
スリランカ旅行でぜひ訪れたい注目スポットの一つが「スパイスガーデン」です。



例えば園内でハーブ由来の脱毛クリームを塗って数分後、塗った部分の毛が痛みもなくスルリと抜けてしまうという驚きのデモンストレーションも!
無料で案内してくれるのに「お土産を買わされるのでは?」と不安の声もありますが、実際はしつこい押し売りはなく、良質なスパイス製品を手に入れられる穴場でもあります。
スリランカが「香辛料の島」と呼ばれるゆえんや見どころ、おすすめのスパイスガーデン、お土産情報、アクセス方法まで、日本人個人旅行者向けに網羅的にご紹介します。
スパイスガーデンとは?スリランカが“香辛料の島”と呼ばれる理由
スパイスガーデンとは、その名の通り各種スパイス(香辛料)やハーブの木々を栽培し、観光客に紹介している施設のことです。古来よりスリランカはシナモンやコショウなど豊富な香辛料の産地として知られ、アラブやギリシャ、ローマの商人を惹きつけてきました。


また近世にはイギリスやオランダ、ポルトガルといった列強もスリランカを目指したほどで、歴史的に「香りの黄金郷」とも称されています。



実際、スリランカには3500種以上の開花植物が自生し、その多くが芳香を放つとも言われます。


こうした背景から島全体が「スパイスアイランド(香辛料の島)」と呼ばれ、香辛料は現在もスリランカの主要な輸出品です。特にシナモン(セイロンシナモン)は有名で、世界流通量の約7割をスリランカ産が占めるともされています。
スパイスガーデンでは、熱帯の緑豊かな庭園でシナモンやコショウ、クローブ(丁子)、ナツメグ、バニラなど様々な香辛料の木を実際に見ることができます。


園内はジャングルのように樹木が生い茂り、足を踏み入れるとスパイスの甘い香りに包まれます。
ガーデンによって異なりますが、約10種類前後の代表的なスパイスの木をガイドと一緒に巡り、葉を揉んで匂いを嗅いだり樹皮を削って香りを確かめたりといった体験ができます。



例えばシナモンの木の樹皮を削ると、市販のスパイスとは比べものにならない甘い芳香が立ちのぼり感動しますし、クローブの葉をちぎれば一瞬で丁子そのものの強い香りが漂います。



知識豊富なガイドが各スパイスの育て方や用途、さらにはアーユルヴェーダ(伝統医療)での効能まで丁寧に教えてくれるので、五感でスリランカのスパイス文化を学べる貴重な機会です。
実際、多くのスパイスガーデンはスリランカ政府観光局にも登録されており、観光と教育の場を兼ねた存在となっています。
スリランカ スパイスガーデンのおすすめ観光スポット
スリランカ各地にスパイスガーデンがありますが、有名どころはキャンディやマータレー(Matale)、シギリヤなど主な観光ルート上に集中しています。
中でもマータレーは複数のスパイスガーデンが集まるエリアで、コロンボ~キャンディ間やシギリヤ方面からの定番立ち寄りスポットになっています。


特に有名なのが「ランウェリ スパイスガーデン(No.99)」という施設で、多くのツアーでここに案内されるようです。


以下に代表的なスパイスガーデンと特徴をまとめました。
スパイスガーデン名 | 所在地 | 特徴 | 入場料 |
---|---|---|---|
ランウェリ (No.99) スパイスガーデン | マータレー(キャンディから約25km) | スリランカで最も人気。種々のスパイスと伝統薬草を栽培し丁寧に解説。併設レストランあり。 | 無料 |
ニュー ランウェリ スパイスガーデン | マータレー(A9ハイウェイ沿い) | 整備されたプランテーションで高品質のツアーを提供。医療や料理に使う植物が豊富。 | 無料 |
スパイスガーデン (サンダルウッド) | マータレー | 白檀(サンダルウッド)に注力したユニークな庭園。他にもナツメグやクローブ、シナモンを栽培。 | 無料(※売店での購入推奨) |
ユーフォリア ハーブ & スパイスガーデン | マータレー | サステナビリティと有機栽培に注力。無農薬ハーブの栽培法を学べる。製品購入やチップ推奨。 | 無料 |
シギリヤ ハーブ & スパイスガーデン | シギリヤ(シーギリヤロック近郊) | 世界遺産シギリヤの観光と合わせ立ち寄れる閑静な庭園。バニラやターメリック等も栽培。 | 無料 |
上記のように入場料は基本無料ですが、どの施設も維持はお土産ショップでの収益に頼っています。そのため最後にショップで製品を紹介されますが、後述の通り強制購入はないのでご安心ください。
スリランカ スパイスガーデンで買えるお土産
スパイスガーデンでは見学後に併設ショップでスパイス製品の説明と試用があります。



「気に入ったら買ってね、買わなくてもいいですよ」といった決まり文句とともに、各種製品のPRが始まります。販売される主なお土産は以下の通りです。
スパイス各種:シナモンスティック、胡椒粒、カレー粉ミックスなど基本的な香辛料。小袋に詰められ観光客向けに販売。価格は現地市場よりやや高めですが、それでも日本で買うより割安な場合が多いです(例えばターメリック粉は日本よりずっと安かったとの声もあります)。
エッセンシャルオイル(精油):シトロネラ(防虫効果)、サンダルウッド(白檀)、ユーカリ等の植物から抽出した天然オイル。香りを楽しむほか、筋肉痛や頭痛に効くとされるものもあります。
ハーバルバーム(軟膏):ハーブ配合の塗り薬。タイガーバームのように肩こりや風邪のとき塗る軟膏や、筋肉痛緩和クリームなど。【現地語ラベルには「コリに効く」「痛み止め」等の説明書きあり】
アーユルヴェーダ薬:伝統医療の調合薬。例えば強肝作用のあるシロップや、滋養強壮に効くとされるハーブ錠剤など。商品の効能はあくまで民間療法レベルですが、スリランカ政府認可の表示があるものも売っています。


スパイス由来のコスメ:代表的なのがヘアオイルやスキンクリームです。ココナッツやハーブを配合したヘアオイルは髪ツヤを良くすると人気で、日本人女性にも評価が高いようです。実際に購入した旅行者から「質がとても良い」「育毛効果があった」という声も聞かれます。
ハーブティー:スパイス入りブレンド茶。シナモンティーや生姜紅茶、カードモム茶など香り高いお茶類も試飲・購入できます。
その他ユニークな製品:脱毛クリーム(除毛クリーム)はスパイスガーデン名物の一つ。ハーブで作られたクリームで、実演では塗布後しばらく置いて拭き取ると見事に毛が抜けます。「頭に付いたら大変なので触った手で頭を触らないでね」というジョーク交じりの注意も毎回あるほどお決まりのパフォーマンスです。
こうした商品は化学物質無添加の伝統製法を謳っており、お土産やギフトに最適です。価格帯はピンキリですが、例えばヘアオイルや薬膏類は1本あたり約1,000~2,000円前後が多く、意外と良いお値段です。
初めてだと高く感じて尻込みしますが、スパイスそのもの(シナモンやペッパー等)は安価なので試しに購入してみる価値ありです。逆にオイル類も品質が良いため、リピーターの中には「次もまた買いたい」と絶賛する人もいます。



購入は完全に任意であり、「本当に欲しい物だけ買えばOK」です。買わなくてもガイドにチップを渡すなどすれば喜ばれます。
体験の流れと雰囲気:楽しく学んで、押し売りなし!
ではスパイスガーデン観光の一連の流れを簡単に説明します。
まず入場時にガイド(多くは敷地のスタッフ)が出迎えてくれます。日本語を話せるガイドもおり、その流暢さに驚くほどです。英語ガイドの場合でも、主要なスパイス名や効能の日本語パンフレットを用意している庭園がほとんどなので安心です。



ガイドは毎日同じ説明を繰り返しているため非常に慣れており、ジョークを交えながらテンポよく案内してくれます。
見学前半はスパイス農園内の散策です。ガイドの後ろについて熱帯の木立の中を歩きながら、所々で立ち止まってはスパイスの木を紹介してくれます。
葉っぱを揉んで「これがバニラですよ、いい香りでしょう?」と嗅がせてくれたり、ターメリック(ウコン)の根茎を見せて「カレーやターメリックライスに使います」など、日本語混じりで説明してくれることもあります。名前だけ知っていたスパイスが「木に生っている姿を見るのは初めて!」と新鮮な驚きがあります。



途中、ココナッツオイルなどのプチ体験コーナーがある場合も。
例えば立ち止まった地点にベンチとオイルのボトルが置いてあり、ガイドが「肩こりに効くオイルです」と観光客の腕に少し塗ってマッサージしてくれるサービスもありました。南国らしいゆるい空気の中で、にこやかに簡易マッサージをしてもらえるのは良い思い出になるでしょう。
ひととおり庭園内を回った後は、ガゼボ(東屋)や小屋の下などに用意されたテーブル席に移動します。ここでガイドがスパイスから作った各種オイルや薬について説明してくれます。


日本語の説明書きを見せてくれるところもあり、一つひとつ効能を聞いているとちょっとした講義のようで勉強になります。ガイドは熱心ですが売り込み口調はあまり無く、あくまで淡々と説明する感じです。
もちろん最後にショップで商品を見る流れになりますが、「買うか買わないかは全く自由」と最初にちゃんと断ってくれるので過度な心配は不要です。
実際、説明後に「ではお店もご案内しますね」と誘導されますが、本当に買わなくても何も言われません。



何も買わない場合はお礼に少額のチップを渡すと良いでしょう
ガーデンによっては最後に無料の紅茶サービスがあったり、足湯を体験させてくれる例も報告されています。
全体の所要時間は30~45分程度で、ゆったり南国ムードを味わいつつも内容は充実しています。「観光客向けのデモ園」と割り切れば、料金以上の価値がある体験と言えるでしょう。
実際、日本人旅行者のブログでも「思いのほか有意義だった」「安価で良い買い物ができた」とポジティブな感想が多く見られます。
アクセス方法:公共交通 vs タクシーチャーター
スパイスガーデンへのアクセスは、大きく公共交通機関(バスや鉄道)を使う方法と、タクシー/専用車をチャーターする方法があります。以下、それぞれの利点と注意点を説明します。
交通手段 | 所要時間(目安) | 費用(目安) | ポイント |
---|---|---|---|
路線バス(公共交通) | 約1~2時間 例:キャンディ~マータレー | 片道50~100 LKR(約20~40円)程度 | 激安。主要街道沿いにバス停あり。ただし下車後に園まで徒歩数分必要な場合も。 |
タクシー / チャーター車 | 約40分(同区間) | 1日1.5万円/台程度 | 貸切のためドアツードアで快適。大きな荷物があっても安心。時間の節約にも。 |
公共バスを利用する場合、例えばキャンディ市内のバスターミナルからマータレー方面行きのバスに乗り、「スパイスガーデンで降ろして」と車掌に伝えると近くで降ろしてくれます。
運賃は数十ルピーと激安で、地元の乗客との触れ合いも旅情があります。ただし車内に案内表示はなく停留所もわかりにくいため、不安な場合は周囲に声をかけて知らせてもらうとよいでしょう。
目的地付近で降りたら徒歩で数分進めば看板が見えてきます。



一方、鉄道を使う場合はキャンディ~マータレー間にローカル列車が運行していますが、本数が少ないためあまり現実的ではありません。
これに対し、タクシーや専用車のチャーターは圧倒的にスムーズで安心な移動手段です。
宿泊ホテルや旅行代理店に頼めば車と運転手付きで手配してくれますし、英語のできるドライバーが観光案内も兼ねて付き添ってくれることもあります。
料金は1日1台あたり日本円にして1.5万円程度が目安です。運転手が直接スパイスガーデンまで連れて行ってくれるので道に迷う心配もなく、時間帯によっては他の観光スポットと組み合わせて効率よく回ることもできます。



特に短期旅行や家族連れであれば、多少のコストを払っても安全快適なチャーター移動がおすすめです。
以下は日本から事前に手配ができるおすすめのタクシーチャーター会社です。


まとめ:スパイスガーデンで香りと文化を満喫しよう!
今回のポイントをまとめると以下となります。
- スリランカのスパイスガーデンは香辛料の植物を見学しながら、現地のスパイス文化や伝統医療について学べる無料の観光スポットです。「香辛料の島」スリランカならではの体験ができます。
- 庭園ごとに特徴がありますが、マータレーのNo.99など有名ガーデンでは日本語ガイドによる丁寧な案内があり、安心して楽しめます。見学後半にはユニークな脱毛クリーム実演などちょっとしたサプライズも!
- お土産ショップではシナモンやカレー粉といったスパイス類から、アーユルヴェーダ由来のヘアオイルやバームなど多彩な製品が購入できます。価格は1,000~3,000円程度と観光地価格ですが、質が良く実用的なため「買ってよかった」と感じる人も多いです。
- ガイドから「買わなくても大丈夫」と説明がある通り、購入の強制はありません。興味があればテイスティングやマッサージ体験をしつつ、気に入った物だけ選びましょう。買わずに出ても問題ありませんが、満足したらチップを渡すと喜ばれます。
- アクセスは公共バスでも可能ですが、効率と安全面ではタクシーチャーターがおすすめです。ドライバーに任せれば時間の節約になり、他の観光地との組み合わせも楽にできます。
- スパイスガーデンは「観光客向けの演出」がある場所ですが、それを理解した上で訪れれば期待以上に楽しめるはずです。芳醇なスパイスの香りに包まれながら、スリランカの文化と知恵に触れられる体験をぜひ満喫してください。