スリランカ旅行では、美味しい食べ物との出会いも大きな楽しみの一つですよね。20代女性の一人旅でもファミリー旅行でも、スリランカ料理はヘルシー志向のグルメとして注目されています。

スパイスたっぷりだけどココナッツミルクでマイルド、野菜も豊富で美容と健康に嬉しい要素がいっぱい!さらに彩り豊かな料理は写真映えも抜群です。
今回は「スリランカの食べ物」をテーマに、定番料理の一覧から辛さや健康効果、グルメ体験情報まで盛りだくさんでご紹介します。さあ、スリランカの絶品グルメの世界へ出発しましょう。


スリランカ料理の特徴と魅力
スリランカ料理は一見インド料理に似ていますが、実は独自の特徴がたくさんあります。



主食はお米が基本ですが、米粉や小麦粉を使ったパンや麺もよく食べられています。インドカレーとの大きな違いはココナッツミルクを多用すること。
ココナッツミルクやココナッツオイルがベースになっているので、辛いスパイスもまろやかな味わいになり、汁気が多くさっぱりとした口当たりになるのが特徴です。さらにシナモン、クローブ(丁子)、ターメリック(ウコン)など、多種多様な香辛料を挽いて使い、風味豊かで奥深い味わいを生み出しています。



島国だけあって新鮮な魚介類を使ったシーフードカレーが多いのも魅力で、エビやカニのカレーは特に有名です。
また、スリランカでは「ライス&カリー」と呼ばれるワンプレートスタイルが国民的な食事です。茹でたお米の周りに、豆・肉・魚・野菜など様々な素材のカレーや副菜が盛り付けられ、手で混ぜながらいただきます。



一皿で色々な味を少しずつ楽しめるので、まるでミニビュッフェのよう!スパイスの効いたカレーを数種類混ぜ合わせることで、味変を楽しみながら完食できます。
実際、地元の方は右手を使って器用に混ぜながら食べますが、観光客向けにはスプーンやフォークも用意されています。興味があればぜひ手づかみでチャレンジしてみてくださいね。
スリランカ料理=辛い、というイメージがあるかもしれません。確かに唐辛子や胡椒を使ったスパイシーな料理が多く、辛いもの好きには天国です。
ただし、ココナッツミルクの効果で辛さが和らいでいたり、日本人にも食べやすいマイルドな味付けのものもあります。実はスリランカではアーユルヴェーダの思想も根付いており、アーユルヴェーダ式にアレンジされたカレーは辛さ控えめで野菜たっぷりのとてもヘルシーな仕上がりになっています。



辛いのが苦手な方でも、豆カレーやココナッツ風味のマイルドカレーを選んだり、ご飯とよく混ぜて食べれば美味しくいただけますのでご安心ください。
絶対に食べたいスリランカ料理一覧
それでは、スリランカ旅行でぜひ味わってほしい定番料理を一覧形式でご紹介します。定番のカレー料理からユニークなローカルフードまで、網羅的にチェックしていきましょう。
ライス&カリー (Rice & Curry)
スリランカを代表する家庭料理が「ライス&カリー」です。茹でたバスマティライス(細長い香り米)の上や皿の周囲に、数種類のカレーや副菜が盛り付けられます。


たとえば鶏肉のカレー、豆のカレー、野菜カレー、そしてポルサンボル(後述するココナッツふりかけ)やパパダン(豆粉のせんべい)などがワンプレートに乗った定食スタイルです。
見た目も色とりどりで写真映えしますし、少しずつ色んなおかずを混ぜながら食べるので飽きません。「スリランカカレーってどんな味?」と思ったらまずこのライス&カリーを試してみてください。お店によって辛さやおかずの種類が異なるので、食べ比べも楽しいですよ。
スリランカカレー各種(チキン、フィッシュ、ダル他)
スリランカでは一度の食事で複数のカレーを食べるのが普通です。主なカレーの種類を挙げると:
- チキンカレー(Kukul Mas Curry):骨付き鶏肉をココナッツミルクやトマト、玉ねぎと一緒に煮込んだ定番カレー。ターメリックやカレーリーフの香りが効いています。日本のカレーライスよりさらっとしていますが、スパイスのコクは抜群。
- フィッシュカレー:魚介のカレーもポピュラーです。特にマグロを使ったカレーや、ゴラカ(ガルシニア)という果実で酸味をつけたアンブルティヤル(サワーフィッシュカレー)という郷土料理も有名。酸っぱ辛い味付けでご飯が進みます。
- ダルカレー(パリップ):赤レンズ豆のカレー。毎日のように食べられる付け合わせで、日本のお味噌汁的な存在です。豆の優しい甘みとスパイスの香りでホッとする味わい。ココナッツミルクが入ってクリーミーなので、お子さんでも食べやすいですよ。
- ジャックフルーツカレー:若いジャックフルーツを野菜のように使ったユニークなカレー。ホロホロした食感で「ベジタリアンの肉代替」としても人気です。
この他にも卵を丸ごと入れたエッグカレーや、じゃがいもカレー、豆とほうれん草のカレーなど種類は無限大!基本的に「1素材1カレー」が原則で、一つの具材につき一種類のカレーを作るのがスリランカ流です。
そのため一食で数種類のカレーを組み合わせ、野菜もタンパク質もバランスよく摂れるのが嬉しいですね。
コットゥ・ロティ(Kottu Roti)


コットゥ・ロティはスリランカを代表するストリートフードで、屋台飯No.1の人気メニューです。
プレーンなゴダンバロティ(小麦粉のクレープ状の薄焼き生地)を細かく刻み、野菜や卵、肉などと一緒に大きな鉄板で豪快に炒め合わせた料理です。



調理中に鉄板の上でカチャカチャとヘラを打ち鳴らす独特のリズムが生じ、夜市ではこのコットゥを刻む音があちこちで聞こえてきます。



「コットゥ」はその音から名付けられたとも言われ、思わず動画を撮りたくなる調理風景ですよ。味は焼きそばやチャーハンに近い感覚で、日本人の口にも合います。
スパイスで炒めていますが辛さはお店次第。チーズ入りコットゥなどアレンジも豊富なので、見つけたらぜひトライしてみてください。
ゴダンバ・ロティ(Godamba Roti)
「ロティ」は薄焼きパンの総称で、生地を鉄板で焼いたものです。中でもゴダンバ・ロティはクレープのように薄く焼いた生地で、単体でも食べますが、具を包んでホットサンド状にしたり先述のコットゥにしたりと応用自在。



ではジャガイモや人参、ひき肉をスパイスで炒めた具を包んだゴダンバロティが紹介されています。片手で手軽に食べられるので、軽食やおやつにもぴったり。
カレーのお供としてシチューのナンのように食べることもあります。小腹が空いたときに売店で買える庶民の味です。
ちなみに、ロティ生地にココナッツを練り込んだポル・ロティというものもあります。こちらは少し厚みのある素朴なパンで、カレーを付けたり紅茶と一緒におやつに食べたりします。ココナッツの甘い香りがふわっと広がる優しい味です。
ホッパー&ストリングホッパー(Hoppers / Appa & Indiappa)
ホッパー(アッパー)は、見た目がユニークなボウル型のクレープです。米粉とココナッツミルクを発酵させた生地を小さな中華鍋のような専用パンで焼き上げると、お椀状の薄い生地が完成します。



中心部はふんわり蒸しパン状で、縁はパリパリのレース状という不思議な食感!プレーンのホッパーもありますが、特に人気なのがエッグホッパー。


生地を焼く途中で卵を落とし入れ半熟状に仕上げたもので、朝食に大定番です。お好みでカレーやサンボルを乗せて食べると絶品ですよ。「見た目が可愛い!」と女性旅行者にも評判の一品です。



一方、ストリングホッパー(インディアッパ)は米粉を練った生地を麺状に押し出して丸く蒸したもの。見た目はそうめんを丸く固めたような淡白な主食です。
カレーやココナッツサンボルと一緒に食べたり、麺に合う汁カレーをかけたりしていただきます。こちらも朝食や軽食でよく登場し、胃に優しいのでホテルのビュッフェでも提供されることがあります。
ビリヤニ(Biriyani)


ビリヤニはスパイス香る炊き込みご飯の王様。インドや中東でもおなじみですが、スリランカでも結婚式などお祝いの席やレストランで楽しまれています。



細長いバスマティライスに肉や野菜、たっぷりのスパイスを加えて炊き込んだり蒸らしたりした料理で、見た目はチャーハン風ですが香りと味の奥深さは格別です。
クミン、コリアンダー、ターメリック、シナモン、クローブ、カルダモン、ニンニク、ショウガ等々、数えきれないほどのスパイスを使い、肉の旨味汁(グレービー)と一緒に炊き上げるため、一粒一粒に旨味が染み込んでいます。一口ごとに異なる香りが広がり噛むほどに美味しさを発見できる一品です。



チキンやマトン(羊)、エビなど種類も豊富。そのまま食べても美味しいですが、付け合わせのカレーやヨーグルトソース(ライタ)を混ぜるとさらに奥行きのある味わいに。
辛いカレーが苦手な方でもビリヤニはマイルドなので挑戦しやすいですよ。
その他のヘルシー副菜&スイーツ


- ポル・サンボル:細かくおろしたココナッツに唐辛子や玉ねぎ、モルディブフィッシュ(乾燥マグロ)、レモン汁などを混ぜ合わせたスリランカ定番のふりかけ。ピリッと辛いのでご飯のお供に最高です。ビタミン豊富でヘルシーなうえ、ココナッツの食物繊維でお腹もスッキリ。
- マッルン(Mallung):季節の青菜やキャベツ、人参などを細かく刻んでココナッツと炒めた温サラダ。シャキシャキした食感とココナッツの甘みでカレーの合間の箸休めに◎。見た目はきんぴらやおひたしのようで、日本人にも親しみやすい味です。
- カトレット:魚のすり身とマッシュポテトをスパイスで味付けして揚げたクロケット(コロッケ)。スナック感覚でつまめるおやつで、子供にも人気。ほんのりスパイシーですが日本のカレー風味コロッケに近いので食べやすいですよ。
- ワタラッパン:ココナッツミルク、卵、黒糖(キトゥルハニー)で作る濃厚蒸しプリン。シナモンやナツメグが香る上品な甘さのデザートで、プリン好きにはたまらない一品です。食後に出されたらぜひ試してみてください。
スパイスたっぷり!ヘルシー志向で楽しむポイント


スリランカ料理が「健康や美容に良い」と言われる理由は、なんといってもスパイスとハーブのパワーにあります。小さな島国スリランカは高温多湿な気候ゆえ、古くからアーユルヴェーダに基づき食事で体調管理を行ってきました。



豊富に採れるスパイスやハーブを組み合わせ、料理を美味しくするだけでなく薬効も取り入れているのです。代表的なスリランカ料理のスパイスと、その期待できる効能を以下にまとめました。
使用スパイス | 期待できる効能 |
---|---|
ターメリック(ウコン) | 肝機能の強化、消化促進、新陳代謝の活性化 |
コリアンダー(パクチー種) | 消化促進、鎮静作用、美肌効果 |
クミン | 消化促進、解毒作用、月経不順の改善 |
ブラックペッパー(黒胡椒) | 食欲増進、便秘予防、強精作用、感染症予防 |
カイエンペッパー(唐辛子) | 消化促進、食欲増進 |
カルダモン | 疲労回復、整腸作用、精神安定 |
シナモン(桂皮) | 殺菌効果、コレステロール・中性脂肪の低減 |
クローブ(丁子) | 高い抗酸化作用 |



ご覧の通り、スパイスには体に嬉しい効能がたくさん!例えばターメリックは抗炎症作用で知られ「天然のサプリ」とも呼ばれますし、シナモンは血糖値をコントロールしてくれるのでデザートにもよく使われます。
これらのスパイスを惜しげもなく使うスリランカ料理は、まさに食べる漢方薬と言えるかもしれません。
さらに、スリランカならではのハーブとしてカレーリーフとランペ(パンダンリーフ)も料理に欠かせません。カレーリーフは爽やかな柑橘系の香りが特徴で、食欲増進や消化促進などの効果があります。



ランペは東洋のバニラとも称される甘い葉で、料理にコクを与えるだけでなく高血圧や喘息の改善にも良いとされています。そして忘れてならないのがゴトゥコラ。
和名をツボクサというハーブで、細かく刻んでココナッツと和え「ゴトゥコラ・サンボル」として食べます。ゴトゥコラは脳細胞の活性化や美肌、抗酸化作用が期待できることから「奇跡のハーブ」と呼ばれ、スリランカでは古来より滋養強壮に用いられてきました。
このように、スリランカの食卓はスパイスとハーブの宝庫。美味しく食べて身体の中から元気になれるのが大きな魅力なのです。
ヘルシー志向の方はベジタリアンやヴィーガン対応にも注目です。



スリランカは仏教やヒンドゥー教の影響で菜食の文化もあり、肉類を使わない料理も豊富です。豆カレーや野菜のマッルン、ココナッツサンボルにパパダン…動物性食材ゼロでも満足感のある食事ができます。
また昨今は観光客向けにヴィーガンカフェやレストランも各地に増えており、コロンボやキャンディなど都市部ではグルテンフリーのメニューが充実したお店も登場しています。食事制限のある方でも安心してスリランカ旅行を楽しめますね。
写真映え&体験価値も満点!グルメをさらに楽しむには
スリランカの食べ物は、美味しいだけでなく五感で楽しむ要素がいっぱいです。特に20代の女性旅行者なら、SNSにシェアしたくなるフォトジェニックな瞬間や、現地ならではの体験にも心惹かれるはず。ここではグルメの「映え」と「体験」のポイントをご紹介します。











このように、スリランカのグルメは味わうだけでなく見て、作って、体験して楽しむ方法がたくさんあります。写真を撮ったり会話をしたりしながら、ぜひ積極的に現地の食文化と触れ合ってみてくださいね。
スリランカで食事を楽しむための豆知識
最後に、旅行者としてスリランカの食事を安心安全に楽しむためのポイントを押さえておきましょう。日本の外務省や米国国務省も以下のようなアドバイスをしています。
- 水はボトルをリクエスト:スリランカでは水道水をそのまま飲まないようにしましょう。飲み水や氷には必ず煮沸・濾過した水か市販のミネラルウォーターを使う必要があります。レストランやホテルでも言わないと水道水が出てくることがあるので、「ミネラルウォーターをください」と伝えるのがベターです。氷も心配な場合は抜いてもらいましょう。
- 食べ物の衛生管理:気温が高いため料理の傷みが早く、細菌も繁殖しやすい環境です。調理後時間の経った食品や切り置きのフルーツ、生野菜のサラダなどは避けた方が無難です(衛生に信頼のおける店では大丈夫な場合もあります)。屋台飯に挑戦するときは、しっかり加熱されたできたてホカホカのものを選びましょう。お腹が弱い方はヨーグルトやラッシー(ヨーグルトドリンク)を一緒に摂るとお腹を守ってくれますよ。


- 食事のマナー:基本的に食事の際は右手を使います。左手は不浄とされるので、ものを手渡ししたり食べ物に触れたりするのは右手で行いましょう。ただし現代のレストランではあまり厳格ではなく、普通にスプーンとフォークで食べても問題ありません。ローカル食堂で手食に挑戦する際だけ頭の片隅に置いておくと良いでしょう。
- 宗教的配慮:スリランカは仏教徒が多数派ですが、ヒンドゥー教やイスラム教、キリスト教も共存しています。飲食に関しては、牛肉を食べない仏教徒・ヒンドゥー教徒、豚肉を食べないイスラム教徒もいます。観光客がお店でそこまで気にする必要はありませんが、宗教上食べられないものを無理に勧めたりしないよう尊重の姿勢は持ちたいですね。また仏教寺院では飲食は禁止の場所もありますので、屋外での飲食時は周囲にお寺がないか確認すると安心です。
これらを押さえておけば、余計な心配をせずスリランカのグルメを堪能できるはずです。
まとめ
スリランカの食べ物は、スパイシーでヘルシー、そしてフォトジェニックと三拍子揃った魅力があります。ココナッツの優しい風味に包まれたカレーや、多彩なスパイスの効能、地元の人々との暖かな交流――一人旅の女性もファミリー旅行の皆さんも、それぞれの楽しみ方で満喫できることでしょう。



ぜひ本記事を参考に、現地でしか味わえない絶品グルメとの出会いを存分に楽しんできてくださいね。「いただきます!」と「ごちそうさま」の先に、きっと忘れられないスリランカの思い出が待っているはずです。