ココナッツとスパイスがふわりと立ちのぼるスリランカ料理。
東京には、混ぜて味が変化するライス&カリー、バナナリーフで蒸すランプライス、米粉のクレープ“ホッパー”まで多彩な名店が揃っています。
本記事では、話題性や掲載実績の高い10店を厳選し、味の個性や予算感、辛さ調整・ベジ対応、アクセスの要点を整理。現地流の“混ぜるほど旨い”食べ方も交え、初訪でも迷わない選び方をご案内します。
まずは東京で人気のスリランカ料理店10店舗の一覧です。各店の所在地エリアと特徴を表にまとめました。
店名 | 特徴 |
---|---|
マリーアイランガニー 渋谷(神泉) | 大きな肉塊が入った隠れ家スリランカカレー |
&スリランカTOKYO 神保町 | ココナッツ薫る発酵スープカレーが名物 |
HOPPERS 日本橋(茅場町) | モダン空間で彩り豊かなスリランカ定食 |
バンダラ ランカ 四谷三丁目 | 紅茶も自慢!異国情緒あふれる人気店 |
セレンディッブ 蔵前 | スリランカ人シェフ夫妻が営む家庭料理 |
スパイシービストロ タップロボーン 南青山 | アーユルヴェーダ香る老舗の名店 |
アチャラナータ 中野 | 日本人シェフの繊細カレー&驚きのデザート |
アプサラ レストラン&バー 中野 | バナナリーフ包み焼きカレーが人気 |
アラリヤ ランカ 五反田 | ランプライスやエッグホッパーなど豊富 |
シナモンガーデン RICE & CURRY 四ツ谷 | 味変自在!野菜たっぷりのカレープレート |
それでは各店の特徴やおすすめポイントを、詳しくご紹介します。
マリーアイランガニー(渋谷・神泉)


渋谷の雑居ビル5階にある隠れ家的スリランカ料理店です。店名「マリーアイランガニー」は店主の奥様の名前に由来し、本場で修行を積んだ日本人店主が腕を振るっています。
人気メニューは骨付きチキンカレーとポークカレーで、どちらも大ぶりの肉塊がゴロっと入った豪快な一皿です。スパイスの効いたビターなルーに肉の旨みが溶け込み、食べ応え抜群。それでいて油は控えめに仕上げられており、重たさを感じさせないのが特長です。実際、日本テレビ「ZIP!」でもこのポークカレーが紹介され話題になりました。
店内はスリランカの調度品が飾られ、バーのようなおしゃれな雰囲気。カウンター席もあり一人でも入りやすく、渋谷の隠れ家的存在としてカレー通に知られています。
価格帯は1,000~1,999円程度とリーズナブルで、ランチもディナーもカレー中心の気軽なスタイル。スリランカ産のスパイスを使った本格カレーを求め、連日多くのファンが訪れる名店です。カレー通の間では「渋谷でスリランカカレーと言えばここ」と言われるほどの人気ぶりですよ。
&スリランカTOKYO(神保町)


神保町カレー激戦区でひときわ人気を集めるのが「&スリランカTOKYO」です。こちらは元々福岡発祥のスリランカカレー店で、2020年に東京進出しました。
看板メニューの「豚肩ロースステーキカレー」は、スリランカ風スープカレーの中に約200gの厚切り豚肩ロース肉がドーンと載った豪快な一皿。ココナッツミルクたっぷりのさらさらスープは鮮烈なスパイスの風味と発酵のコクが感じられ、「いくらでも啜れそう」と評判の美味しさです。
スープカレーの辛さは1~3辛から選べ、スパイスと発酵食材を駆使した深い旨みが特徴。長方形に成形されたターメリックライスや彩り野菜が美しく盛り付けられ、見た目にも食欲をそそります。
店内はガラス張りで明るく、カフェのようなお洒落空間。白山通り沿いにありアクセスも◎です。夜はお酒に合うスリランカ風のおつまみも充実しており、バー使いも可能。
店名の通り「発酵とスパイス」がキーワードの進化系スリランカカレーが堪能できると人気のお店です。ちなみにInstagram公式アカウントではお得なサービス情報も発信しているので要チェックですよ。
HOPPERS(日本橋・茅場町)


2021年末に日本橋兜町の新複合施設KABUTO ONEに誕生したモダン・スリランカレストランです。「HOPPERS(ホッパーズ)」という店名はスリランカ名物の米粉クレープ「ホッパー」に由来しています。
店内はコンクリ打ちっぱなしの壁にカウンター席、オープンキッチンが配されたスタイリッシュな雰囲気。中央区ながら一歩中に入るとスリランカの空気感が漂い、非日常を味わえます。
ランチは「スリランカ定食(ライス&カリー)」が名物で、選べるメインカレー1種+9種の色とりどりの副菜がワンプレートに盛られます。
皿の上には丸ごとイワシのグリルとパパダン(豆せんべい)が大胆に載り、周囲にビーツカレーや豆カレー、カボチャ煮などの副菜が時計盤状に配置。
カレーは別皿で提供され、現地スタイルに倣い指で少しずつ混ぜながら食べるのが正解とスタッフも教えてくれます。一口ごとに味のハーモニーが変化し、「全部混ぜ」れば甘味・辛味・酸味が渾然一体となった奥深い美味しさに感動します。
夜はコース仕立てで「ホッパー(アーッパ)」も提供。まさに店名どおり、半球状に焼いた米粉クレープの中央に卵を落としたエッグホッパーなどが味わえます。
シェフは東京の人気スパイス料理店「スパイスカフェ」出身で、スリランカの家庭料理とストリートフードを洗練させた一皿を提供。ミシュランガイド2022ではビブグルマンにも選出され、国内外で注目を集める新進気鋭の名店です。
バンダラ ランカ(四谷三丁目)

2018年オープン。新宿区大京町のアートコンプレックスセンター1階にあるスリランカ料理とセイロン紅茶のお店です。店主はスリランカ人のバンダラ氏で、店名にもその名が冠されています。
「スリランカと日本のカルチャーの融合の地」をコンセプトに掲げており、洋風の建物にスリランカの調度品が溶け込む独特の雰囲気。まるで西洋のお城のような佇まいの店内には錦鯉が泳ぐテラス席もあり、優雅な時間を過ごせます。
料理は本場シェフによるスリランカ伝統料理が中心。人気メニューはランチ限定の「スリランカプレート」(約2,500円)で、スパイス香るカレーと色とりどりの副菜がワンプレートに華やかに盛り付けられています。

キャロットサラダやスパイシー唐揚げ、魚や豆のカレーなど品数豊富で、スパイス好きにはたまらないおいしさと評判です。ディナータイムはアラカルトやコースもあり、名物のチキンビリヤニやラムプライス(バナナの葉包み焼きご飯)はぜひ味わいたい逸品。
スリランカ産の紅茶メニューも充実しており、食後には香り高いセイロンティーでほっと一息つけます。テレビ東京「アド街ック天国」四谷三丁目特集でも取り上げられた人気店で、予約必須の盛況ぶり。店内は中学生未満の子ども入店NGという落ち着いた大人の空間なので、スパイス料理をゆったり堪能したい方におすすめです。
セレンディッブ(蔵前)

蔵前駅近くの雑居ビル1階に2020年オープンし、瞬く間に行列店となった本格スリランカ料理店です。
店名「セレンディッブ」はスリランカの旧称に由来し、スリランカ人シェフのタラカ氏と日本人の奥様・恵美さんが二人三脚で営むアットホームなお店。2023・2024年と食べログ「百名店」に連続選出され、雑誌『OZmagazine』など各種メディアにも多数掲載される実力派です。
こちらの魅力は何と言ってもヘルシーで優しい家庭的な味。動物性油脂は使わず、ココナッツミルクとスパイス、野菜でさらっと煮込んだスリランカカレーが特徴です。ランチは行列必至で、ほとんどの人が色々なおかずを盛り合わせた「スリランカプレート」を注文します。
チキン、ポーク、サバなど数種類から主菜カレーを選べ、副菜も豆カレーやビーツ、青菜の炒め物などが一皿に盛られます。混ぜながら食べると素材の甘み・辛みが調和し、後引くスパイス感に思わずハマること間違いなし。食後は身体がポカポカと温まり、まるで温浴後のような爽快感との声もあります。
夜は本場スリランカの家庭料理をアラカルトで提供。ココナツロティやデビルチキン、スリランカ風サラダ「サンボル」など、お酒と楽しめる一品料理も評判です。席数が少ないため、ディナーは予約がベター。夫婦の温かなもてなしと「優しいけど刺激的」なスパイス料理が楽しめる、心も体も喜ぶ人気店です。
スパイシービストロ タップロボーン(南青山)

南青山に本店を構え、門前仲町や神保町にも支店を展開する老舗スリランカ料理レストランです。創業者のカピラ・バンダラさんはスリランカ出身で、2011年に青山1号店をオープンして以来、東京で本場の味を広めてきました。
「タップロボーン」とはセイロン(現スリランカ)の旧国名。その名の通り「日本で一番スリランカに近いレストラン」を目指し、現地のスパイスやレシピを忠実に再現しています。
看板料理は「ランプライス」。バナナの葉でご飯と7種類のおかずを包み蒸し上げるスリランカ風炊き込みご飯で、タップロボーンでは通販やデリバリーでも提供するほど人気です。
さらにアーユルヴェーダの知恵も取り入れているのが大きな特徴。島国スリランカの料理は日本と同じように鰹節(モルディブフィッシュ)で出汁を取る伝統があり、身体を整える薬膳的な役割もあります。
こちらではオーナーの実家から取り寄せた新鮮なアーユルヴェーダスパイスを使用し、3週間ごとに現地から直輸入しているほどのこだわりです。
メニューはカレー各種からコットゥロティ(スリランカ版お好み焼き)、デビルシーフードまで多彩。特に「本日のスペシャルカレー」は日替わりで珍しい野菜や魚介のカレーが登場することもあり、リピーターを飽きさせません。
店内は南国の装飾が施されたビストロ風で、スリランカのビール「ライオンラガー」やアラック(ヤシ酒)も楽しめます。創業10年以上、都内3店舗を構える実績は伊達ではなく、「ここに来ればハズレなし」と称される安定の名店です。
アチャラナータ(中野)

中野駅南口から徒歩3分ほど、雑居ビル3階にあるスリランカ料理店です。2013年オープンで、店名「アチャラナータ」はサンスクリット語で“不動明王”の意味だとか。
こちらの最大の特色はシェフが日本人であること。独学でスリランカ料理を学んだ店主が一人で切り盛りしており、食べログ「アジア・エスニック百名店」にも選ばれる実力店です。日本人シェフならではの繊細なスパイス使いで、「日本人が作るスリランカ料理店は外れがない」と言われるほど評価が高いです。
メニューはチキンやポークなどの定番カレーから珍しい日替わり野菜カレーまで豊富に揃い、一人で作っているとは思えないほど。ランチは2種のカレーが一度に味わえるあいがけやワンプレートが人気。夜は単品注文が中心で、例えば「大根カレー」や「青バナナのカレー」などユニークなメニューにも出会えます。
いずれもモルディブフィッシュ(乾燥カツオ節)の旨みを効かせた本格派で、辛口ながらも出汁のコクがしっかり感じられる味わいと評判です。
そして訪れた人々を驚かせるのがデザートの「スイートアーッパ」。アーッパ(アッパ、ホッパー)とは米粉とココナッツミルクを発酵させて薄い半球状に焼いたスリランカのパンケーキで、通常は卵を中央に落として軽食として食べます。
しかし同店ではこれをスイーツ仕立てにアレンジ!中央はもっちり・縁はカリカリに焼き上げ、生地に花蜜の甘みを垂らした逸品は「2つの食感が楽しめる最高のデザート」。スリランカのホテルで出た味を再現したそうで、ぜひ日本でも流行ってほしい美味しさです。
店内はこぢんまりと可愛らしく手入れが行き届いた空間。店主もにこやかで居心地がよく、まさに隠れた名店という表現がぴったりです。繊細かつ力強いスパイスの世界を、デザートまで含めじっくり堪能できる一軒です。
アプサラ レストラン&バー(高田馬場・西早稲田)

早稲田大学近く、西早稲田エリアに2017年オープンしたスリランカ料理レストランです。店主は代々木でスリランカ料理店を営んでいた経験者で、その確かな腕を求めて西早稲田の新店にも多くのファンが訪れています。店内は1階と地下に席があり、コンクリ壁がお洒落なバーのような空間。女性一人でも入りやすい雰囲気です。
こちらの名物料理は何と言っても「バナナリーフ包み焼きカレー」。バナナの葉にご飯とカレー、副菜を包んで蒸し焼きにしたスリランカの伝統料理で、別名ランプライス(ランプラーイス)と呼ばれます。

熱々で提供される包みを開くと、立ち上る湯気と共に芳醇なスパイスの香りがふわっと広がり、ワクワク感が止まりません。
パパダン(豆のせんべい)を砕いて混ぜながら食べると、スパイシーだったりフルーティーだったり、一口ごとに違う味が楽しめる複雑で奥深いおいしさ。「これぞスリランカカレーの醍醐味!」とリピーターになるお客さんも多数です。
そのほか、スリランカ風ココナッツロティやエッグホッパーなどの軽食、一品料理も充実。価格帯はランチ~ディナー通して1,000~1,999円程度と利用しやすく、学生さんにも人気です。店名の「アプサラ」は天女を意味する言葉。その名の通り、美味なるスリランカ料理で天にも昇るような幸福感を味わわせてくれる素敵なお店です。
アラリヤ ランカ(五反田) ※2025年9月末に本店移転予定


五反田駅から徒歩6分ほど、オフィス街の一角に佇むスリランカ食堂です。2018年創業で、品川区内にテイクアウト専門店や神谷町店も展開しています(※2025年9月28日をもって五反田本店は一旦閉店し、現在移転準備中と発表されています)。
店名の「アラリヤ」とはスリランカの国花であるフランジパニ(プルメリア)のこと。その名の通り、花のように多彩で魅力的な料理を提供しています。
看板メニューは「ランプライス」で、バナナリーフに包んだスリランカ風炊き込みご飯を楽しめます。季節限定で日本の旬食材を取り入れた創作ランプライスも登場し、たとえば春には鯖カレーや筍カレーを詰め合わせた「春の木蓮ランプライス」などユニークな試みも。
そのほか、他店ではなかなか味わえない「エッグホッパー」(卵を落とした米粉クレープ)や、本場のスパイスで炊き上げたビリヤニも人気です。スリランカ各地の郷土料理が揃う充実のメニューで、「五感が満たされ現地気分になれる」と評判の本格派です。
店内はカジュアルで使い勝手がよく、昼はボリューム満点のスリランカプレート(スモールサイズも選択可)を目当てに会社員や学生で賑わいます。
夜はアラカルトをつまみにセイロンアラッグ(ココナッツスピリッツ)を傾けるのも乙なもの。アーユルヴェーダ由来のハーブティーやスパイスアイスクリームなど、食後の楽しみまで抜かりありません。今後の移転再開が待ち遠しい、都内スリランカ料理界を牽引する人気店です。
シナモンガーデン RICE & CURRY 四ツ谷店(四ツ谷)

最後にご紹介するのは、2024年オープンながら早くも話題沸騰の新鋭店です。神奈川県の南林間で2014年創業した「シナモンガーデン」が、四ツ谷に新業態店舗「RICE & CURRY」として進出しました。
店内はスリランカの海や自然をイメージしたターコイズブルーの壁が鮮やかで、清潔感あるカフェのような空間。女性ひとりでも入りやすいオープンな雰囲気です。
こちらのウリは、「3種のスパイスカレーと野菜のおかずをワンプレートで楽しめる」点。チキンカレーや日替わりカレー、豆のカレーなど数種類から2~3種のカレーを選び、彩り豊かな副菜と一緒に盛った「ライス&カリー」プレートが定番人気です。
それぞれ混ぜ合わせることで味変を存分に楽しめる工夫がされており、「一皿で何度も美味しい」と評判。実際オーナーシェフのアミラさんは、母から受け継いだスリランカの“おふくろの味”を日本人にも美味しく食べてもらえるよう試行錯誤を重ね、このスタイルを完成させたそうです。
カレーには小麦粉不使用、油も極力控えてあり、とてもヘルシーなのも嬉しいポイント。
さらに数量限定で「ビリヤニ」も提供しており、スパイス香る本格ビリヤニ目当てに足繁く通うファンもいるほど。自家製スイーツではココナッツミルクプリンが人気です。
価格はランチ・ディナーとも1,000円前後とコスパ抜群。店のモットーは「スリランカカレーを食べて元気になってほしい!」で、その言葉どおりスパイスと愛情たっぷりの料理が疲れた体に染み渡ります。
四ツ谷店はオープン1周年を迎え、特別メニューのバナナリーフカレー提供など精力的にイベントも開催中。今後さらに注目度が増すこと間違いなしのニューカマーです。
東京には以上のように個性豊かなスリランカ料理店が揃っています。本格的なカレーや伝統料理を気軽に楽しめるお店から、趣向を凝らした創作系までバラエティも豊か。ぜひ気になるお店に足を運んで、奥深いスパイスの世界にハマってみてください。一度食べたら病みつきになる絶品スリランカ料理が、きっとあなたを待っています♪