南国スリランカの世界遺産・ゴール旧市街に、歴史薫る極上のホテルがあります。その名も「アマンガラ(Amangalla)」。


17世紀築のオランダ要塞の城壁内に佇むこのホテルは、150年以上の時を経た建物を全面改装し、2005年にアマンリゾーツが開業させた5つ星のラグジュアリーホテルです。あのアマンの系列です!
クラシックな建築美と洗練されたサービスが融合した空間で、スパやアフタヌーンティーなど贅沢な体験を楽しむことができます。
この記事では、アマンガラの魅力と歴史、建築美、スパ体験、美食(特に名物のアフタヌーンティー)、そしてホテルが息づく街並みとの調和について詳しくご紹介します。
さらに、日本外務省や米国務省の渡航情報もまとめていますので、安心して旅行計画を立てる一助にしてください。


アマンガラの歴史的背景
アマンガラの建物の起源は17世紀にさかのぼります。当時この建物はオランダ軍司令部として使用され、イギリス統治時代には兵舎として利用されました。



その後、1865年に「ニューオリエンタルホテル」としてホテル営業に転用され、欧州から豪華客船で訪れる旅人たちの社交の中心として栄えます。
以来約140年にわたり「ニューオリエンタルホテル」はスリランカを代表する老舗ホテルとして親しまれましたが、2005年にアマンリゾーツがこの由緒ある建物を受け継ぎ、「アマンガラ」として生まれ変わりました。名前の由来はサンスクリット語で「平和」を意味する「Aman」と、ゴールの現地語名「Galla」を組み合わせたもので、その名の通り「ゴールの平和」という意味が込められています。
歴史ある建物に新たな生命を吹き込み蘇らせたアマンガラは、スリランカ最古級のホテルを現代に甦らせた特別な存在と言えるでしょう。
クラシカルな建築美とデザイン
アマンガラの建築は、植民地時代の趣きを存分に残しつつ洗練された設えがなされています。建物は重厚な石造りで壁の厚さは約1メートル、天井高は6メートルにも及び、天然のクーリング効果を発揮します。



改装デザインを手掛けたのはアマン御用達の建築家ケリー・ヒル氏。白を基調としたモダンな意匠と、往時からの歴史的空間が絶妙に調和し、なんとも魅惑的で不思議な空間を演出しています。
磨き抜かれた300年物のビルマ産チーク材の床やアンティーク家具、年代物のシャンデリアが配された大広間(ザールと呼ばれるラウンジ)は、時代を超えた優雅さに満ちており、まるで数世紀前にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えるでしょう。


19世紀当時の面影を残す開放的なヴェランダには木洩れ日が差し込み、通りの並木を眺めながらゆったり寛げます。歴史的建築の持つ荘厳さと現代的な快適さが融合したアマンガラは、世界でも類を見ないコロニアル様式の名ホテルとして高く評価されています。
客室と施設:アンティークに包まれた贅沢空間
客室は全部で約30室とこぢんまりしており、アマンならではのプライベート感があります。各部屋には天井まで届く観音開きの大きな窓があり、光がたっぷり差し込む設計です。





インテリアは四柱式の天蓋ベッド、プランテーションチェア、ジャックウッド(ナンヨウスギ)の古風な収納トランクなどアンティーク調でまとめられ、床には300年前のオリジナルのチーク材が使われています。
クラシカルな調度品に囲まれつつも、独立型のバスタブやシャワーブース、エアコンなど設備は近代的に整えられており、快適性も申し分ありません。
部屋によっては窓から教会(オランダ改革派教会)や緑豊かな庭園、要塞の城壁、あるいは遠く港を望む景色が楽しめます。さらに敷地内の奥まった場所には2階建てのガーデンハウス(別邸)も一棟あり、専用のバトラー(執事)サービス付きで借りることができます。





大人数や特別な滞在にはこの離れ家を利用すれば、極上のプライベート空間を満喫できるでしょう。
共用施設も充実しており、中庭にはヤシの木々に囲まれた屋外プールが広がります。赤い屋根と緑に映える水辺にプールデッキチェアが並び、南国の陽光の下でリラックスするのに最適です。プールサイドでは軽食やドリンクのサービスもあり、泳いだ後に木陰で一息つく贅沢な時間を過ごせます。


また館内にはライブラリー(図書室)があり、重厚な書棚には歴史や芸術に関する書籍が揃っています。
ライブラリーの一角には小さなホテル博物館も併設されており、ニューオリエンタルホテル時代の古写真や記録が展示されています。150年以上にわたるホテルの歩みを感じられるこの展示は、滞在客にとってちょっとしたタイムトラベル気分を味わえるスポットです。



館内の随所に置かれたアンティークや調度品と相まって、ホテル全体が生きた博物館のようでもあります。
スパ&ウェルネス体験:伝統アーユルヴェーダで癒される
アマンガラでぜひ体験したいのが、充実したスパ&ウェルネス施設です。


敷地奥に静かに佇むスパは「ザ・バス(The Baths)」と名付けられ、かつての浴場を思わせるアーチ状の入口をくぐると、ほの暗い回廊の先に癒やしの空間が広がります。



館内にはプライベートトリートメントルームが5室あり、本格的なオイルマッサージやボディスクラブ、フェイシャルなど多彩なメニューを受けることができます。
スパ内にはジャグジー(温水浴槽)やコールドプランジ(冷水槽)、サウナ、スチームルームといった水療法エリアも完備されており、トリートメント前後に自由に利用してリフレッシュ可能です。
インド由来の伝統医学アーユルヴェーダの哲学を取り入れた施術も特色で、セラピストによる温かなハーバルオイルトリートメントは心身のバランスを整えてくれるでしょう。



さらにスパ施設には男女別の更衣エリアのほか、ヨガ・瞑想用のガーデンパビリオンも併設されています。緑に囲まれた静寂な環境で行うヨガや瞑想クラス(要予約)は、旅の疲れを癒す特別なひとときです。
加えて、アマンガラならではのユニークなサービスとしてバーバー(理髪店)とヘアサロンもスパに隣接して設けられています。クラシックな調度のバーバールームでは、地元の理髪師による昔ながらのシェービング(髭剃り)やヘアカットを体験することができます。
顔に蒸しタオルを当て、老式のストレートレザーで丁寧に髭を剃る――そんな紳士的なグルーミングサービスは、現代のホテルでは非常に珍しく、多くの男性ゲストに好評です。
一方、ヘアサロンでは女性向けにヘアトリートメントやネイルケアのメニューも用意されています。南アジアならではの癒しとお洒落を堪能できるアマンガラのスパ施設で、心身ともにリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。




食事とアフタヌーンティー:伝統の味を優雅に堪能
アマンガラでの食事もまた滞在の大きな楽しみです。
メインダイニングの「グレートホール(ザール)」と、ホテル前面に延びる開放的なヴェランダでは、朝食からディナーまで一日を通して多彩なメニューが提供されています。



高い天井とシーリングファンが回るダイニングルームには真っ白なクロスが掛けられたテーブルが並び、磨き上げられたアンティークの銀食器がセットされています。
フィン・ド・シエクル様式の優雅な空間でいただくのは、地元の新鮮食材を活かしたスリランカ料理と洋食の数々。特に夜には、19世紀の創業当時から受け継がれる伝統の「ライス&カリー」が名物です。
色とりどりのカレーと副菜を盛り合わせたスリランカ風の定食で、日替わりでメニューが変わります。この伝統のディナーは150年以上前からこの場所で供され続けてきたと言われ、現代に受け継がれる味わいに感動することでしょう。



屋外のプールテラスでは、昼間は南国フルーツを使った軽食やカレーランチ、夜はキャンドルの灯るロマンチックなプライベートディナー(要予約)を楽しむこともできます。
そして滞在中ぜひ体験したいのが「アフタヌーンティー」です。紅茶の名産地スリランカならではの上質なセイロン紅茶に、自家製の焼きたてスコーン、クロテッドクリーム(濃厚なクリーム)とストロベリージャム、さらにフィンガーサンドイッチや様々なスイーツが三段重ねのティースタンドで優雅に提供されます。



優雅なコロニアル空間で楽しむ伝統的なクリームティーは格別で、ティーカップから立ち上る香り高い紅茶の香りに心がほどけていくのを感じるでしょう。アフタヌーンティーの提供時間は毎日おおよそ15時~17時半頃までとなっており、宿泊ゲスト以外の外来利用も可能です。
実際、観光でゴール旧市街を訪れる人々にも評判が高く、「アマンガラでアフタヌーンティーを」と足を運ぶ旅行者も少なくありません。
なお、宿泊者には毎日午後になるとクリームティー(紅茶とスコーンのセット)が無料で提供されます。温かいスコーン2~3個とお好みの紅茶で、小腹を満たしつつ優雅な午後の休息を取ることができます。
もちろん希望すれば、追加料金を支払って本格的な三段トレーのアフタヌーンティーセットにアップグレードすることも可能です。宿泊しなくても有料で楽しめますが、宿泊者にはこうした特典があるのも嬉しいポイントです。いずれにせよ、紅茶の国スリランカで味わう極上のティータイムは、アマンガラ滞在のハイライトとなることでしょう。




立地と周辺環境:世界遺産ゴール要塞との調和
アマンガラが位置するゴール旧市街(ゴール要塞)は、ユネスコ世界文化遺産にも指定された17世紀築の城塞都市です。インド洋に突き出した半島をぐるりと囲むように高さ数メートルの城壁が巡らされ、内部にはオランダ統治時代の街並みがそのまま残っています。





赤瓦屋根のコロニアル建築や石畳の小径、17世紀建立のオランダ改革派教会や18世紀築の灯台など、街全体が歴史博物館のような趣です。その中にあってアマンガラの外観は周囲の環境に溶け込むようにひっそりと佇み、初めて訪れる人はうっかり通り過ぎてしまうほど自然に街並みに馴染んでいます。
実際、ホテルのエントランスは控えめな造りで、背後には現地の学校があり子供たちの笑い声が聞こえてくるなど、地元の生活に寄り添うロケーションと言えるでしょう。一歩ホテルを出れば、そこはもう17~18世紀にタイムスリップしたかのような異国情緒あふれる世界。
狭い石畳の路地を散策しながら城壁の上に上がれば、眼下に紺碧の海と波しぶき、行き交う人々の穏やかな笑顔が広がります。カフェでスパイスの効いたローカルスナックを味わったり、アンティークショップやジュエリーショップをひやかしたり、旧市街の散策だけでも時間を忘れて楽しめるでしょう。
アマンガラのスタッフや執事(バトラー)は、ゲストの街歩きも手厚くサポートしてくれます。要塞内のガイドツアーを依頼すれば、歴史に精通したスタッフが要所を案内しながら街の成り立ちを教えてくれるので理解が深まります。



またホテル専用車(運転手付き)を手配して、ゴール旧市街から少し離れた周辺スポットへ出かけることも可能です。ゴール近郊には、茶畑や紅茶工場の見学、伝統工芸の仮面作りで有名な町アンバランゴダ、美しいビーチで有名なウナワトゥナ寺院など見所が点在しています。
早朝に車で1時間ほど南下すれば、ミリッサ港からのホエールウォッチング(クジラ海洋ツアー)に参加することもできます。こうしたオプショナルな小旅行も、アマンガラのコンシェルジュに相談すれば日程に組み込んでくれるので安心です。
現在のゴール要塞は「身を潜める場所ではなく、探検するための場所」です。まさにその言葉どおり、部屋の片付けや洗濯はバトラーに任せて身軽に街へ繰り出してみましょう。
日中たっぷり散策や観光を楽しんだら、ホテルに戻ってプールデッキやライブラリーで静かな休息を取る――喧騒から逃れ静寂を味わう贅沢さと、街に出て活気を肌で感じる高揚感、その両方を味わえるのがアマンガラ滞在の醍醐味です。


なお、スリランカ南部にはアマンリゾーツがもう一軒、姉妹リゾートの「アマンウェラ」(Amanwella)があります。熱帯のビーチに建つ隠れ家リゾートで、アマンガラと対照的に海辺の開放感を楽しめる施設です。





アマンではこの2つのリゾートを組み合わせた滞在プラン「ビーチ&フォート ジャーニー」も提案しており、文化とビーチの両方を贅沢に味わう旅程も実現可能です。
たとえば先半はゴール要塞のアマンガラで歴史ロマンに浸り、後半はアマンウェラでインド洋の波音をBGMにのんびり過ごす――そんな夢のようなバカンスも叶えられるでしょう。興味のある方は旅行会社や公式サイトで問い合わせてみてください。
まとめ:アマンガラで極上のひとときを過ごすために
最後に、アマンガラの魅力と滞在のポイントを整理します。歴史と優雅さが融合したこのホテルで、ぜひ特別な時間をお過ごしください。
- 17世紀築の歴史的建物を活かした唯一無二のラグジュアリーホテル。150年以上の歳月を経た空間に最新の快適性が加わり、他では味わえない滞在体験ができる。
- 建築美とデザインの調和が見事。ケリー・ヒル氏による改装で白を基調としたモダンさとコロニアルな趣が融合し、まるでタイムスリップしたような非日常感を味わえる。磨き抜かれたアンティーク家具や高い天井の大広間など、美術館のような優雅さ。
- 客室数は約30室と少なく、きめ細かなパーソナルサービスが魅力。各部屋とも天蓋付きベッドなどクラシックな内装だが設備は現代的で快適。専任バトラーによる対応で「第二の我が家」のように寛げる。広い中庭プールやライブラリーなど館内施設も充実し、ホテル内でも退屈しない。
- スパ施設が充実しており、アーユルヴェーダを取り入れた本格トリートメントで心身をリフレッシュ可能。ジャグジーやサウナ完備の「ザ・バス」でゆったり癒やされるひとときは格別。併設のバーバーで昔ながらのシェービング体験ができるのもユニークで、男性ゲストにも好評。
- 名物のアフタヌーンティーは宿泊者以外にも人気で、ゴール旧市街観光のハイライトに。香り高いセイロン紅茶と焼きたてスコーンを歴史的建物の中で味わう贅沢は、紅茶好きでなくとも心躍る体験。宿泊者には午後のクリームティー無料サービスもあり、優雅なティータイムを堪能できる。
- 立地は世界遺産ゴール旧市街の中心。ホテルの外はそのまま観光エリアで、教会や灯台など見所多数。街歩きや買い物も安全に楽しめ、執事による要塞ツアーや専用車の手配などホテルのサポートで安心感も万全。異国情緒あふれる街並みとホテルの静穏さ、両方を味わえる贅沢なロケーション。
- 外務省発表でも治安は安定しており(危険情報レベル1)、基本的な注意を守れば安心して滞在できる環境。経済混乱も落ち着きデモ等も沈静化。渡航時は事前に電子ビザを取得し、パスポート残存期間や虫除け対策など準備を忘れずに。ホテル自体のセキュリティもしっかりしているため、より安全に過ごせる。
歴史ある街での滞在に不安を感じていた方も、アマンガラならではのホスピタリティと公式情報に裏付けされた安全対策のおかげで、きっと安心して優雅な時間を過ごせることでしょう。ゴール旧市街の「アマンガラ」で、心に残る極上のひとときをぜひ体験してみてください。