渡す時は必ず右手で行います。
食事では先述の通り右手で直接食べる場面もあるでしょう。その場合、手洗い場がレストランにあるので食前食後に手をよく洗う習慣も覚えておくと良いですね。



またトイレ事情も日本と異なり、公衆トイレにトイレットペーパーがないことが多いです。代わりに水で洗う文化なので、ポケットティッシュやウェットティッシュを持ち歩くと安心です。
郊外のトイレにはシャワーや桶で水が置いてあり、用を足した後それで洗い流します。最初は戸惑うかもしれませんが、郷に入っては郷に従えでチャレンジしてみるのも経験です。



その他、人に何か尋ねる時や道を尋ねる時、笑顔で「ハロー」「エクスキューズミー」と声をかければ大抵の人は親切に応じてくれます。
日本より気軽に話しかけてOKな雰囲気です。チップの習慣は厳密にはありませんが、良いサービスを受けたら数十~百ルピー程度渡すと喜ばれます(レストランではサービス料込の場合不要)。
服装は普段着で問題ありませんが、女性は露出控えめが無難です。男性も寺院ではハーフパンツ不可なので長ズボンを用意しましょう。
移動・お金・その他旅行のヒント
ビザ(ETA)の取得:スリランカ入国には観光ビザが必要ですが、日本からの旅行者は事前に電子渡航認証(ETA)をオンライン申請すればOKです。取得は比較的簡単で、有効期間内なら延長も可能です。



当日空港で取得もできますが手間なので事前に済ませましょう。


通貨とお金
現地通貨はスリランカ・ルピー(LKR)です。1ルピー=約0.4円前後(変動あり)なので、だいたい2~3ルピーで1円という感覚です。両替は空港や市中の両替所で可能ですが、レートは空港でも悪くないです。


日本円から直接両替できます。クレジットカードは都市部のホテルやレストラン、大型店舗で使えますが、小規模なお店や乗り物は現金払いが基本なので、適宜ATMでルピーを引き出すか両替しておきましょう。
スリランカのATMは国際カード対応のものが多く、VISA/MASTERのクレジットカードやデビットカードで現地通貨を引き出せます。
治安上、多額の現金を持ち歩くのは避け、必要分だけ小出しに持つと安心です。
移動手段
スリランカ国内の移動には様々な手段があります。主要都市間は鉄道や長距離バスが安価ですが、時間に余裕をもって利用しましょう(電車やバスは日本のように定刻通りには来ません…ゆっくりです)。



鉄道は二等・三等席だと予約不要で当日乗れますが、観光客向けの一等車や展望車は事前予約制のものもあるので、乗りたい場合は早めに予約するのがおすすめです。
移動時間を短縮したい場合、貸切タクシー(カーアンドドライバー)も便利です。英語ドライバー付きで1日貸切にしても1万円程度とリーズナブルで、行きたい所に自在に行けるのでグループ旅行なら検討すると良いでしょう。





町中の移動は三輪タクシーの「トゥクトゥク」が手軽です。乗る前に料金交渉をしましょう(短距離なら数百ルピー程度が目安)。
最近ではUberや現地配車アプリのPickMeが利用でき、これらを使えばぼったくりの心配も少なく安心です。コロンボ市内などでは一般のメータータクシーも走っています。
バスはどこまで乗っても数十円〜と激安ですが超満員&暴走気味運転なので、好きな方以外は無理に乗る必要はないかもしれません…(話のタネにはなりますが)。






気候と服装
スリランカは年間を通じて暑い熱帯気候ですが、季節風の影響で雨季と乾季があります。



地域によってベストシーズンが異なり、南西部(コロンボやガalle、山岳部)は11~4月頃が乾季、5~10月頃は雨が多め。
一方、東北部(トリンコマリーやアルガンベイなど)は逆に5~9月頃が乾季で、10~1月頃が雨季となります。



とはいえ年中どこかしら観光には適した場所があるのが魅力です。旅行時は訪問エリアの天気予報をチェックしておきましょう。
服装は基本的に半袖半ズボンでOKですが、冷房や高地では意外と冷えることもあるので羽織るものを1枚持っていくと安心です。
また日差し対策(帽子・サングラス)と突然のスコール用に折りたたみ傘もあると便利。靴はビーチサンダルやスニーカーで十分ですが、寺院用に脱ぎやすい履物がおすすめです。


通信・ネット環境
主要都市では無料Wi-Fiスポットもありますが、全体的にはまだ少なめです。空港でプリペイドSIMカードを購入すると安価でたっぷり通信できます(4G対応で、30日数GB使えて数百円程度)。
SIMロック解除したスマホがあれば、その場でスタッフが設定してくれてすぐ使えます。これでGoogleマップでナビしたり配車アプリを使ったりも快適ですよ。
その他
電圧は230Vでコンセントはイギリス式丸ピン(タイプBFやB3)が多いです。日本の二股プラグも差せるマルチタイプもありますが、変換プラグを用意しましょう。


時差は日本よりマイナス3時間半(日本正午はスリランカ朝8時半)です。



長旅になる方は海外旅行保険や現地の医療事情も気になるところですが、コロンボなどには日本人医師のいる病院もありますし、緊急時には大使館に連絡すればサポートも受けられます。
いろいろ書きましたが、総じてスリランカは初心者でも工夫次第で安心して楽しめる渡航先です。
英語ができなくても、にこやかに挨拶して相手の話に耳を傾ければなんとかなります。現地の人々の助けを借りつつ、ぜひ思い切り南国の旅を満喫してください!
まとめ:スリランカってこんな国!
- 「インド洋の真珠」と呼ばれる南アジアの島国で、北海道の0.8倍ほどの緑豊かな土地。首都は事実上コロンボで人口約2,200万人。
- 多民族・多宗教国家で仏教文化が色濃いが、穏やかで親切な国民性で日本人旅行者も受け入れやすい雰囲気。英語も広く通じる。
- 治安は比較的良好で初心者向き。ただしスリや詐欺への注意、女性は服装や夜間行動に気を付けるなど基本的な対策は必要。
- 世界遺産8ヶ所に美しい自然など見どころ満載!古代遺跡や紅茶の山岳列車、ビーチやサファリまで多彩な体験ができる。祭りや伝統芸能も要チェック。
- 旅行のコツとしてビザやお金の準備、服装やマナーの注意点を押さえておこう。右手で食べる文化やトイレ事情など日本との違いも楽しんで!南国スリランカの旅を思い切り満喫してくださいね。