
スリランカ旅行でチップは必要? 日本とは文化が異なるため、初めて訪れる方には戸惑うポイントですよね。
実はスリランカはイギリス植民地時代の名残もありチップ文化が根付いた国です。ホテルやレストラン、タクシーにサファリツアーまで、様々なシーンで少額のチップを渡す習慣があります。
とはいえ「いくら渡せばいいの?」と悩む方も多いでしょう。本記事では2025年時点の最新情報をもとに、スリランカでのチップ相場とマナーを徹底解説します。主要シーン(タクシー移動、アーユルヴェーダ体験、サファリツアー)での相場を中心に、ご紹介します。
これを読めば、チップの不安を解消してスマートに旅を楽しめるはずですよ。
2025年最新のスリランカ・チップ事情と基本マナー
スリランカでは基本的にチップを渡すのがマナーとされています。欧米的なチップ文化の影響で、サービス提供者に感謝の気持ちを示すため小額でも渡すのが一般的です。
「チップを払わないと無礼に思われるのでは?」と心配になるかもしれませんが、ご安心ください。強制ではなく、あくまで「満足したサービスへのお礼」の習慣です。サービスが今ひとつだった場合や、既に料金にサービス料が含まれている場合は無理に渡す必要はありません。
スリランカの通貨はスリランカルピー(LKR)です。旅行中は小額紙幣(20~100ルピー)を多めに用意しておくとチップ対応に便利です。大きなお札しかないときはお釣りをもらわず切り上げて渡すのも一つの方法です。





「100ルピー=約36~40円程度」で考えるとわかりやすいでしょう(為替レートは変動しますが、2025年現在1ルピー≈0.36~0.4円前後です)。なおチップは現地通貨で渡すのが基本で、米ドルなどよりもルピーのほうが喜ばれます。
スリランカでは多くのレストランやホテルでサービス料(Service Charge)が導入されています。たとえば飲食店の伝票に「Service Charge 10%」と書かれていれば、その分は既に料金に上乗せされスタッフに分配されるのが一般的です。



この場合追加チップは原則不要ですが、「サービスがとても良かった」と感じた時は気持ち程度に100ルピー前後を渡す人もいます。一方、サービス料が含まれていないお店では料金の約10%を目安に渡すと良いでしょう。現地の人の意見でも「サービス料込みなら特にチップ不要、無しなら100ルピーでも気持ちは伝わる」との声がありました。


またチップ額の感覚は旅行者の出身国によって差があるとも言われます。例えばイギリスやオーストラリアなど物価・人件費の高い国から来た観光客は、スリランカの物価を非常に安く感じるため現地相場よりかなり高額なチップを渡す傾向があるそうです。



東アジア(日本や中国など)やインドからの旅行者は比較的控えめなことが多く、この違いがガイドやドライバーのチップ期待値にも影響しているとの指摘があります。
要するに、欧米人観光客がチップ相場を押し上げている面があるわけですね。もちろん日本人だからと言って心配しすぎる必要はありませんが、「少なすぎかな?」と不安な時は相場よりやや多めに渡すくらいの気持ちでも良いでしょう。
それでは具体的に、場面ごとのチップ相場と渡し方を見ていきましょう。
レストランでのチップ ~サービス料に応じたスマートな対応~
スリランカのレストランではチップは基本10%前後が目安です。ただし冒頭で触れた通り伝票にサービス料が含まれているか要チェックです。



伝票に「Service Charge 10%」等と記載があれば追加でチップを払う必要はありません。この場合、お会計時に端数の小銭を切り上げたり、特にサービスが良かった場合のみ100ルピー程度をテーブルに置く程度で十分です。


実際、現地フォーラムでも「サービス料込みなら特別多くのチップは不要。100ルピーも置けばケチとは思われない」といった意見が出ています。
一方、サービス料が含まれていない店では別途チップを渡しましょう。目安は料金の5~10%程度ですが、カジュアルな食堂であれば切りの良い額に繰り上げるだけでもOKです。



例えば食事代がLKR 950(約350円)なら1,000ルピー渡し、お釣りを受け取らない、といった具合です。高級レストランではサービス料無しの場合10%が標準とされています。
ただしこれも「義務」ではなく、あくまで満足した場合の心づけです。サービスに不満があれば無理に払う必要はありません。また、ローカル色の強い屋台や安食堂では基本チップ不要です。各種旅行情報サイトでも「地元民が利用する食堂ではチップは求められない」と紹介されています。



ただ外国人にとても親切にしてくれた店員さんがいた場合、お礼に20~50ルピー程度を手渡すケースもあるようです。
ポイント:支払い時にテーブルにチップを残す場合、現金で置いていきましょう。クレジットカード払いの場合は伝票に「Tip」欄が無いことも多いので、現金の小額紙幣を用意しておくのがスマートです。また、チップはテーブルにそのまま置くか、会計伝票に挟んで渡すのが一般的な渡し方です。笑顔で一言「Thank you」と伝えればなお喜ばれますよ。
ホテルでのチップ ~ポーターから清掃係まで~
ホテル滞在中も、スタッフへの感謝としていくつかの場面でチップを渡す習慣があります。まず、チェックイン後に部屋まで荷物を運んでくれたポーターには1部屋あたり100~200ルピー程度を渡すと良いでしょう。



日本円にすれば数十円ほどですが、ポーターさんにとっては大切な収入源です。実際、中国のガイド記事でも「ホテルのボーイには100~200ルピーを」と具体的に提示されています。
次にルームクリーニング(枕銭)です。これは毎朝ベッドメイキングをしてくれるハウスキーピングスタッフへのチップで、1日あたり100~200ルピーが目安です。
必須ではありませんが、連泊する場合は毎日ベッドの枕元やサイドテーブルに置いておくと良いでしょう。



「不要」という意見もありますが、感謝の気持ちとして渡せばきっと喜ばれます。日本人旅行者のブログでも「良いサービスを受けたら50〜100ルピー置いていくと良い」と紹介されています。
ホテルのその他の場面では、ルームサービスを部屋まで運んでもらった際に50~100ルピー程度渡す人もいます。コンシェルジュに特別なお願い(レストラン予約や急病時のサポート等)をして助けてもらった場合は500~1,000ルピー渡せば十分でしょう。
高級ホテルではサービス料込みの場合も多いですが、それでも個別スタッフへのチップは好意的に受け取られます。逆に小規模ゲストハウスなどではチップ文化自体あまり浸透していないこともあります。その場合は渡しても戸惑わせてしまうので、相手の様子を見て判断しましょう。






チェックアウト時に滞在全体の感謝として、フロントでまとめて200~500ルピーを渡す方法もあります。特定の誰宛でもないチップはスタッフ間で公平に分配されることもありますので、そうした形でも問題ありません。
スリランカのタクシーでのチップ事情
続いて、移動手段であるタクシーやトゥクトゥク(三輪タクシー)でのチップについてです。「タクシーにもチップ?」と驚くかもしれませんが、スリランカでは運転手へのチップも習慣になっています。






街中のタクシー・配車アプリの場合
コロンボなど都市部ではメータータクシーのほか、Uberや現地の配車アプリPickMeも一般的です。料金交渉制ではなく自動計算のタクシーでは、基本的にお釣りをチップ代わりに繰り上げて渡すのがスマートです。
例えば運賃LKR 940なら1,000ルピー渡し、60ルピーは受け取らない、という具合ですね。ローカルドライバーの間ではこの切り上げ分がチップ代わりという認識もあります。



実際、私が乗った時も乗車代102ルピーに対し120ルピーで支払い、差額のお釣りは返ってこず、それがチップのようなものだと思いました。
金額の目安としては料金の5~10%程度を上乗せできれば十分です。近距離で数十ルピーの端数しか出ない場合は無理に計算せず、お釣り不要と伝えるだけでも喜ばれます。



チップ自体は義務ではないので、お釣りが大きい額(例えば500ルピー札しかなくお釣りが400ルピー以上になる等)の場合は、きちんと受け取って問題ありません。その際は小額紙幣が無くて渡せない旨を伝えればOKです。
Uberなどアプリの場合、アプリ内でチップ送信機能があることもあります。しかしアプリのチップ上限額が低めに設定されているため(※とある旅行者によると「Uberのチップ上限が少額だったので別途現金で渡した」とのこと)、満足したサービスだった場合は直接現金で渡す方が確実でしょう。ドライバーからすると現金の方が手取りになるのでありがたい面もあります。
交渉制トゥクトゥクやチャーター車の場合
街角で拾うトゥクトゥク(三輪タクシー)は事前交渉制が多く、その場合チップは必須ではありません。



ただ、乗車前に交渉した料金が適正でお互い納得していれば、降車時に50~100ルピー程度の心づけを渡すと良いでしょう。特に重い荷物を持ってくれたり、道中観光案内してくれるようなドライバーには気持ちばかりのチップで感謝を表すと喜ばれます。
トゥクトゥクはチップ不要ですが、50~100ルピー切り上げは良い心づけにはなります。


観光客向けに車ごと貸し切るカーチャーター(タクシーチャーター)の場合、運転手は半日~数日間お世話になるパートナーです。



そのため、期間終了時にまとまったチップを渡すのが一般的です。相場は1日あたり約1,000~2,000ルピー。たとえば2日間チャーターした場合は合計2,000~4,000ルピー程度を最後に手渡せばOKです。
チャーター料金にチップが含まれている場合もあるが、含まれていないなら1日1,000~2,000ルピーを目安にしましょう。



ただし、旅行会社経由でチャーター手配した場合は事前にチップ込み料金になっているケースもあります。契約内容を確認し、込みなら必須ではありませんが、それでもサービスに満足したら多少追加で渡すというのが現地スタッフへの最大のねぎらいになるでしょう。
日本人向け現地ツアーではドライバーへのチップ目安を1日あたり5,000ルピー~とかなり高めに設定している例もあります。これには先述の「欧米人観光客はまとめて多めにくれる」背景も関係しているようで、昨今はチップ相場が上がり気味との声も…。



とはいえ、一般的には1日1,000~2,000ルピーで十分喜ばれる額ですので、過度に心配しなくても大丈夫ですよ。
アーユルヴェーダ施設でのチップ ~癒しの後に気持ちを伝える~
スリランカと言えば本場のアーユルヴェーダも人気ですよね。スパやマッサージを受けた際のチップについて解説します。
アーユルヴェーダ施術では、施術を担当してくれたセラピスト個人にチップを渡すのが一般的です。目安は施術代の約10%程度。たとえば5,000ルピーのコースなら500ルピー前後という計算になります。





日本人向けガイドでも「アーユルヴェーダマッサージのチップ相場は10%程度」とされています。私が出会った他の旅行者は、具体的に「相場は500ルピー。満足度次第でもっと払ってもOK」と言っていました。
実際、500ルピーは日本円で200円弱と考えると、たっぷりオイルを使った全身マッサージに対するお礼としては妥当な範囲でしょう。
渡し方としては、施術が終わって着替えた後に担当セラピストに直接手渡しするのがスマートです。多くの場合、施術後は担当者が出口付近で見送りに現れます。



その際に「Thank you, it was great. This is for you.」と感謝を伝えて渡しましょう。もし忙しくて見送りに来られない担当者だった場合でも、受付スタッフに「あの人に渡してください」と頼めばきちんと渡ります。
なお、アーユルヴェーダを連日受けるプログラムの場合、毎回渡すか最終日にまとめて渡すかは意見が分かれます。ホテル併設スパなどで3~4日間の滞在プランに組み込まれている場合、毎回施術後に少額ずつ渡す人もいれば、最終日にまとめて「複数日ありがとうございました」と多めに渡す人もいます。
どちらでも問題ありませんが、担当者が日替わりで変わる場合はやはり各回終了時に直接渡すほうが確実です。






サファリツアーでのチップ ~ガイド兼ドライバーへの謝意~
スリランカ旅行のハイライトとして人気なのが国立公園でのサファリツアーです。ジープに乗って野生動物を探すエキサイティングな体験ですが、ここでもガイド兼ドライバーへのチップが習慣となっています。





サファリでは通常、ジープ1台につきドライバー(兼ガイド)が1名同行します。
ツアー料金に彼らの基本報酬は含まれていますが、やはり満足できる体験を提供してくれたら別途チップを渡すのがマナーです。



相場は半日~数時間のサファリでジープ1台あたり約1,000~3,000ルピー。やや幅がありますが、これは参加人数や満足度によって調整すればOKということです。
たとえば2~3時間のドライブで象やヒョウもしっかり見られた!という大満足な内容なら3,000ルピー(約1,000円強)渡しても良いでしょう。逆に動物にほとんど出会えなかった場合などは1,000ルピー程度でも失礼にはあたりません。



中国人向け情報では「ジープサファリでは1台あたり500~1,000ルピー」という控えめな例もありましたが、近年の物価高やサービス向上も考えると1,000ルピー以上を見込んでおくと安心です。
渡し方は、サファリ終了後にジープを降りる際、直接ドライバーに現金で手渡します。同行の観光ガイド(別にいる場合)ではなく、実際に運転・案内してくれたドライバー本人に渡す点がポイントです。



もし国立公園の公式ガイドレンジャーが別途同乗した場合は、その方にも少額の心づけを渡せるとベターです(※同乗レンジャーは任意ですが、野生動物を探す目利き役として雇われる場合があります。その際のチップ相場は500ルピー程度が目安)。
サファリに関しては、前述の国籍差による傾向が顕著との話もあります。欧米からの旅行者は「素晴らしい体験ができた」と感じれば50米ドル(約15,000ルピー!)ものチップをはずむケースもあるとか。
ただしこれはかなり特例なので、私たち一般的な旅行者は予算と気持ちに見合った額で問題ありません。「Tipping is not mandatory, but highly appreciated(チップは義務ではないがとても感謝される)」という現地業者の言葉通り、無理のない範囲で渡しましょう。
スリランカ主要シーン別チップ早見表
以上、各シーンでの相場を見てきましたが、最後にチップの目安を一覧表にまとめました。旅行中に困ったときはこの表を参考にしてくださいね。
シーン | チップの目安 | 備考 |
---|---|---|
レストラン(サービス料なし) | 料金の約10% | サービス料込の場合は原則不要(良いサービスなら100LKR程度) |
ホテルのポーター | 100~200ルピー/部屋 | 荷物1つでも部屋ごとにまとめて渡す |
ホテルのハウスキーピング | 100~200ルピー/泊 | 枕銭として毎朝またはチェックアウト時にまとめて |
タクシー(短距離) | 端数繰り上げ(5~10%) | お釣りをチップ代わりに。小額紙幣が無い場合無理しない |
タクシー(長距離) | 運賃の約10% | 長距離・貸切チャーターでは1日1000~2000LKR目安 |
トゥクトゥク | 基本不要(気持ち程度) | ※料金交渉制。親切な運転手には50~100LKR渡すと好印象 |
観光ガイド | 1000~1500ルピー/日 | 半日観光なら500~1000LKR程。 |
アーユルヴェーダ施術 | 施術代の約10% | 目安500ルピー。満足度に応じ増額もOK |
サファリツアー(ジープ) | 1000~3000ルピー/台 | 所要半日程度の場合。大満足なら奮発も◎ |
まとめ:チップのポイントを押さえて楽しい旅を!
- スリランカはチップ文化の国で、良いサービスにはできる範囲でお礼を渡すのがマナー。小額でも気持ちが大切です。
- サービス料(Service Charge)込みかどうかを確認! 含まれていれば追加チップは基本不要ですが、特別良い対応には100ルピー程度上乗せすると喜ばれます。
- 小額紙幣を多めに用意しておき、タクシー代の端数などは繰り上げて支払いましょう。お釣り不要と伝えるだけでスマートにチップ代わりになります。
- 相場はあくまで目安。 サービスに満足したら相場以上に渡してOKですし、不満なら無理する必要はありません。あくまで**「感謝の気持ち」**として渡しましょう。
- チップを渡す際は笑顔で「ありがとう!」の一言もお忘れなく。きっと現地の人々とのコミュニケーションが深まり、旅がさらに楽しい思い出になりますよ。
チップに最初は戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえば難しいことはありません。



「感謝の気持ちを少し包む」という心構えでいれば大丈夫です。適切なタイミングと金額でチップを渡し、現地の温かなサービスに対してしっかりお礼を伝えてくださいね。
そうすればお互い気持ちよく、安心してスリランカ旅行を満喫できるはずです。楽しんできてください!